高山市のプレスリリース
生きびな祭は、戦後に女性の気品と幸福を祈念するお祭りとして始まり、現在では五穀豊穣と女性幸福を祈念する華やかなお祭りとして定着しており、例年たくさんの参拝者が訪れます。
長い飛騨の冬も終り、ようやく春の訪れを実感できる陽気となってきました。飛騨地方の春の風物詩でもある水無神社の年間行事『飛騨生きびな祭(いきびなまつり)』が4月3日に開催されます。
http://hidamiya.com/event/event01
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生きびな祭りとは
春のおとずれの遅い飛騨では、ひと月おくれで”ひなまつり”を迎えます。
この祭りは、昭和27年に、もともと蚕糸業が盛んだったこの地方で、春秋の2回蚕糸業祭がおこなわれて蚕糸業農家の年中行事となっていた養蚕豊鐃と地域農業の振興を祈念する春の養蚕業祭に、寒冷地のためにひと月遅れて行われるひな祭りをとり入れ、絹に象徴される女性の気品と幸福を祈念するために始まりました。
また、戦後の新憲法により、神社が国の管理下を離れ、宗教法人の1つとして自立した経営を迫られたことや神社信仰を盛り上げようとしたのがきっかけともいわれ、いわば神社の振興と蚕糸業の振興のために始まったとも言われています。
近年では蚕糸業が廃れてしまったため、祭を主催していた『蚕糸業奉賛会』も『蚕糸農業奉賛会』と名前を変え、農業協同組合があとおしする農業全般の豊鐃と女性の幸せを祈願する華やかなお祭りとして、毎年多くの人々を魅了しています。
祭りでは、雅楽が奏でられる中、赤鬼と青鬼を露払いに、雅楽を演奏する伶人、稚児、菱餅や酒杯を手にした巫女、そして選ばれた女性9人が左大臣、右大臣、内裏、后、五人官女となって続き、その後に奉賛会の人々総勢100名余りが、平安の昔を偲ばせるきらびやかな祭行列となり、表参道から境内まで約900mを40分ほどかけて練り歩きます。祭典の最後には、特設舞台において、生きびな様の紹介や1年の豊作を祈願して、生きびな様による餅投げが行われ、菱餅や繭だんごが振る舞われます。
昔も今も農業(稲作)にとって水は命。この命の水の源である位山を神座(みくら)とする水無神社のお祭りには、神通川の流域に拡がる富山方面などからも多くの参拝者が訪れ、例年大変な賑わいをみせています。
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TVアニメ「氷菓」にモデルとして登場
高山市出身の小説家、米澤穂信さんの小説「古典部シリーズ」を原作としたTVアニメ「氷菓」最終話で、生きびな祭がモデルとして描かれました。
雛役を担うこととなったヒロインに頼まれ、傘持ち役を請け負った主人公ですが、祭りの進行にちょっとした問題が…というストーリーで、アニメの制作スタッフの方が祭りを下見に来られ、祭の風景が美しい描写で登場します。
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第71回飛騨生きびな祭
日程:令和6年4月3日(水)
10:00~ 地元特産品の展示販売(神社境内)
13:00~ 生きびな行列(参集殿出発)
※雨天の場合は、神社回廊で行います
14:00~ 祭典(本殿にて)
※関係者、来賓以外は本殿に上がれません
奉納芸能(特設舞台にて)
14:40~ 記念写真撮影
15:00~ 生きびな様紹介・表彰式
15:20~ 生きびな様による餅まき
15:40~ 終了
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一之宮地域について
一之宮地域は、高山市の南側に位置し、分水嶺を成す位山を中心とする山麓に美しいのどかな田園風景が広がる源流の里です。臥龍桜やツメタの大イチイをはじめ巨樹、巨木など自然豊かで、飛騨一宮水無神社や飛騨生きびな祭、位山巨石群、位山道など歴史とロマンにあふれる地域資源が数多くある地域です。
【本件に関するお問い合わせ】
高山市一之宮支所基盤産業課
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飛騨一之宮観光協会
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