都市の周縁が持つ可能性を問う展覧会
公益財団法人東京都歴史文化財団のプレスリリース
■展覧会概要
会期:2024年10月5日(土)~11月10日(日)
休館日:月曜日(10月14日、11月4日は開館)、10月15日(火)、11 月5 日(火)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
入場料:無料
出展作家: 尾花賢一、プレワンガン・スタジオ、ランガス・ウェンギ
共同キュレーター: アヨス・プルウォアジ
主催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース
後援: 駐日インドネシア共和国大使館
ウェブサイト: https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2024/20241005-7263.html
▮ 展覧会について
日本ではパンデミック後、首都圏への人口流入が拡大し、東京の一極集中が再び強まりを見せています。一方インドネシアでは、交通渋滞や大気汚染、地盤沈下などを理由に、2024年から段階的に首都をジャカルタから約2000km離れたカリマンタン島東部に位置するヌサンタラへ移転しようとしています。都市はさまざまな権力が集中し、多くの人や物が集まる場所として人々を魅了してきました。しかし現在、世界各地でその綻びが生じていることは否めません。本展では、インドネシアと日本の社会的変化を端緒として、都市を離れ地方で活動を続けるアーティストに焦点を当てます。地球の生態系の中で重要な役割を担っている鳥のように、地域に根差した活動をとおして生み出される彼らの作品は、さまざまな場所で種を芽吹かせ、山をも動かすような力強さを見せてくれるでしょう。
▮ 関連イベント 予約不要/無料
アーティスト・トーク ※日英逐次通訳あり
日時:2024年10月5日(土) 15:00 – 16:30
出演:尾花賢一、プレワンガン・スタジオ、ランガス・ウェンギ、アヨス・プルウォアジ
トーク・イベント「インドネシアに渡った女性たち」 ※日本語のみ
日時:2024年10月14日(月・祝) 15:00 – 16:00
出演:尾花賢一、本間メイ(アーティスト)
※その他イベントを開催予定。最新情報は TOKAS ウェブサイトでお知らせします。
▮ 出展作家/展示予定作品/略歴
尾花賢一|OBANA Kenichi
人々の営みや伝承、土地の風景や歴史にもとづく作品を制作する尾花は、江戸時代に長崎で生まれた物語『じゃがたらお春』をモチーフにしたインスタレーションを展示します。鎖国政策によってジャカルタに追放されたお春の物語をとおして、日本社会における制度や価値観を問い直します。
【プロフィール】
1981年群馬県生まれ。秋田県を拠点に活動。2006年筑波大学大学院芸術研究科油絵専攻修了。主な展覧会に「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2024」(まつだい郷土資料館、十日町、新潟)など。
プレワンガン・スタジオ|Prewangan Studio
DIY精神でモノや製品を創造、開発、実験することに重点を置く、市民主導のオープンで協力的なコミュニティ。本展では、トゥバンの海に浮かぶ石炭運搬船とこの地域に伝わる儀式に類似する「黒の代償を伴う富の追求」から着想したインスタレーションを展開します。
【プロフィール】
インドネシアの東ジャワ州トゥバンを拠点に活動。DIY 精神でモノや製品を創造、開発、実験するこ とに重点を置く、市民主導のオープンで協力的なコミュニティ。
ランガス・ウェンギ|Rangas Wengi
現代アートと伝統的な美学を融合させた作品を制作するアート・コレクティブ。本展では、治安情勢が不安定なパティの現代社会に警鐘を鳴らすように、他者を尊重し繁栄を願う伝統的な踊りの規律を取り入れた立体作品を発表します。
【プロフィール】
2021年よりインドネシアの中央ジャワ州パティの農村部スコリロを拠点に活動。現代アートと伝統的な美学を融合させながら、農村の日常生活にもとづいた作品を制作するアート・コレクティブ。
▮ 共同キュレーター
アヨス・プルウォアジ|Ayos PURWOAJI
歴史、建築、視覚芸術の分野で横断的にキュレーション・プロジェクトに携わる。TOKASの「キュレーター招聘プログラム」(2023)参加。
【プロフィール】
1987年ジェンベル(インドネシア)生まれ。スラバヤを拠点に活動。2013年ITS スラバヤ工科大学産業プロダクトデザイン学科卒業。 TOKAS の「キュレーター招聘プログラム」(2023)参加。東ジャワ・ビエンナーレ(2023)ディレクター。 主なキュレーションに「Jakarta International Photo Festival」(Blok M、ジャカルタ、2022)など。