美肌泉質と温泉成分との関連性も検討
株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのプレスリリース
ポーラ・オルビスホールディングス(本社:東京都中央区、社長:横手喜一)の美肌温泉プロデュースタスクフォースは、豊富な泉質があることで有名な温泉地『箱根』の中の3つの地域(図1)のお湯について初めて美肌効果を分析したところ、地域でそれぞれ異なる3種の美肌泉質を確認しました。
さらにお湯に含まれる成分と美肌泉質の関連性を検討した結果、成分組成のバランスの違いが美肌作用に影響を及ぼしていることが分かりました。
今後もさまざまな地域で分析を行い、その場所ならではの温泉の魅力を発見できる取り組みを行っていきます。
箱根温泉における初の美肌温泉分析
美肌温泉プロデュースタスクフォースでは、各地の温泉地で実際にお客様の肌にふれる浴槽に注がれる温泉水の肌への作用を研究・評価しています。これまでに、化粧品会社として培った肌分析技術により温泉水の角層や皮脂への作用に注目した分析を重ね、国内で7種の美肌泉質を見つけました(補足資料1)。
全国的に見ても変化に富んだ火山地形により多数の特徴ある泉質の温泉が湧いている箱根に着目し、複数の温泉について分析を行いました。箱根の温泉地のうち、「芦之湯」「宮ノ下」「仙石原」の温泉宿1カ所ずつにおいて、浴槽に注がれるお湯を採取し分析しました。その結果、芦之湯(※1)では不要な皮脂を取り除く「メルティング浄化温泉」、宮ノ下(※2)では不要な角層細胞をはがしてくれる「ほぐしブースター温泉(※4)」、仙石原(※3)では角層細胞のはがれ具合を調整しうるおい力を高める「バリア・オアシス温泉(※4)」が存在することが確認され、箱根はバラエティ豊かな美肌泉質に恵まれていることが分かりました。
※1 神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯 松坂屋本店。
※2 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下 箱根吟遊。
※3 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 仙郷楼。
※4 ブースター、バリア:すべて角層に対して。
温泉成分と美肌作用の関連性についても検証
さらに、同じ箱根の中で3種類の異なる美肌温泉が確認されたことから、今回は新たに、お湯に含まれる成分と美肌効果の関連性についても検証を行いました。2022年から行ってきた分析知見の蓄積を踏まえて考察を行ったところ、温泉に含まれる成分のバランスの違いが美肌作用に影響を及ぼしていることが分かりました(図2、補足資料2)。
ポーラ・オルビスホールディングスは今後も、美肌温泉の効果実感や満足感、温泉選びの楽しさなど、温泉の魅力をより感じていただける研究活動を進めてまいります。
【補足資料1】 美肌作用の分析について
美肌温泉プロデュースタスクフォースでは、各温泉の角層や皮脂に着目して影響を分析し(図3)、その結果から、角層細胞への作用と皮脂を取り除く作用の組み合わせにより温泉の美肌効果を7タイプに分類しています(図4)。
分析方法
●角層細胞への作用の分析
41℃の温泉水または精製水をろ紙に含ませ、腕に10分間置いた(図5)後、角層細胞を粘着テープで採取し染色・観察しました。肌のうるおい力や保護力との関連が分かっている「角層細胞のはがれ具合・大きさ・形」をもとに温泉の作用を判定しました。
●皮脂への作用の分析
皮脂成分の一つであるオレイン酸を付着させたろ紙を41℃の温泉水または精製水に16~18時間浸し、その後ろ紙に残った油分を染色・観察しました。不要な皮脂は肌トラブルの原因となるため、適切に取り除く必要があります。
【補足資料2】 美肌泉質と温泉成分の関係性
温泉の美肌効果を検証する際、肌科学研究手法での分析と同時に、含有する成分の分析も行い、データを収集してきました。2022年の活動開始から31か所分の温泉のデータが蓄積したことで、今回はじめて美肌温泉と成分の関連性の考察も行いました。