自転車の安全利用促進委員会、一般社団法人自転車協会のプレスリリース
香川県は中学生・高校生の通学時の自転車事故が非常に多く、当委員会の調査では、2021年に発生した1万人あたりの自転車事故件数は中高生ともに多く、高校生は全国ワースト4位、特に中学生は全国ワースト2位となっています。香川県では自転車利用者の悲惨な事故を減らすため、2021年3月から「香川県自転車の安全利用に関する条例」を改正し、自転車損害保険等への加入を義務化しています。
講演では、香川県内の自転車事故の特徴や事故データに触れ、全国の自転車通学指導事例や年齢に合わせた指導法を紹介しました。また、見落とされがちな自転車自体の安全性(BAAマークについて)の大切さについて解説しました。講師の遠藤 まさ子(自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト)は、「成人に比べ車の運転免許を持っていない中学生、高校生は道路標識等を正しく理解できておらず、道路交通法を前提とした指導が必要です。万が一事故が起きた際には、ヘルメットの着用有無が被害の大きさの分かれ目になり、保険加入の有無がその後の生徒や家族の人生を左右します。事故に遭わない・起こさないための教育のほか、事故に遭ってしまった・起こしてしまった時のことを考え、自転車保険の加入、またヘルメット着用はしっかりと指導していきましょう」と強調しました。
また、自転車も「乗り物」だということを自覚し、BAAマークなどの安全マークが付いた自転車を選び、定期的にメンテナンスをすることの重要性について解説いたしました。
新年度が始まって約1か月が過ぎ、新入生の自転車通学が本格的に始まります。当委員会の調査では、中学生、高校生の自転車通学による事故は5・6月が最も多いことがわかっています。ルール・マナーだけでなく自転車の車体自体の安全性についても改めて理解いただき、他県の指導事例を参考に教職員の皆様が自転車通学の安全指導について考える機会となりました。
【参加した教職員の感想】
・小学校から中学校に上がる時に、保護者からどのような自転車を買ったらよいかと相談を受けるので、BAAマークのことを知ることができ良かったです。(中学校教諭)
・生徒に教えるための知識が教員側に足りていない部分もあったので、指導のポイントをたくさん知ることができ良い機会になりました。(小学校教諭)
当日の様子1
当日の様子2
■参考資料
≪講師略歴≫
遠藤 まさ子
自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い各誌に寄稿。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアで自転車の利活用、安全指導等解説を行う。
遠藤 まさ子氏
≪自転車の安全利用促進委員会≫
自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送って頂くため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。
http://jitensha-anzen.com/
≪BAAマーク≫
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。
BAAマーク1
BAAマーク2
≪2021年都道府県別 自転車通学時の事故件数ランキング/香川県≫
2021年都道府県別 自転車通学時の事故件数ランキング/香川県