マーターポート株式会社のプレスリリース
建築物のデジタルトランスフォーメーションを推進する空間データのリーディングカンパニーであるマーターポート株式会社(本社:東京都港区、執行役員 社長:蕭 敬和、以下Matterport)と公益社団法人 和歌山県観光連盟(本部:和歌山県和歌山市、以下 和歌山県観光連盟)は、2023年に御誕生1250年を迎えた弘法大師空海によって開かれた世界遺産・高野山の二大聖地の1つである「壇上伽藍(だんじょうがらん)」について、Matterportキャプチャーサービス(Matterportによる撮影代行サービス)とMatterport Pro3カメラを駆使して撮影・編集を行い、真言密教の世界観を立体的に表現した高さ48.5メートルの「根本大塔(こんぽんだいとう)」等、国内外の観光客を魅了する境内の建造物を忠実に再現し、常時アクセスを可能にするデジタルツイン(※1)を構築しました。
(※1)物理空間(現実世界)に実在するものを、デジタル空間上で双子(ツイン)のようにリアルに再現し、モニタリングやシミュレーションを可能にしたもの。
●高野山 壇上伽藍 デジタルツイン公開ページ
壇上伽藍:https://my.matterport.com/show/?m=Bj1JQrvbBKo
根本大塔内:https://my.matterport.com/show/?m=Bj1JQrvbBKo&sr=-.08,-.01&ss=224
根本大塔の祈祷風景も再現
壇上伽藍の平面図
高野山は2023年7月9日に、弘法大師御生誕日の6月15日を中心に5月14日から57日間にわたり執行されていた「宗祖弘法大師御誕生1250年記念大法会」が終了します。また7月7日は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録されたことを記念する「和歌山県世界遺産の日」で、来年2024年には世界遺産登録20周年を迎えます。
今回のデジタルツインは、これらに先立ち公開するかたちとなりました。
●世界遺産、ミシュラン3つ星―世界も認めた歴史的価値の発信・継承を最新技術で支援
高野山は平安時代の初め、日本の偉大な聖人である弘法大師空海が中国(唐)留学から帰国後、国家の安泰と世界の平和を願い人里離れた山奥に修行の場を求め、海抜約1000メートルの山上に開いた真言密教の総本山です。2004年に世界文化遺産に登録、さらに2009年にミシュラン旅ガイド日本版において「わざわざ訪れる価値のある場所」として3つ星を獲得し、国内外、特に欧州からの観光客の間で人気を集め、コロナ禍を経てインバウンド観光が回復基調にある中で、和歌山県のみならず日本の観光誘客の拠点の1つとして重要な役割を担っています。
「壇上伽藍」は、弘法大師空海が根本道場を開く際に最初に整備に着手した場所で、高野山を訪れたらまず参拝したい場所とされています。今回公開に至った「壇上伽藍」のMatterportによるデジタルツインの特徴、および今後の運用面で期待されることは次の通りです。
1.歴史的背景もわかる解説付きデジタルツイン、高い再現性で観光誘客や文化財維持にも期待
(1) 根本大塔に僧侶の姿―荘厳な佇まいをありのまま再現、詳細な解説で学びもサポート
壇上伽藍全体を立体的に俯瞰するドールハウス、平面図、ウォークスルーを公開。壇上伽藍のシンボルともいえる根本大塔は、僧侶のご協力のもと祈祷風景を含めて内部の撮影を実現し、国内外から常時アクセス可能にしました。PCやスマホがあればいつでも、世界唯一とされる荘厳な堂内を僧侶の姿とともに圧倒的な没入感で見て回ることができます。「金堂」「三鈷の松(さんこのまつ)」など、壇上伽藍内の文化財に詳しい解説を付けており、建造物をリアルに見ながら歴史や背景も理解できる内容で、観光誘客への貢献はもちろん、学びのうえでも魅力あるコンテンツとなることが期待されます。
(2) デジタル保存による文化財の維持・継承サポート
根本大塔をはじめとする建造物の高精度なデジタルツイン作成により、歴史的価値ある文化財をデジタル上でいつでもリアルに再現可能にします。また、撮影時にLiDARで点群データ(距離データ)も取得しており、現在の建築物の状態を詳細にデジタルデータとして継承することができます。
