医療的ケア児の旅行・外出を支援するポータルサイト『ててとて旅行舎』を公開

外出に大きなハードルを抱える医療的ケア児とその家族が好きなところへ行ける社会の実現に寄与

一般社団法人Try Angleのプレスリリース

『ててとて旅行舎』トップページ

一般社団法人Try Angle(本部:石川県金沢市、代表理事:須田麻佑子、以下Try Angle)は、医療的ケア児の旅行・外出を支援する情報ポータルサイト『ててとて旅行舎』を公開しました。

本ポータルサイトでは、

  • 医療的ケア児の受け入れ体制が整っている全国の商業施設・宿泊施設などの情報

  • 医療的ケア児家庭が参加しやすいイベントなどの情報

  • 移動において気を付けておいたほうが良いことや、あると便利なグッズなどのお役立ち情報

などを掲載していきます。

また、医療的ケア児を支援する事業者や団体、医療的ケア児の受け入れを促進している観光事業者から情報を提供いただき、医療的ケア児家庭に届けてまいります。

『ててとて旅行舎』WEBサイト:https://tetetote-travel.jp/

『ててとて旅行舎』制作の背景

 生きていくために痰の吸引や人工呼吸器などを必要とする「医療的ケア児」は増加傾向にあり、全国に約2万人いるといわれています。医療的ケア児は医療機器を載せられる大きな車いすに乗っていたり、電源の確保が必要だったりするため、長時間の移動や旅行には大きなハードルがあるのが実状です。

 一方、2020年に医療的ケア児のご家族を対象に行われたアンケート調査によると、回答者の96.8%もの方が、家族が日々の生活で行いたいことの質問に対し、「家族一緒に外出や旅行する」ことを回答しています。(※1)。

(※1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング「医療的ケア児者とその家族の生活実態調査 報告書」(2020年3月)より参照

 Try Angleでは、こうした旅行やお出かけのハードルをできるだけ解消していくため、旅行の実現に向けて医療的ケア児のご家族から相談に乗ったり、宿泊施設向けに環境整備のお手伝いや試泊の取り組みを行なってきました。社会全体でもバリアフリー、インクルージョンの考え方が浸透してきたこともあり、受け入れ可能な施設は少しずつ増えています。

「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」での試泊での様子
「MIMARU東京 浅草STATION」での試泊での様子

 しかし、こうした施設の情報はどこかにまとまっているわけではなく、いざ当事者の方が旅行をしようと思いたっても、移動方法、宿泊場所、商業施設、とひとつひとつ手探りで情報収集をしなければなりません。また、施設側も受け入れ体制を整えていることをどのように当事者に伝えればよいのか悩んでいることも分かってきました。

 上記のような医療的ケア児の旅行ニーズと現状を踏まえ、Try Angleでは医療的ケア児のお出かけに便利な情報がまとまったポータルサイトを制作することに決定しました。

 制作費用については、クラウドファンディングで138名の方から総額150万円を超えるご支援をいただいたほか、ベネッセこども基金による助成金を活用させていただきました。

今後の展望

 現在は、これまでTry Angleにて取材・試泊してきた宿泊施設等の紹介、医療的ケア児が旅行するにあたってのお役立ち情報等、10本以上の記事を掲載しています。

 今後は、「受け入れ体制が整っている全国の商業施設・宿泊施設などの情報発信」「イベント情報の発信」に加えて、「当事者ご家族による旅行・外出レポート」を掲載していくことを強化してまいります。

 また、「医療的ケア児・家族」「観光事業者」「医療的ケア児を支援する事業者・団体」等が情報提供を行い、互いに接点を持つネットワークを構築します。

全国の方々と繋がり、互いに現地の情報交換をしながら個々の医療的ケア児のニーズを汲み取ることで、チームワークで旅行を応援する場を作り、将来的には「当事者家庭や受け入れ施設側の個別相談に対応する窓口」の設置を目指します。

Try Angleについて

一般社団法人Try Angle(トライアングル)は、”病気や障害の有無にかかわらず誰もが安心して旅行を楽しめる社会”をつくるというビジョンの元、主に医療的ケア児の外出・旅行の支援、観光事業者向けの研修などを実施。活動を通して、ユニバーサルツーリズムの発展を目指しています。現在は、人工呼吸器や胃ろうなど、医療デバイスと共に生きる医療的ケア児者の方が旅行しやすくなるよう、『医療的ケア児の旅行ガイドライン』を作成、販売しています。

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