京都市西京区を対象に生成AIを活用した観光案内に関する実証実験を実施

一般社団法人関西イノベーションセンターのプレスリリース

一般社団法人関西イノベーションセンター(理事長 早乙女 実(そうとめ みのる) 、以下当社団)、株式会社デザイニウム(代表取締役 前田 諭志(まえだ さとし)、以下デザイニウム)は、デザイニウムが開発した「観光ARコンシェルジュ」を用いて、京都市西京区を対象に生成AIを活用した観光案内に関する実証実験を実施しました。

本取り組みは、当社団が運営するイノベーション創出拠点MUIC Kansai(以下 MUIC)の課題解決プログラムとして採択され、観光産業の課題解決に向けて技術検証を行ったものです。

※2023年5月10日「ChatGPTを活用した音声応答とARナビゲーションで実現する新しい観光体験。株式会社デザイニウムが観光案内アプリ「観光ARコンシェルジュ」を開発」:

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000043186.html

観光ARコンシェルジュとは?

観光ARコンシェルジュとは、VPS(※)を利用して現在地を測定し、最適な観光ルートを生成する観光案内アプリです。観光地が持つ施設情報などのデータベースや、位置情報と時間帯などの情報を複合的に活用することで、ユーザーにパーソナライズ化された観光案内の提供を目指します。

(※)VPS・・・「Visual Positioning Service」の略。カメラの画像など視覚的な情報を用いて、デバイスの位置情報を正確に特定する技術

実証の概要

対象エリア

京都市西京区 阪急電鉄沿線

実証目的

西京区における、観光案内アプリを通じた嵐山周辺への周遊、分散

実証内容

対象エリアに関する観光情報・テータを活用し、生成AIで
どのようなルート提案ができるか、また体験向上に繋がるか検証

想定ペルソナ

電車を利用して嵐山観光に訪れた方で、時間に一定の余裕がある方

本実証実験については、京都市西京区を対象に同地区の主要観光スポットである嵐山エリアからの周遊、分散を目的とした体験設計を検討いたしました。

観光案内情報については、京都市と京都市観光協会が運営する「とっておきの京都プロジェクト」などを参照し、ユーザーのニーズや状況に応じた最適なルート生成を試みました。

体験の流れ

  1.  レコメンドに必要な情報を選択

出力される生成ルートパターンを多様化させるべく、選択式でユーザーの状況やニーズ(希望するツアーの時間、気分など)をインプットするUIを設定しました。

2. おすすめの目的地とコースを出力

インプットに応じてその場でおすすめのSPOTと関連する情報、周遊する順番に関する提案が出力されます。それらをマップビューで確認しながら、どのルートで周遊するかを選択します。

3. VPSを活用した3D道案内の開始

体験を開始すると、Google Geospatialを活用し、位置情報と連動して3D上にルートが表示されます。これにより方角を間違えることなく、迷わずに散策できます。

検証によって得られた示唆

1. 参照するデータベースの充実
一般的に、観光地に関する情報は紙媒体などアナログ形式で存在することが多く、一元管理されていない場合が少なくありません。ユーザーの多様なニーズに応じた適切な提案を出力するためには、これらの情報をデジタルに変換、データベース化して参照可能な形で整理しておく必要があります。

2. 最適な対象エリアの広さ、特徴
今回の対象エリアの範囲では、電車での移動を挟むなど周遊に対して一定の負荷が発生し、案内だけではそこまでのモチベーションを引き出す事は難しい可能性がある為、それに対して別のインセンティブ設計も検証する必要があります。

3. 体験提供に係るコスト負担
今回ルートを提案するごとに生成AIを稼働させるため、より多くの方に体験頂く場合には多額のランニングコストが発生する可能性があります。無料での観光案内のみならず、課金を促すような体験と合わせたサービス形態を検討する必要があります。

今後の開発の展望

本アプリでは特定の対象エリアや施設への「興味・動機づけ」を促すおすすめスポットの提案や、利便性を向上させるARナビゲーションを基本機能としています。しかし今回の検証を通じて、単なる案内だけではユーザーのモチベーションを高めるのが難しく、よりユーザーの関心を深く引き込む体験設計が必要と考えました。

具体的にはキャラクターとの冒険、デイリーミッションなどのゲーミフィケーション要素、AR空間を活用したインタラクティブな広告展示などを組み合わせることによって体験価値を高めて、ユーザーを実際の送客へと導く仕組みを強化します。

本アプリでは、エリアや施設に応じたデータベースと生成AIを活用し、コンテンツを自動生成する仕組みを構築しています。その結果、機能拡張の際も、様々なエリアや施設に適応した柔軟なソリューションを、効率的かつスムーズに提供することができます。

デザイニウムは、市場投入を視野に入れた開発推進の一環として、株式会社東京ドーム主催の「enXross HACKATHON(エンクロス ハッカソン)*」に参加し、東京ドームシティを舞台にエンタメ体験を強化したプロトタイプ「AR Agent」を発表しました。

*enXross HACKATHON公式ページ: https://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/overview/

引続き、当社団とデザイニウムは、XR領域および生成AI領域において新たなビジネスを創造し、市場の拡大・社会実装に貢献することを目指してまいります。


【ご参考:各社概要】

株式会社デザイニウムについて

デザイニウムは技術とアイデアで新しい体験をつくっている会社です。XR開発に力を入れており、特にARとVPSを組み合わせたコンテンツ開発にいち早く注目し、今までに様々なVPSサービスを使ってR&Dやコンテンツ開発をすすめてきました。またNiantic Lightship Challengeをはじめ、多数のXRコンテンツで賞を受賞しています。

■ 会社概要

社名  :株式会社デザイニウム

本社  :会津若松市東栄町1-77 ICTオフィスビルAiCT 3-2

代表者 :代表取締役 前田 諭志

設立  :2005年4月8日

事業内容:ウェブサービス、モバイルアプリケーション、体験型アプリケーションの企画開発

URL  :https://www.designium.jp/

一般社団法人関西イノベーションセンターについて

当社団は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(代表執行役社長 亀澤 宏規(かめざわ ひろのり) )、および株式会社三菱UFJ銀行(取締役頭取執行役員  半沢 淳一(はんざわ じゅんいち))が設立し、関西経済の活性化と2025 年大阪・関西万博の成功に貢献することを目的とした活動を行っております。

■ 会社概要

社名  :一般社団法人関西イノベーションセンター

本社  :大阪府大阪市中央区伏見町3 丁目6 番3 号

代表者 :理事長 早乙女 実

開業  :2021年2月22日

事業内容:会員制イノベーション創出拠点MUIC Kansaiの運営

URL  :https://www.muic-kansai.jp/

<本件に関するお問い合わせ>

MUIC Kansai 問い合わせフォームよりお願いいたします。

URL:https://www.muic-kansai.jp/contact/

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