森トラストグループ 2024年3月期 業績報告

森トラスト株式会社のプレスリリース

森トラスト株式会社、森トラスト・ビルマネジメント株式会社、森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社など、森トラストグループ41社(森トラスト、連結対象子会社36社、持分法適用関連会社4社)の2024年3月期 連結業績をお知らせします。

[森トラストグループ 連結業績] (2023年4月1日~2024年3月31日)

 2024年3月期は、営業収益2,629億円(前期比:1.4%減)、営業利益538億円(前期比:17.8%減)となりました。米国における複数の不動産取得のほか、既存オフィスビルの稼働改善、新型コロナウイルス感染症の5類移行を受けたことによるホテルの稼働率向上等が寄与し、賃貸関係収益・ホテル関係収益ともに過去最高となりました。一方で、販売調整等により不動産販売収益が減少し、減収減益となりました。

 経常利益は589億円(前期比:15.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は413億円(前期比:21.9%減)と、減益となりました。

 2025年3月期の予測では、賃貸関係収益とホテル関係収益ともに3期連続の増収のため、営業収益全体でも2,850億円(前期比:8.4%増)と増収を見込んでおります。また、営業利益は540億円(前期比:0.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は360億円(前期比:13.0%減)となる見込みです。

森トラストグループ 連結業績森トラストグループ 連結業績

2024年3 月期の業績ハイライト

  • 「賃貸関係事業」は、2022年8月に取得した米国ワシントンD.C.の「601 Massachusetts Avenue(601マサチューセッツアベニュー)」の通期稼働による収益寄与や、既存オフィスビルの稼働率改善により、前期比7.6%増で2期連続過去最高となる918億円の営業収益となりました。

  • 「ホテル関係事業」は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の5類移行の影響を受け、シティホテル、リゾートホテルすべての既存ホテルが大幅に稼働率を改善しました。また、同年5月に「リーガロイヤルホテル京都」の取得、同年8月に「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」の開業等もあり、前期比49.1%増で2期連続過去最高となる664億円の営業収益となりました。

  • 「不動産販売事業」は、エスリード株式会社によるマンション分譲が前年に引き続き好調を維持したものの、販売調整により前期比26.8%減となる864億円の営業収益を計上し、「その他事業」は前期比2.8%減となる181億円の営業収益となりました。

 上記の結果、営業収益は2,629億円、営業利益は538億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は413億円となりました。

2025年3 月期の業績予測

  • 「賃貸関係事業」は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症を起因とするオフィス市況の低迷から脱し、既存オフィスビル稼働率の改善等により3期連続過去最高となる930億円の営業収益を見込んでいます。

  • 「ホテル関係事業」は、今期「万平ホテル」「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」の開業を予定しています。加えて、新型コロナウイルス感染症の5類移行後初の通期稼働により既存ホテルの稼働の更なる改善が期待されることから、3期連続過去最高となる750億円の営業収益を見込んでいます。

  • 「不動産販売事業」は、住宅分譲事業中心に1,000億円を、「その他事業」は170億円の営業収益をそれぞれ見込んでいます。

 上記の結果、2025年3月期の業績は、営業収益は2,850億円、営業利益は540億円、親会社株主に帰属する当期純利益は360億円となる見込みです。

※本資料に記載の業績予測は、本資料の発表日現在において入手可能な情報から得られた判断に基づいています。実際の業績は、今後の様々な要因によって異なる結果となる可能性があります。

森トラストグループの財務状況の推移

自己資本および自己資本比率の推移

 2024年3月期において、自己資本は5,573億円、米国オフィスビル「245 Park Avenue(245パークアベニュー)」、「リーガロイヤルホテル京都」や「フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波」等への投資により、自己資本比率は前期比4.4%減となる37.7%となりました。

