大気からCO₂を回収する「ネガティブエミッション技術」を持つ米Heirloom Carbon Technologies社に出資しました

日本航空株式会社のプレスリリース

2024年12月05日

米国のHeirloom Carbon Technologies社に出資することで、

・ 当社の2050年CO2排出量実質ゼロの実現に向けた手法を多角化します。

・ 世界の脱炭素に重要な役割を担うCO2除去技術の発展に貢献します。

 日本航空株式会社(以下、JAL)は、Direct Air Capture(大気からCO2を直接回収するネガティブエミッション技術)を活用するHeirloom Carbon Technologies社(本社:米国カリフォルニア、CEO:Shashank Samala、以下「Heirloom社」)に出資しました。これにより、JALは2050年のCO2排出量実質ゼロの実現に向けた取り組みを一層加速させます。

            回収したCO2を貯蔵するタンク

【出資の背景と目的】

 JALは、2024年3月に海水を活用したネガティブエミッション技術の一つであるDirect Ocean Capture(*1)技術を持つ米国ベンチャー企業のCaptura社へのCVC投資を行いました。それに続き、石灰石を活用したネガティブエミッション技術の実用化を進めているHeirloom社(*2)にも出資することで、同社が大気中の二酸化炭素を除去したことにより創出されるカーボンクレジットの活用など、将来の脱炭素手法の多角化に対応するとともに、世界の脱炭素に重要な役割を担うCO2除去技術の発展に貢献します。

(*1)海水に溶け込んだCO2、炭酸イオンを電気化学的な方法で回収する技術

(*2)Heirloom社について

2020年に設立されたHeirloom社は、供給制約のない石灰石を使って効率的にCO2除去を行う企業です。2023年には米国初の商業プラントを運営開始し、2026年にはさらに大規模なプラントを稼働開始予定です。今後もプラント数を順次拡大し、Direct Air Capture技術の先進企業として成長を続けています。

【Heirloom社のDirect Air Capture技術の基本プロセス】

 石灰石は太古から大気中のCO2を吸収して固定化し大気のCO2濃度を低く保つのに貢献してきました。Heirloom社は石灰石のこの性質を利用しています。石灰石を再生可能エネルギーで加熱してCO2を抽出した上で、スポンジのように大気中のCO2を吸収させることで、低コストで大量のCO2を人工的に大気中から集める技術です。

         

Heirloom社CO2除去技術 (出所:Heirloom社Webサイト

【日本航空 執行役員 総務本部長 野田 靖のコメント】

 「Heirloom社とのパートナーシップは世界の脱炭素技術開発における重要な一歩だと認識しています。当社は、世界の脱炭素に必要なDirect Air Capture技術の実用化にHeirloom社の発展を通して貢献することで、2050年のCO2排出量実質ゼロの実現に向けた取り組みを一層加速させていきたいと考えています。」

【Heirloom社CEO Shashank Samalaのコメント】

 「JALからこのような出資を受けたことを光栄に思っており、戦略的パートナーとして協力することでCO2除去技術を急速に拡大し、地球温暖化との闘いに有意義な進展をもたらすことを楽しみにしています。」

(参考)Heirloom社Webサイト:https://www.heirloomcarbon.com/

(参考)Heirloom社プレスリリース:https://www.heirloomcarbon.com/news

以上

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