【志摩地中海村】地元自治会と夜間・冬季を想定した住民参加型防災訓練を共同実施~南海トラフ地震を見据えた“実践型避難所運営訓練”~

日時:2025年12月10日(水)19時〜21時/場所:志摩地中海村

IXホールディングス株式会社のプレスリリース

IXホールディングス株式会社(本社:三重県伊勢市)のグループ会社である株式会社志摩地中海村(本社:三重県志摩市、代表取締役社長:大西晶)と大崎自治会(岡野喜浩会長)は、志摩市 防災危機管理課の協力のもと、2025年12月10日(水)、夜間・冬季を想定した「住民参加型」防災訓練を共同で実施しました。

本訓練は、南海トラフ巨大地震を見据え、行政支援がすぐに届かない状況を想定し、地域住民と宿泊施設が連携して避難所運営を検証する実践的な取り組みです。

夜間・冬季を想定した住民参加型防災訓練の様子(志摩地中海村)

当日は、大崎自治会の住民26名、NEMU RESORT5名、志摩地中海村のスタッフ50名に加え、志摩市 防災危機管理課10名、志摩市消防本部2名、市議会議員2名(うち1名は住民として参加)が参加し、総勢94名による実践的な合同訓練となりました。

地域住民と施設スタッフが同じ現場で役割を分担し、発電、炊き出し、避難者ケア、情報共有といった一連の対応を検証することで、「協定を結ぶだけではなく、実際に機能する防災体制づくり」を目指しています。

■協定はあるが「実践がない」ことへの課題意識

志摩市と株式会社志摩地中海村は、令和2年4月に「大規模災害時における避難所としての使用に関する協定」を締結しています。この協定では、南海トラフ地震臨時情報が発表された場合などに、志摩地中海村を避難所として使用し、市民の安全確保を図ることが定められています。

一方で、協定締結後、地域住民と施設スタッフが合同で実施する訓練はこれまで行われていませんでした。

特に大崎地区は、

・南海トラフ巨大地震発生時に最大震度7が想定され、津波や崖崩れにより孤立する可能性がある

・一次避難所である大崎会館は規模が小さく、収容人数に限界がある

・約300人(183世帯)が暮らし、高齢化が進行している

といった複合的な課題を抱えています。

また志摩地中海村においても、日中は約50名のスタッフが常駐しているものの、夜間は約20名以下、深夜帯はさらに人員が限られるため、発災時間帯によっては十分な初動対応が難しいという現実があります。

こうした背景から、今回初めて地域住民と施設が合同で行う「実践型防災訓練」が企画されました。

■なぜ「夜間・冬季」を想定したのか

 今回の訓練では、あえて「夜の暗さ」と「冬の寒さ」という、災害時に最も厳しい条件を設定しました。夜間は施設スタッフの人数が限られる一方、住民は帰宅して地域内に人が増える時間帯でもあります。こうした状況を踏まえ、「施設任せの防災」ではなく、住民自身が主体的に関わる“住民参加型”の訓練とすることで、地域と施設が一体となった防災体制の構築を目指しました。

■実際の災害発生を想定した訓練シナリオ

訓練は以下の想定に基づいて行われました。

・午後4時、志摩市で震度6強の地震を観測

・大崎地区は津波警報および崖崩れにより道路が寸断され孤立

・市役所は多方面の対応に追われ、当面の職員派遣は困難

・一次避難所の大崎会館が満員となり、住民が志摩地中海村へ自主避難

・施設スタッフと地域住民が協力し、発電・炊き出し・避難者ケア拠点を立ち上げる

■訓練当日の様子

訓練当日は18時30分より志摩地中海村内レストラン「アスール」にて受付を開始。

19時からは、株式会社志摩地中海村 代表取締役 大西 晶による訓練概要説明の後、大崎自治会 会長 岡野喜浩氏、志摩市 危機管理統括監 山本和輝氏より挨拶が行われました。