Pro3カメラ(手前)
「三鈷の松」の解説の例。ポップアップ+別ウインドで表示される。 壇上伽藍の随所に解説が付けられ、歴史的背景を理解しながら楽しめる。
2.観光客の足を止めず、文化財にも負荷をかけないスムーズで迅速な撮影を実現
壇上伽藍のスキャンは、Matterportが撮影を代行するキャプチャーサービス(※2)で実施し、機材は「Matterport Pro3」を使用しました。LiDARを搭載し、高精度・高速なスキャン、高精度なモデル生成、屋内外の広い空間のスキャンが可能な専用カメラで、撮影は約半日で完了しました。機材もカメラ1台のみで観光客の足を止めることなく、スキャンする際に足場等を組む必要がないため、文化財を傷めてしまうリスクを回避した撮影を実現しました。撮影データはMatterportのクラウドサービスにて全自動で合成され、ウェブブラウザ上でデジタルツインとして閲覧できるようになります。
(※2)Matterportキャプチャーサービス:時間と労力がかかる、広大な建物や空間、遠方や海外の現場や施設の撮影は、Matterportにアウトソーシング(委託)いただくことが可能です。メーカーのノウハウとサポート体制で、高品質な撮影結果を迅速かつリーズナブルな価格でご提供できます。高額請求や不要な請求(月額管理費、都度の制作費)が無く、安心してご利用いただくことができます。
●公益社団法人 和歌山県観光連盟 マネージャー 菊本 奈緒美 様のコメント
観光は和歌山県の重点産業の1つであり、観光業界でも国内のみならず海外メディアへのPRや、観光魅力発信のためにVR等の最新技術の導入にも積極的に取り組んでいます。Matterportのデモを見て圧倒的な臨場感や精度に驚き、世界が認める高野山の神秘性も含めて魅力を発信できる技術と考え撮影をお願いしました。コンパクトな機材で短時間で撮影でき、早朝から訪れるお客様の妨げにならず、文化財にダメージを与えないことも導入しやすいポイントでした。2023年に「弘法大師御誕生1250年」、2024年に「世界遺産登録20周年」、2025年には「大阪・関西万博」と当県の観光産業の追い風となるビッグイベントが続く中、今回のデジタルツインを活用するとともに業界内にも共有することで、波及効果・相乗効果に繋げたいと思います。
●マーターポート株式会社 執行役員 社長 蕭 敬和(しょう けいわ)のコメント
ユネスコ世界遺産、ミシュラン3つ星と、世界も認める歴史的価値を有する高野山のデジタルツイン生成に協力させていただけたことを大変光栄に思います。和歌山県観光連盟様のご協力で、デジタルツイン内の各所にきめ細かい解説や動画が施され、知的好奇心を刺激し、高野山の歴史を学べる大変魅力的なコンテンツになったと自負しています。国内外に向けた観光魅力の発信、文化財の保存、施設の維持管理等においてもMatterportをご活用いただくことで、日本の観光産業をデジタルの力で支え、さらに新しい可能性を追求していくサポートができれば幸甚です。
「デジタルツインで結ぶ、文化と未来」
Matterportは文化遺産の情報化を目指し、2023年6月より「デジタルツインで結ぶ、文化と未来」プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、日本の文化財や歴史的建造物をデジタル化し広く人々に共有するための取り組みです。
デジタルツイン化は数多くの利点をもたらします。価値ある建造物の現在の姿を長期にわたって保存することを可能とし、老朽化で立ち入れなくなった建物も、デジタル化によって誰でも安全に内部を探索することを可能にします。また、自然災害等からの復興を詳細に記録し、後世にその過程を伝えることも可能となります。
さらにデジタル化により世界中から文化遺産へのアクセスを可能とし、その歴史や価値を広く伝えることができます。その結果、日本の豊かな文化遺産が国内外に情報として共有されることになります。
この取り組みの一環として、6月26日には創業148年の酒蔵「天山酒造」(佐賀県)のデジタルツイン(※)を公開しました。今回の「高野山 壇上伽藍」は上記に次ぐ第2弾となります。
(※)天山酒造デジタルツイン公開ページ