自己資本および自己資本比率の推移自己資本および自己資本比率の推移

賃貸関係事業およびホテル関係事業の推移

 2024年3月期において、賃貸関係収益・ホテル関係収益ともに過去最高を更新しました。

賃貸関係事業およびホテル関係事業の推移賃貸関係事業およびホテル関係事業の推移

Advance2030

「Advance2030」の数値目標

 2016年に策定した森トラストグループの中長期ビジョン「Advance2027」について、2023年11月に改定を行い、「Advance2030」として、2030年度に向けて新たに1兆2,000億円の投資目標と、2030年度の売上高3,300億円、営業利益700億円の目標を設定しました。

■「Advance2030」の数値目標■「Advance2030」の数値目標

「Advance2030」のアクションプラン

(1)不動産事業(賃貸および分譲)

ⅰ)選択と集中:競争力の高いエリアへの集中的な投資

ⅱ)最適複合: 土地の特性を最大化する機能を最適な形で複合

ⅲ)国際都市機能の強化: 日本の国際競争力強化に資する都市づくりへ貢献

  

(2)ホテル&リゾート事業

ⅰ)ジャパンブランドの発信: 豊富な観光資源を活用し、日本の魅力を世界に発信

ⅱ)グローバルスタンダード: 国内に国際基準のサービスや世界のライフスタイルを提供

ⅲ)イノベーション: 日本の文化と国際基準のサービスの融合により、新たな価値を創出

ⅳ)観光先進国へ: 事業を通じて、日本の観光先進国たる地位の確立に寄与

(3)投資事業

広く社会に価値をもたらす事業全般について、多様な投資手法を用いて、「安定性」「持続性」「成長性」に重点を置いた投資を行うことで、時代に即応した最適な事業・資産ポートフォリオを構築します。

事業トピック

不動産事業

 東京都心部のプロジェクト「東京ワールドゲート赤坂」では、2025年グランドオープンに向けて開発を進めています。中長期ビジョン「Advance2030」で掲げた重点戦略である海外投資では、米国マサチューセッツ州ボストン市において、森トラストとして初めての海外不動産開発事業に参画。加えてニューヨーク州マンハッタンに所在するオフィスビル「245 Park Avenue」のリノベーション事業を2025年に向けて行っています。また、当社は東京ワールドゲート 神谷町トラストタワーに24年ぶりとなる本社移転を実施しました。

<東京ワールドゲート赤坂 / 赤坂トラストタワー>

 街区コンセプト「Next Destination ~もう一度、街で会おう~」のもと、多様な人々が再び出会い、交流するための目的地となる街の実現を目指し開発を推進しています。

東京ワールドゲート赤坂 / 赤坂トラストタワー東京ワールドゲート赤坂 / 赤坂トラストタワー

<米国マサチューセッツ州ボストン市における開発参画>

 米国子会社の森アメリカ社(MORI America LLC)を通じて、ラボ&オフィスの開発事業に参画しました。本物件は世界的なパンデミックの経験や先端治療薬科学の急速な発展に伴い、ライフサイエンス分野への関心と研究施設への需要の高まりに対応する、ラボ&オフィスです。

15 Necco Street15 Necco Street

<米国ニューヨーク州マンハッタンのオフィスビルへの投資・リノベーション事業参画>

 森アメリカ社(MORI America LLC)を通じ、オフィスビル「245 Park Avenue」に投資し、同物件のリノベーション事業に参画しました。

 アメリカ最大の都市マンハッタンの中でも、経済・文化の中心地である「ミッドタウンエリア」に位置している本物件はマンハッタン最大の不動産会社であるSL Green Realty Corp.と共同で所有し、2025年に向けてリノベーション事業を行います。また、本物件への投資、リノベーションにおける当社の投資総額は1,000億円規模となる見込みです。

245 Park Avenue245 Park Avenue

<森トラスト 新オフィス(東京ワールドゲート/神谷町トラストタワー)>

 2023年5月に移転した新本社にて、当社のオフィス事業のビジョンである「DESTINATION OFFICE」によって社員のエンゲージメントを高めるとともに、可変性のあるオフィスという考えを足し合わせ、目的地であり続ける新たなオフィスを実現しました。

