開港20周年を迎え、優先席のあり方を再検討。障害等当事者団体や空港内事業者と一丸となり、セントレア独自の「誰もが使いやすい」優先席を追求しました。
中部国際空港株式会社のプレスリリース
中部国際空港セントレア（所在：愛知県常滑市）は、2005年2月の開港時に学識経験者・有識者、障害者等当事者団体、関係機関などから構成される「ユニバーサルデザイン（UD）研究会」を立ち上げ、「誰もが使いやすい空港」の実現に向け、設計過程で徹底した当事者参画を実践しました。
しかし、2025年2月に開港から20年を迎え、空港を取り巻く環境は大きく変化しております。こうした状況を受け、再度空港のUDのあり方を見直すべく、2024年2月に開港後初めてとなる、障害等当事者による「UD総点検（※）」を実施。同年3月には、総点検であがった課題について、学識経験者・有識者、障害等当事者団体、空港島内事業者からなる「UD懇談会」を立ち上げ、課題の解決に取り組んでおります。その一環として、この度、第1ターミナル搭乗待合エリアに新たな優先席を導入します。
※UD総点検について：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000024522.html
従来の優先席で生じていた「表示が目立ちにくい（健常者が占有してしまう）」、「深く腰掛ける設計のため、立ち上がるのが大変」といった課題の解消に向けて、2024年12月にUD懇談会にて検証会を実施し、多様な属性の方々にさまざまな種類のベンチを試していただき、データを収集しました（表示の色、座面の高さ、必要な付加機能など）。得られたデータをもとに、メーカー協力のもとセントレア独自の仕様を多数盛り込み、新たな優先席を製作しました。
今後もセントレアは、「みんなで作り続けるUD先進空港（※）」をコンセプトに、空港をご利用いただく皆さまのニーズに最大限お応えするべく、時代に合わせたUDのあり方を追求してまいります。
※コンセプトの策定について：https://www.centrair.jp/corporate/newsroom/__icsFiles/afieldfile/2025/12/05/241129_Newsroom_UDconcept.pdf
■新たな優先席について
・設置場所 ： 第1ターミナル 国際線・国内線 搭乗待合エリア 各ゲート付近
・設置台数 ： 全59脚（1脚につき、同時に3名まで着席可能）
※各搭乗ゲート付近には、新たな優先席に加えてデザインを刷新した従来型の優先席も継続実施
・提供開始日 ： 国際線…2025年12月18日（木）/国際線…2025年12月23日（火）
■新たな優先席の主な特徴
・ 座面の高さを上げ、水平に近づけることにより、着座・起立が容易に
・ 一般席と明確に色を分け、ピクトグラムを大型化することで、優先席の視認性が向上
・ つかいやすさ向上のため、アームレスト・杖ホルダー・充電設備も設置
■従来型との比較
新たな優先席
・座面の高さ：床面から44cm
・座面の形状：腰・太ももをサポートする波形状
・座面の傾斜：水平
・表示の色：クリーム色に青色の表示（優先席としても目立ち、景観に優しい）
・付加機能：アームレスト、杖ホルダー、充電設備
※杖ホルダーは12月24日以降にご利用可能
※充電設備は12月24日以降順次ご利用可能
従来型の優先席
・座面の高さ：床面から最深部34cm、最高部41cm
・座面の形状：フラット
・座面の傾斜：背面にかけて傾斜
・表示の色：白地のカバーにグレーの表示（周囲と同化しやすく目立ちにくい）
・付加機能：なし
■従来型の優先席の改良
継続して設置する従来型の優先席においてもピクトグラムのデザインを一新し、視認性を向上させました。
■当社担当者コメント
今回、弊社単独ではなく、ユーザー・専門家・航空会社等から意見をいただきながら新たな優先席を作り上げました。
座面の高さやカラーリング、杖ホルダーに充電設備など、既製品には見られない工夫が随所に施されています！
障害のある方、ご高齢の方、妊婦の方、お身体に不安のある方をはじめ、誰でも安心して搭乗までのお時間をお過ごしいただける環境に近づけることができたと感じています。
今後もより多くの方々が快適に利用できる空港を目指してUDを推進してまいります！
【参考】モックアップを用いた検証の様子（2024年12月）
中部国際空港株式会社 会社概要
・会社名：中部国際空港株式会社
CENTRAL JAPAN INTERNATIONAL AIRPORT COMPANY , LIMITED
・所在地：愛知県常滑市セントレア一丁目1番地
・設立：
1998年5月1日（1998年7月1日 中部国際空港の事業主体として国の指定会社となる）
・代表：
代表取締役社長 籠橋寛典（かごはしひろのり）
・主な事業内容：
1．
中部国際空港及び航空保安施設の設置及び管理
2．旅客及び貨物の取扱い施設等の機能施設、店舗等の利便施設の建設及び管理
3．上記に付帯する事業
・従業員数：308名 役員（常勤）含む
※2025年4月1日現在