https://my.matterport.com/show/?m=HHEbXmswFk3
今後も、日本の文化財・価値ある建造物等のデジタル化を進めて参ります。日本の文化財・歴史的建造物・名勝地、および文化遺産情報化に携わる自治体様、団体様からのご相談をお待ちしております。
Matterport(マーターポート)について
Matterportは、建築世界のデジタルトランスフォーメーションをリードしています。当社の画期的な空間データプラットフォームは、建物をデータ化し、空間の価値とアクセス性を高めます。177カ国以上の何百万もの建物が、Matterportのデジタルツインとして生まれ変わり、計画、建設、運用から、文書化、鑑定、マーケティングまで、建物のライフサイクルのあらゆる部分を改善しています。詳細はhttps://matterport.com/jaでご覧いただけます。また、デジタルツインのギャラリー https://matterport.com/discoverもご覧いただけます。
マーターポート株式会社は米Matterport, Inc.の日本法人です。
Matterportのテクノロジーは現在、主に不動産業・建築業・製造業・小売業・アパレル業・公共・大学で重用されており、不動産物件・モデルルームのオンライン内覧や、遠隔地を含む建設中物件の施工進捗管理、工場・プラントの施設管理、マーチャンダイジング管理や店舗教育、工場見学やキャンパス紹介などにも活用されています。日本国内では比叡山延暦寺、海外ではエジプトの遺跡などのデジタルツインの作成に用いられています。
(C)2023 Matterport, Inc. All rights reserved. Matterportは登録商標であり、MatterportのロゴはMatterport, Inc.の商標です。その他の商標はすべて、それぞれの所有者に帰属します。
<将来の見通しに関する記述>
本資料には、連邦証券法に規定される将来の見通しに関する記述が含まれています。これには、本経営統合の利点、Matterport, Inc. (以下「Matterport」)が提供するサービスおよびMatterportが事業を展開する市場、事業戦略、負債水準、業界環境、潜在的な成長機会、規制の影響およびMatterportの将来予測に関する記述を含みます。これらの将来見通しに関する記述は一般に、「確信する」、「推定する」、「期待する」、「予想する」、「見積もる」、「意図する」、「戦略」、「将来」、「予測」、「機会」、「計画」、「可能性がある」、「はずである」、「だろう」、「である」、「継続する」、「結果的にそうなるであろう」などの表現(これらの言葉や表現の否定形を含む)で識別されます。
将来の見通しに関する記述は、現在の期待や仮定に基づく将来の出来事に関する予測、予想、その他の記述であり、その結果、リスクや不確実な要因を伴います。この将来の見通しに関する記述に記載される実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、Matterportが競合する業界において、事業計画、予測、その他の期待を実現する能力、ならびに追加的な機会を特定し実現する能力などが含まれます。上述の要因はすべてを網羅するものではありません。前述の要因およびMatterportが米国証券取引委員会(SEC)に適宜提出する書類に記載されているその他のリスクや不確実性を慎重に検討する必要があります。これらの報告書には、将来の見通しに関する記述とは大きく異なる実際の出来事や結果を引き起こす可能性のある、その他の重要なリスクや不確実な要因が記載されています。将来の見通しに関する記述は、その記述がなされた日付時点でのものです。読者の皆様におかれましては、将来の見通しに関する記述を過度に依拠することないようご注意ください。Matterportは、新しい情報、将来の出来事、その他の結果にかかわらず、これらの将来の見通しに関する記述を更新または修正する義務を負うものではなく、また、法律で義務付けられている場合を除き、その意図もありませんことをご留意ください。Matterportは、その期待を達成することを保証するものではありません。