【日本初・先進モデル】「電動アシスト付マウンテンバイク×山道」を活用した災害対応スキームを、山梨県市川三郷町と山守人の包括連携協定で実装

~中山間地域が抱える「道路寸断リスク」への全国展開可能な新しい防災減災モデル~

一般社団法人山守人のプレスリリース

山梨県市川三郷町とYanamashi MTB 山守人(一般社団法人山守人および株式会社山守人)は、マウンテンバイク団体として日本で初となる災害対応協定を締結するとともに、本取り組みを国および他自治体への横展開可能な「先進モデル」として実装を開始しました。

本協定は、2023年4月に両者が締結した地域活性化包括連携協定を更新する形で、E-MTB(電動アシスト付マウンテンバイク)、山道、MTBコース造成用パワーショベルを組み合わせた災害対応スキームを明確化したものです。

山梨県市川三郷町「市川公園MTBフィールド」にて調印式

■全国の中山間地域が共通して抱える防災の課題に対するひとつの「解」 

豪雨・地震・土砂災害の頻発により、道路インフラが寸断され、集落が孤立するリスクは全国の中山間地域で顕在化しています。

 

一方で、多くの中山間地域の自治体には次のような未活用資産と課題が存在します。 

  • 数百年使われてきた山道(古道)のネットワーク

  • 山道の維持管理の担い手不足とそのスキーム未発達

  • 災害時に機動的に動ける人材・装備の不足および燃料問題

本協定は、これらを「コストをかけずに、防災力へ転換する仕組み」として再設計したものです。

山の中にひっそりと眠るかつての生活道(古道)の再生作業

■本協定更新の特徴(災害対応モデル)

① E-MTBを“燃料不要の災害対応モビリティ”として位置づけ

E-MTBは、

  • 太いタイヤとサスペンションによる高い走破性

  • 電動アシストによる長距離・長時間・悪路走行(脚力の2~3倍程度のパワーでペダルを漕げる)

  • 太陽光発電等による現地充電が繰り返し可能

といった特性から、燃料に依存しない災害対応モビリティとして活用できます。

本協定では、E-MTBを「安否確認・情報伝達・物資輸送を担う代替移動手段」として明確に位置づけました。

YAMAHA製 YPJ-MT Pro(電動アシスト付マウンテンバイク)。太いタイヤ、フラットバーハンドル、太いフレーム、ディスクブレーキ、サスペンション、広いフラットペダル、軽いギア比、ドロッパーシートポスト(手元レバーでサドル上げ下げ)、そして電動アシスト機能。

② 日常利用されている山道を「非常時インフラ」として活用

本モデルの中核は、平常時からMTBで維持管理・利用されている山道です。

  • どのルートが通行可能か

  • 雨量・地形による影響

  • 緊急時の代替ルート

を日常的に把握しているため、災害時にも“使えることが分かっている道”として即応可能です。

これは新規インフラ整備を前提としない、既存の公共資産等の活用で実現可能な低コスト・低負担なモデルです。

日常的に山道の整備を行うマウンテンバイカー(山守人会員メンバー)

③ 平常時の「体験」を通じた人材育成モデル

本事業では、災害時対応を特別な訓練に依存しません

  • 役場職員

  • 警察・消防・消防団

  • 地域住民

が平常時にMTB・E-MTBを研修・体験として楽しみながら習熟することで、非常時には誰でも即座に対応できる状態を構築します。

またその過程で地域の魅力の再発見にもつながり、職員のモチベーションアップ、地域住民のシビックプライド醸成にも貢献できます。

市川三郷町役場職員のMTB研修

④ 専門重機による初動対応支援

山守人が保有・運用する、竹内製作所製TB225(パワーチルト装着)パワーショベルは、

  • 瓦礫撤去

  • 通行ルートの確保

  • 救助活動の補助

など、災害初動に必要な作業を高精度かつ効率的に実施可能です。

山守人がMTBコース造成で培った非常に繊細な操作技術を、そのまま災害対応に転用できる点も本モデルの特徴です。

水平垂直の無いR形状の世界をバケットのみで作り上げる高度な操作技術

■ 市川三郷町モデルを「全国へ」 

本取り組みは、市川三郷町と山守人の単独の事例にとどまらず、 

  • 国の防災・減災施策

  • 中山間地域対策

  • 自転車活用推進施策

  • 地域人材育成・関係人口創出

と親和性が高い横断型先進モデルです。

 

この市川三郷町と山守人による地域振興に加え、災害対応も位置付けた新たな包括連携協定を、国・都道府県・市町村との連携を視野に、他地域への展開も目指し、日本全国の防災減災に少しでも貢献していきたいと考えています。

市川三郷町遠藤町長と山守人代表弭間(はずま)

■ 「遊び」が「地域を守る力」になる社会へ 

日常的に使われ、楽しみ、維持されているからこそ、非常時にも機能する。

本先進モデルは、地域の遊休資産を、防災・減災の力へ転換する新しい選択肢です。

 

市川三郷町と山守人は、平常時からの取り組みを積み重ねることで、持続可能で実装可能な防災モデルの確立に取り組んでいきます。

山道をMTBで楽しみながら地域を守る力が育まれる

市川三郷町について

市川三郷町は、自然、歴史、文化が非常に豊かな町です。

四尾連湖県立自然公園、御坂山塊から連なる山々と自然、その豊かな森から育まれた水、果物、野菜、ビール、ワイン、和紙、花火、ハンコ、市川團十郎ゆかりの地としての歌舞伎、今もそれらがしっかりと根付いた町です。そして、野球や武芸などのスポーツをはじめ、登山、トレイルラン、SUP、自転車、マウンテンバイクなどのアウトドアアクティビティも盛んです。

温泉は、みたまの湯とつむぎの湯、特に「みたまの湯」は4年連続絶景部門で日本一に輝いている超人気の日帰り絶景温泉です。

ぜひ市川公園で遊んだあとは、温泉で汗を流し、地元の特産品をお土産に購入し、地元の美味しいごはんを召し上がり頂ければと思います。

市川三郷町HP:

https://www.town.ichikawamisato.yamanashi.jp/50sightsee/

来場者数20万人を誇る山梨県最大の花火大会

山守人について

一般社団法人山守人、株式会社山守人

事業内容:

MTBフィールド管理運営事業、MTB会員組織運営事業、まちづくりコンサルティング事業、MTBコースデザイン造成事業、ツアー・イベント事業、MTBレンタル販売事業、MTB普及啓蒙、政策提言活動等

メール:yamamoribito.mtb@gmail.com

HP:https://www.minamialpsmtb.com/

※視察・研修も対応可能です。

非常時の代替ルートとして活用可能な桜峠ルート

今、あなたにオススメ