国立研究開発法人科学技術振興機構 日本科学未来館のプレスリリース
日本科学未来館
「ロボット」の新展示では、ロボットが生活に溶け込んだ未来の街を探索する体験や、今まさに進んでいる研究の紹介、ロボットとのふれあいなどから、ロボット技術とどのように向き合っていくのかを考えます。「地球環境」では、すでに変化が起こりつつある気候変動をはじめとした環境問題について、私たちに何ができるのかを探究します。「老い」では、加齢により誰にでも起こる身体の変化を疑似体験し、自身の老いとの付き合い方を探ります。各展示では、来館者自らが課題を見つけて解決に向けたアイデアなどを探ったり、来館者同士が意見を共有し相互に考えを深めたりするなどの仕掛けを盛り込みます。新しい時代に必要な課題解決能力などを育む探究・STEAM教育にも資する場です。
未来館が2021年4月に掲げたMiraikanビジョン2030「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」では、さまざまな課題解決や未来社会づくりに向けて、年代や国籍、障害の有無などに関係なくあらゆる人が参加してアイデアや取り組みを生みだし、社会に広めるための場になることを目指しています。新展示公開に先立ち、浅川は「来館者の皆さんがワクワクしながら展示を体験し、未来を自分ごとに感じてもらうことを大切に、スタッフ一丸となり企画制作を進めています。新しい未来館にどうぞご期待ください」と述べています。展示の詳細は随時お知らせしていきます。
■公開日
2023年11月22日(水) (予定)
■新展示の工事に伴い公開を終了する常設展示
8月31日(木)まで:「ともに進める医療」、「アナグラのうた ―消えた博士と残された装置」、「ビジョナリーラボ」
11月上旬まで:「アンドロイド ―人間って、なんだ?」
※その他の展示も一時閉鎖や仮設エリアでの公開などを予定しています。詳細は後日WEBサイトでお知らせします。
<詳細>
●テーマ「ロボット」
今よりもロボットが暮らしに溶け込んだ未来の街が舞台です。タブレット型のデバイスを使って街を模した展示空間の中を歩きながら、個性豊かな住人たちが繰り広げる人間とロボットの物語を体験します。ロボットがともに暮らす未来を具体的に想像し、自分だったら、身近なあの人だったら、と思いを巡らせると、自分自身が思っていた技術や人の価値観に関する「あたりまえ」が揺らぐかもしれません。体験の最後には、感じたことを来館者同士で共有し、新しい発見をしたり考えを深めたりするコーナーも設けます。体験を通して、未来は人の数だけ多様な可能性と技術とのかかわり方が存在するということを感じ取る展示です。また、最新のロボティクス研究を紹介する展示や、ロボットと実際にふれあえる展示も設ける予定です。
監修:安藤 健氏(大阪大学大学院医学系研究科招聘教員)、塩瀬 隆之氏(京都大学総合博物館准教授)
設置エリア:3階 常設展示ゾーン
広さ:約350平方メートル
●テーマ「地球環境」
気候変動の影響による不安定な気候のせいで多様な自然のめぐみを得られなくなるなど、暮らしを支える地球環境の悪化が続いています。本展示では、さまざまな体験を通して私たちが環境問題の解決にどう関わっていけるのか一人ひとりに捉え直してもらうことを目指します。気候変動の影響を受けている地域の現状を迫力ある大型映像で体験するほか、暮らしを支える社会や経済の仕組みが気候変動や生物多様性の損失、環境汚染とどうつながっているのか全体像を学びます。地球環境をよくするための実践例をふまえて、私たちに何ができるのかを一緒に探っていきましょう。展示空間自体も、環境負荷低減にチャレンジしながら制作していきます。
総合監修:武内 和彦氏(地球環境戦略研究機関 理事長)、江守 正多氏(東京大学 未来ビジョン研究センター 教授/国立環境研究所 上級主席研究員)
設置エリア:5階 常設展示ゾーン
広さ:約300平方メートル
●テーマ「老い」
科学技術の発展と社会の変化は、「老い」の捉え方や、あり方に大きな変化をもたらそうとしています。「老い」は、誰にでも訪れる私たちの未来。自分にとって望ましい未来の生活を思い描くためには、加齢により身体に起こる変化を科学的に捉えることが大切です。新展示では、視覚、聴覚、運動機能、認知機能に起こる変化を疑似体験し、身体が経年変化するとどうなるかを想像します。加えて、変化に対して私たちが取り得る現在や未来の選択肢に関する展示などから、自身の老いとの付き合い方を探ります。
総合監修:荒井 秀典氏 (国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 理事長)
設置エリア:3階 常設展示ゾーン
広さ:約230平方メートル
今後、新展示のより具体的な内容について随時お知らせしていきます。ぜひ、ご期待ください。