その後、参加者はA班からF班および災害対策本部に分かれ、それぞれの役割に応じた実践訓練を開始しました。

夜間の暗闇の中で行われたガス発電機の起動訓練
停電を想定し、厨房内にLED照明を設置する訓練の様子
防災食(おこわ)調理の様子
災害対策本部での進捗確認と情報共有の様子

■夜間・冬季訓練で見えた現実的な課題

訓練を通じて、以下のような課題が明らかになりました。

<発電・照明面>

・暗闇での機器操作は想像以上に難しく、手元照明の重要性を再認識

・発電機のスターターロープは、力の弱い人にとって負担が大きい

・延長コードの余りが転倒リスクにつながる可能性

<炊き出し・食事面>

・夜間・低温下では湯を沸かすまでに時間を要する一方で、温かい食事が避難者に大きな安心感を与えることを実感

・作業スペースの制約により、従事人数に制限が生じ作業に遅れが発生

<テント・更衣・トイレ設営>

・暗所作業では照明の必要性が高い

・更衣に使うテントは透け防止対策が必要

・女性用トイレは男性用と分け、多めに設置する必要性

■試食・意見交換を通じた振り返り

すべての訓練を終了後、参加者はレストラン「アスール」に集合し、おこわと豚汁を試食。その後、班ごとに分かれて意見交換会を行い、現場で感じた課題や改善点が率直に共有されました。

訓練終了後に行われた意見交換会
現場で感じた課題を共有

■参加者アンケート結果(抜粋)

アンケート回答者58名のうち、

・訓練全体に「満足」と回答:94.8%

・夜間、冬期を想定した訓練内容が「イメージしやすかった」:91.4%

一方で、

・自分用の避難バッグを用意している人:41.4%

・家の耐震化について「分からない」と回答:32.8%

など、防災意識や備えの面では今後の課題も浮き彫りとなりました。

【参加者の声(一部)】

「訓練を通じて、自分にできることを考えるきっかけになった」

「夜間・寒い中での訓練が、実際の災害をリアルに想像させてくれた」

「定期的に続けてほしい」

 ■今後に向けて ― 協定から“実装”へ ―

今回の訓練を通じて、「施設」「地域」「行政」がそれぞれの役割を理解し、顔の見える関係を築くことの重要性が改めて確認されました。大崎自治会と株式会社志摩地中海村は、今後も夜間訓練や季節別訓練を継続し、南海トラフ巨大地震を見据えた実効性のある地域防災モデルの構築を目指します。


<Village&Hotel志摩地中海村について>

三重県の志摩半島の豊かな自然の中に建つリゾート宿泊施設です。英虞湾の青い海と白い街並みのフォトジェニックな、広い敷地の村内にある建物一つ一つがホテルの客室になっております。客室のほか、アルハンブラ宮殿をイメージした天然温泉、伊勢志摩の食材を使った新バスク料理を楽しめるレストラン、英虞湾を満喫できるクルージングなど、非日常感たっぷりのリゾート気分を堪能していただけます。

1993年に別荘村として誕生後、2010年に一般開放型のホテルへリニューアルし、現在では多くのお客様に「大切な人と過ごす特別な場所」として愛されている施設となっています。2025年にリニューアル15周年を迎えました。

株式会社 志摩地中海村

■所在地:〒517-0403 三重県志摩市浜島町迫子2619-1

■URL:https://www.puebloamigo.jp/

■電話番号:0599-52-1226(ホテル代表)

■宿泊予約:予約課TEL0599-52-1336(9:00~18:00)

■オンラインショップ:https://onlineshop.puebloamigo.jp/

■公式Instagram:https://www.instagram.com/shima_chichuukaimura_official/

【会社概要】IXホールディングス株式会社

■所在地:〒519-0502 三重県伊勢市小俣町相合1306

 ■URL:https://ix-holdings.jp/

■電話番号:0596 -22-0297

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