高知県香美市香北町の「大川上美良布神社」。こちらで毎年11月3日に執り行われている秋季大祭では、高知県の無形民俗文化財にも指定されている「おなばれ」という御神幸が行われています。
一般社団法人物部川DMO協議会のプレスリリース
香美市立やなせたかし記念館のすぐ近くにあり、やなせたかし先生が手がけた十二支のキャラクターや描きおろしの巨大絵馬があることでも知られる香美市香北町の「大川上美良布神社(おおかわかみ びらふ じんじゃ)」。こちらで毎年11月3日に執り行われている秋季大祭では、高知県の無形民俗文化財にも指定されている「おなばれ」という御神幸が行われ、多くの観客を魅了しています。今回は2025年11月3日(月祝)に開催されたその模様をご紹介します。
“土佐日光”荘厳な雰囲気漂う大川上美良布神社
約1500年前に創建されたとの言い伝えが残る大川上美良布神社。主祭神は大田田根子命で、合祭神として大物主命をはじめとする七神が祀られており、健康祈願、家内安全、商売繁盛、交通安全、縁結びなどに御利益があるといわれています。
高知県保護文化財に指定されている社殿は、土佐随一と賞されるほどの見事な彫刻が施されており、建造当時は「土佐の日光」とも呼ばれていたそうです。
地域では「川上様」と呼ばれながら大切にされている神社であり、1月1日の歳旦祭から始まって、2月11日の建国祭や2月22日の祈年祭、7月27〜28日の夏祭りなど、年間を通して行われる祭祀にはたくさんの人が訪れます。
中でも毎年11月3日に執り行われる秋季大祭は、「土佐の三大祭」のひとつに数えられる一大行事!特に「おなばれ」と呼ばれる御神幸をひと目見ようと、地域の人のほか観光客やアマチュアカメラマンなどで賑わいます。
地域の人々が守り続ける「おなばれ」
大祭当日、境内にはおなばれに使われる祭礼用具がずらり。拝殿の中では子ども達による浦安の舞の披露など粛々と儀式が進行しています。神社周辺には露店が出店し、続々と人が集まってきます。
13時30分、いよいよ“おなばれ”のスタートです!
武者、太鼓、獅子舞、そして神様が宿った御神輿らの行列が神社を出発し、氏子地域を練り歩いて約700メートル離れた御旅所の神明宮を目指し、神社に戻ってきます。
神様と氏子の交歓の意味合いがあり、県内各地の神社でもよく行われていますが、大川上美良布神社のおなばれは古式にのっとった行列が特長。参加者は100名以上に上り、小さな子どもからご年輩の方まで地域のみなさんが協力して、伝統のおなばれを守り続けています。
行列の中で一際目を引いたのが、先端に毛のある長〜い棒・大鳥毛を持った「鳥毛・羽熊」の方々。長さ約5~6メートル、重さ5キロ超の大鳥毛を高く掲げたかと思うと、毛のある先端を観客の方へ傾け、頭上をなでていきます。これには人々の無病息災を祈る意味があるそうです。
持ち手の男性達は皆ぐっと歯を食いしばった表情で、全身を使って大鳥毛を支えていて、その力強さに早くも感動が走りました。
クライマックスの「練り込み」に大歓声!
最後はおばなれ最大の見どころ「練り込み」!
鳥毛・羽熊が一人ずつ登場し、大鳥毛を拝殿の中に練り込んで練り戻し、そして、参道を掃くようにしながら下がっていく儀式です。練り込んだ際に鈴を鳴らすため片手で大鳥毛を支えたり、地面すれすれまで大鳥毛をおろしたり、鳥毛・羽熊の力が試される大一番とあって観客にも緊張が走ります。
一人ひとりにドラマを感じ、ドキドキと感動を味わうことができる練り込み。出番を終えた方も遠くから仲間を見守り続け、全員で大役を果たそうという思いを感じられました。
そして、最後は「餅投げ」も行われました。
餅投げとは、新築祝いやイベントなどでよく行われる催しで、高い場所からお餅やお菓子が投げられ、人々は頭上に降ってくるそれらをキャッチしていきます。高知県では“餅を奪う”という意味で「餅ばい」と呼ぶこともあります。大人も子どもも本気になって楽しめますので、見かけたらみなさんも参戦してみてくださいね。
■開催概要
イベント名:大川上美良布神社 秋季大祭
開催日:2025年11月3日(月祝)
開催場所:大川上美良布神社(香美市香北町韮生野243)
問い合わせ:社務所 電話0887-59-2878
香北支所 電話0887-59-2311
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お問い合わせ・申し込み:香美市観光ガイドの会事務局(一般社団法人香美市観光協会) 電話番号:0887-52-8560 Webサイト
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