 また、ワーカーや社会のニーズにフィットしたオフィスの運用をさらに強力にサポートし、お客様の企業成長に貢献するサービス「WORK SELECT」の提供を開始しました。

森トラスト 新オフィス森トラスト 新オフィス

【参考】「WORK SELECT」提供開始

 森トラスト・ビルマネジメントはオフィスづくりを提案・支援する「WORK SELECT」を現在のオフィスに課題を感じている、またはこれからオフィス移転を検討する企業向けに提供しています。

 森トラストグループが蓄積した知見を活用し、オフィス構築の全てのフェーズを一気通貫でサポートすることで、費用・スケジュールを効率化し、理想とするオフィスの実現を支援します。

ホテル&リゾート事業

 森トラストグループの中核事業であるホテル&リゾート事業では、2024年3月時点で日本全国に32のホテル施設を展開、22件の新規ホテル計画を推進しています。また、2024年3月期は需要拡大が見込まれる関西エリアで2軒のホテルを取得しました。「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想※のもと、インバウンド需要の受け皿拡大や旅行者一人当たりの消費単価向上を見据えた取り組みを推進していくなど、国内外の旅行者に日本各地の魅力ある観光資源を活かした快適な滞在を提供しています。

 

既存ホテルと新規ホテルプロジェクト一覧

既存ホテルと新規ホテルプロジェクト一覧既存ホテルと新規ホテルプロジェクト一覧

※「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想:森トラストグループは、観光のゴールデンルートである東京・京都に加え、日本各地にインターナショナルホテルを誘致する「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想を掲げています。

■2024年3月期開業ホテル

<紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良 >

 奈良県の官民連携事業「吉城園周辺地区保存管理・活用事業」におけるプロジェクト。ラグジュアリーホテルブランド「翠 SUI」並びに「ラグジュアリーコレクション」を冠した国内3軒目のダブルブランドホテルとして2023年8月に開業しました。

紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良

<東京エディション銀座>

 日本を代表する商業地・銀座の中心、世界的な高級ファッション・ハイジュエリーブランドが林立する銀座二丁目エリアに2024年3月に開業しました。世界の旅行者を呼び込む新たなランドマークとして、銀座エリアの持続的な発展に貢献することを目指しています。

東京エディション銀座東京エディション銀座

<ラフォーレ箱根強羅 湯の棲 綾館>

 「五感で浸かり、豊かな時を織りなす」をコンセプトに、箱根の自然に調和する上質な設えや、丁寧なサービスを通して箱根の土地を五感でお愉しみいただけるホテルとして2024年1月に開業しました。

ラフォーレ箱根強羅 湯の棲 綾館ラフォーレ箱根強羅 湯の棲 綾館

■「リーガロイヤルホテル京都」取得

 2023年5月に「リーガロイヤルホテル京都」を取得しました。

当ホテルは京都駅から徒歩約7分の立地で、東寺や西本願寺といった世界遺産に徒歩でアクセス可能な場所に所在する、約500室の客室を有した大型ホテルです。1969年の開業から50年余り、地元京都に愛され続けている名門ホテルで、2016年には大幅にリニューアルが実施されました。

リーガロイヤルホテル京都リーガロイヤルホテル京都

■「フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波」 取得

  大阪第2のターミナル駅である難波駅から徒歩約5分の場所に位置している「フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波」を2024年1月に取得し、「大阪・難波エリア」に初進出しました。

  中長期的な観光需要の伸びが期待されるエリアで、信頼のおけるサービスや温かみのある心地よい空間を提供し、宿泊特化型のホテルとして国内外の観光客を迎えています。

フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波フェアフィールド・バイ・マリオット大阪難波

■【参考】今後開業予定のホテル

<万平ホテル(大規模改修・改築事業)>

 2024年に創業130周年を迎える万平ホテルの大規模改修・改築事業です。本事業では、日本ホテル史上における貴重な歴史的建造物としての伝統を守り、長く未来にわたりクラシックホテルとしての格式ある滞在をお届けすることを目指してまいります。(2024年夏開業予定)

