株式会社アーティストリーのプレスリリース
株式会社アーティストリー(愛知県春日井市 代表取締役:水戸勤夢)が手がけた北こぶし知床ホテル&リゾートのサウナ室が、優れた木材活用を賞するウッドデザイン賞2023の優秀賞(林野庁長官賞)に選ばれた。
北こぶし知床ホテル&リゾート(https://www.shiretoko.co.jp/)のサウナ室 UNEUNAとKAKUUNAが、今年の受賞作品238点の中から、ウッドデザイン賞2023ハートフルデザイン部門にて優秀賞を受賞。ウッドデザイン賞9年間の歴史の中で、サウナが上位賞に選ばれるのは初めてである。 https://www.wooddesign.jp/db/production/1872/
同年12月6日に東京ビックサイトで行われた上位賞表彰式にて、サウナ室のデザイン設計と製作を担当した株式会社アーティストリーの大西功起が林野庁長官の青山豊久氏より表彰状の授与を受けた。
(左)みどりの大使 上村さや香さん(中右)審査委員長 赤池学氏(右)林野庁長官 青山豊久氏
このサウナ室は、近年注目されている株式会社アーティストリーが得意とするデジタルと職人技術を組み合わせた【3D木工】技術を駆使して作られています。ホテル8階の大浴場にある美しいデザインのサウナ室ではオホーツクの大自然を望みながら、唯一無二の「ととのい」体験を得ることができます。
木の洞窟をイメージしたUNEUNA
流氷をイメージしたKAKUUNA
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ウッドデザイン賞 優秀賞の評価点
近年ではソフトウェア、ハードウェアに加えてセンスウェアという概念が重要視されています。センスウェアとは「人の感覚を刺激することを通じて、新たな世界の見方や世界との関わり方を発見させる道具」です。便利さや効率を求め、人間の感覚や五感に対して無頓着になりがちな世の中でこの言葉が注目されてはじめています。まさに本作品はハートフルなデザインで心と五感に訴求し木材利用の価値を先導する作品である。
また、今年のウッドデザイン賞の評価基準はデザインの良さ以外に先導的なビジネスモデルとなりうるかが重要視されました。木の良さやデザイン以外に収益性や、地域貢献などの新たなバリューを提供できることが今後の木材利用普及活動において重要と考えています。(審査委員長 赤池学氏より)
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サウナ室誕生のストーリー
ホテル外観
2020年のコロナ禍により観光産業は大きな打撃を受けます。ホテル業を営む北こぶし知床ホテル&リゾートは、知床の地に再び多くの人に足を運んでもらえるように、当時流行の兆しのあった「サウナ」に注目。監修には数々のサウナをプロデュースしているTTNE(https://ttne.jp/)が選ばれました。アイデア検討段階で世界に数例しかない3Dサウナを国内に初めて作れば、サウナ愛好家のニーズを満たすと企画がスタート。
しかし、従来のサウナ専門会社では製作が難しく、プロジェクトが難航していた中、3D木工の先駆者として認知度を上げていた株式会社アーティストリーに白羽の矢が向きます。担当した大西は「家具屋だからサウナはできないと断るのではなく、特注家具屋として挑戦し、要望に応えてこそ職人集団としての社会的価値がある」と考え、数々の検証を行い、相談から6ヶ月で日本初の3Dサウナを完成させます。施工は地元ゼネコンの河面組(https://koumogumi.co.jp/)が行いました。
完成後は今行くべきサウナ施設を賞する「サウナシュラン」を2度受賞し、話題を呼び、多くのサウナ愛好家がこの3Dサウナを目掛けて、知床の地を訪れる結果となりました。また、サウナ利用者はホテルに宿泊しサウナを楽しむだけではなく、同時に周辺の観光を楽しむため、地域経済にもホテルのサウナが貢献する形となり、地域にとっても新たな顧客の創出にも繋がりました。これがサウナの魅力であり、価値であると大西は考えます。
大人気の流氷ウォーク
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ウッドデザイン賞とは
私たちは、木を使うことによって、社会課題の解決を目指す活動を、「ウッドデザイン」と定義しています。SDGsやカーボンニュートラルへの取組が必須となっている今、森林や木材の利活用がクローズアップされています。木を活かして、新たな時代の価値をデザインする。「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を、デザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し、表彰する顕彰制度です。(ウッドデザイン賞公式HPより https://www.wooddesign.jp/
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3D木工の先駆者:株式会社アーティストリー概要
愛知県にて29年にわたり、店舗やオフィス、ホテル、個人宅などのフルオーダー家具、特注什器を製造してきた木工会社。2016年より職人技術に加え、プログラムにより3D加工ができる5軸CNC(工作機械)と3DCADを掛け合わせたハイブリットな手法に挑戦。新たな木材表現を可能とする3D木工が注目を浴びている。
設立:1997年2月
所在地:〒486-0958 愛知県春日井市西本町三丁目260
事業内容:内装業界の特注木製家具、什器の製造・3D木部材の加工・3Dデザイン設計、サウナ製作
HP:http://www.artistry.co.jp/index.html
instagram:https://www.instagram.com/artistry_tech
木工サウナー 大西功起
営業開発部 部長 大西功起 Ohnishi Atsuki
<プロフィール>
名古屋芸術大学卒業後、大手木工家具メーカー勤務。
2015年、株式会社アーティストリーへ入社。家具職人、5軸CNCオペレーターを経験したのち、現在は新規営業を担当。製造の経験を活かし、3D木工案件のプロジェクトマネジメントを務める。
北こぶし知床のサウナプロジェクトを機に、自身もサウナ愛好家になる。サウナを通じた営業活動、異業種との交流活動を取り入れ、新しいサウナ施設やサウナ催事の監修などを実施中。2023年8月、フィンランド大使館商務部主催のサウナビルダー向けWSを修了。