万平ホテル万平ホテル

<ホテルインディゴ長崎グラバーストリート>

 長崎市南山手地区は異国情緒あふれる国際色豊かな街並みが残る観光名所です。西九州新幹線の開業によりさらなる観光の発展が期待されるこのエリアに、IHGホテルズ&リゾーツが展開するライフスタイル・ブティックホテルブランド「ホテルインディゴ」を誘致しました。(2024-2025年冬開業予定)

ホテルインディゴ長崎グラバーストリートホテルインディゴ長崎グラバーストリート

サスティナビリティ活動報告

森トラスト サステナビリティ推進ビジョン

森トラスト サステナビリティ推進ビジョン森トラスト サステナビリティ推進ビジョン

 私たちはコーポレートスローガン「Create the Future」のもとわくわくするような未来の創造を目指しています。

 かつて私たちのミッションがビルづくりからまちづくりへ変わったように新しい社会を作ることで、私たちもまた社会と共に変わります。

森トラスト SDGs森トラスト SDGs

■2024年3月期における取組実績(抜粋)

<安心・安全なまちづくりとコミュニティ活性化>

〇地域に開かれたラウンジ空間の提供

 TOKYO WORLD GATE CoCo Loungeの延べ年間利用実績:235,418人

〇エリアマネジメント活動による地域のコミュニティ形成

 神谷町・御殿山・丸の内・仙台エリアにおけるイベント実績:16回

〇災害訓練の実施による安全への備え

 災害訓練の実施件数:5件

安心・安全なまちづくりとコミュニティ活性化安心・安全なまちづくりとコミュニティ活性化

<サステナブルな環境・社会の実現>

〇賃貸ビルへの再生可能エネルギー電力の導入

 新たに9棟への賃貸ビルに導入:進捗率88.1%(2025年度までの導入率目標:100%)

〇賃貸ビルにおける環境認証取得

 新規取得件数:3軒(15 Necco Street 、245 Park Avenue、神谷町トラストタワー)

<ホテルアメニティのプラスチック使用量を約15トン削減>

 森トラスト・ホテルズ&リゾーツは、運営18ホテルで使われているホテルアメニティに含有する年間16トンプラスチックを、2024年度を目途に15トン削減する取り組みを行っています。

 ①   木製や竹製、減プラスチック製品などに変更。

 ②   アメニティをご持参いただく取り組みを実施。

 ③   一部ホテルアメニティの無料設置を廃止。

<新たなワーク・ライフスタイルの提案>

〇職場環境に関する認証の取得

 健康経営優良法人(大規模法人部門)に5年連続で認定

<新時代の創造と産業育成>

〇文化・産業発信に寄与する展示・販売

 TOKYO WORLD GATE CoCo Loungeにおける展示・販売活動実績37週

 

<ウェルネス・健康促進>

〇ウェルネス領域における事業の推進

 ウェルネスフードの開発・提供

 ECサイトでの自社農園のハーブティー販売

 Pure wellness roomの導入:21施設

〇育児休業取得率

  取得率:合算69.6%、女性100.0%、男性66.7%(2025年度までの目標:100%)

<ダイバーシティへの取り組み>

〇生活コンシェルジュによる外国人居住者サポート

 TOKYO WORLD GATE CoCo Loungeにおけるコンシェルジュ対応:2,378件

〇多様性を意識した採用活動

 新卒採用におけるグローバル枠・イノベーション採用を実施、キャリア採用においてアルムナイ採用・リファラル採用を実施

<コンプライアンス・ガバナンスの継続的向上>

〇森トラストグループとしての法務機能強化

 グループ法務ミーティングの開催:4回、社内セミナーの開催:3回

〇情報漏洩に対する管理意識向上

 危機管理対応シミュレーションを実施

賃貸・運営施設(2024年3月31日時点)

○ ビル・住宅・商業施設:64棟

○ ホテル・リゾート施設:35ヶ所(客室数:約5,300室)

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