JLL、2026年の世界のホテル投資市場は拡大基調と予測

強固な債券市場、記録的な投資資金の流入、投資家の信頼回復を背景に、ホテル投資額は引き続き拡大する見通し

ジョーンズ ラング ラサール株式会社のプレスリリース

(以下は、2026年2月10日にシカゴから発表されたリリースの抄訳版です)

東京 2026年3月3日 – 総合不動産サービス大手JLL(本社: 米国シカゴ、CEO & プレジデント: クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL)のホテルズ&ホスピタリティグループは、「グローバル ホテル インベストメント アウトルック(Global Hotel Investment Outlook)」を発表しました。本レポートでは、2026年の世界のホテル投資は、強固な債券市場、潤沢な投資余力ホテル資産の底堅さに対する信頼回復を背景に、堅調に拡大すると予測しています。

地域差があるものの底堅い回復を記録した2025年

2025年の世界のホテル投資額は大きく成長し、直接投資は底打ちした2023年から22%増加しました。アメリカ大陸の投資額が27%増で成長をけん引し、EMEA(欧州・中東・アフリカ)は4%増となりました。一方、アジア太平洋地域は20%減少しましたが、2026年は堅調な旅行需要と業績のファンダメンタルズにより回復が見込まれています。

数年間にわたり平均を上回る伸びを示していたRevPAR(販売可能客室数1日あたりの売上)は、成長がやや鈍化しているものの、市場ごとのパフォーマンスには依然として差異が生じています。パンデミックからの回復をけん引したマイアミなどの都市では市場が正常化した一方、回復が遅れていたサンフランシスコやアジア太平洋地域の一部都市などでは、2025年に大幅な成長が見られました。これは市場ごとの回復パターンやビジネス需要の回復率、客室供給数の違いを反映しています。

ホテルセクターは、2025年の世界の商業用不動産投資全体の約8%を占め、長期平均を上回るシェアを獲得しました。これは、同セクターが機関投資家の関心を再び集めていることを示しています。

強固なファンダメンタルズが堅調な投資を後押し

2026年の堅調なホテルの投資見通しを下支えする主な要因:

  • 旺盛な旅行需要:世界の航空旅客数は前年比4.9%増と予測され、特にインド、中国、ベトナムの旺盛な需要を背景に、 アジア太平洋地域では7.3%増の成長が見込まれています。

  • 供給制約による価値創出:主要市場で供給の伸びが鈍化しており、既存ホテルの業績を支えています。米国の主要都市の多くでは、新規建設予定数が既存供給量の2%未満にとどまっています。

  • 資本市場環境の改善:世界的に債券市場環境が好転し、貸し手がホテル投資により積極的になり、金利条件も改善しています。また、株式資本も潤沢で、取引の活発化を後押ししています。

地域別の見通しでは特定分野での投資機会が顕在化

高級リゾートやトロフィーアセットは、その需給バランスの良さや競争力、希少性の高さで機関投資家の関心を集め、主要な投資先として台頭しています。また、FIFAワールドカップ2026や米国建国250周年記念行事も、主要都市での宿泊需要を大幅に押し上げる見通しです。

JLLホテルズ&ホスピタリティグループ アメリカCEO ケビン・デイビスは次のように述べています。

「ホテル資産の相対的な価値や回復力は、ホテルに対する投資家の見方を変えています。FIFAワールドカップ2026のような特別なイベントは、開催都市のホテル業績を押し上げ、新規の建設が限定的な都市では既存ホテルに持続的な価値をもたらしています」

JLLホテルズ&ホスピタリティグループ EMEA CEO ウィル・ダフィーは次のように述べています。

「すべてのホテル市場が同じような回復をみせる時代は完全に終わりました。現在は、目の肥えた消費者と的を絞った資金流入が市場格差を生み出す、戦略的に選別するフェーズに入っています。体験重視の高品質なホテルは高額なプレミアム価格で取引されており、唯一無二である欧州のホテルを求める世界的な富の増加もその一因となっています。このトレンドと大規模なプライベートエクイティ資金の攻勢が相まって、トロフィーアセットの取得から大規模かつ戦略的な事業転換まで、独自の投資機会を生み出しています。欧州の不動産投資ではホテルがシェアを拡大し、新規ホテル建設の制約が既存ホテルの資産価値を下支えする中、投資家にとってホテルは魅力的な投資対象となっています」

アジア太平洋地域は、市場ごとに差があるものの見通しは良好で、その中でも日本が際立っています。大手金融機関はホテルなどの日本の不動産を対象とした5億米ドルのファンドを組成し、2026年第1四半期末までに資金調達を完了する予定です。2026年の日本のホテル投資額は、アジア太平洋地域全体の35-40%を占めると予測されています。また、セーフヘイブンとしてのシンガポールの魅力や、将来性のあるインドの成長性も、戦略的な投資先として新たな機会を創出しています。

JLLホテルズ&ホスピタリティグループ アジアパシフィックCEO ニハット・エーカンは次のように述べています。

「アジア太平洋地域のホテル投資市場は、力強い構造的な追い風のもと、持続的なアウトパフォーマンスを期待できる市場に変化しています。同地域は、中間層の拡大や個人の可処分所得の増加を背景に、世界の旅客数増加をけん引しています。また、アジア資本も市場の大幅な成長を後押しし、主要都市のRevPARは世界でも上位の水準です。アジア市場の相関性が、さらなるクロスボーダー投資の機会を創出しており、今後の投資額の成長は新たなサイクルの始まりに過ぎません」

【2026年に向けた投資戦略の主要テーマ】

  • パフォーマンスの二極化が投資判断を左右:市場ごとのRevPARのばらつきにより、勝者と敗者が明確化しています。投資家は、立地が良い高品質な資産に注目しています。

  • 大型取引の復活:債券市場の好転を背景に、2億5,000万米ドル超の大型取引が大幅に増加する見込みです。

  • クロスボーダー投資の加速: 世界的に投資資金の流れが勢いを増しており、特に英国や欧州市場への投資が活発化しています。

  • プライベートエクイティの活発化: 潤沢な投資資金を抱えるプライベートエクイティは、主要市場においてバリューアッド投資、ポートフォリオ取引、再建設費用を下回る価格で取得可能な高品質なホテルへの投資に注力しています。

市場ファンダメンタルズが新たなサイクルを示唆

JLLホテルズ&ホスピタリティグループ アメリカ プレジデント ダン・ピークは次のように述べています。

「ホテル投資市場は、構造的な優位性と例外的な投資資金力が融合する転換点を迎えています。良好な需給ファンダメンタルズ、堅調な債券市場、投資家の信頼が揃う稀有な状況は、2026年以降も継続する投資サイクルの基盤となっています」

JLL日本ホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクター、ヘッド オブ インベストメントセールズ 阿部有希夫ジェームズは次のように述べています。

「日本のホテル投資市場は、堅調な運営パフォーマンスと世界的な投資家からの継続的な関心を背景に、アジア太平洋地域において最も好調なセクターの一つとなっています。2025年には訪日外国人数が約4,270万人と過去最高を記録し、全国的にADR(平均客室単価)およびRevPARの成長を牽引しており、特に主要都市では客室単価の上昇がパフォーマンス改善の中心となっています。投資活動も引き続き活発で、国内外の投資家双方から安定した資金流入が見られます。2026年においても、日本はアジア太平洋地域のホテル取引額において大きな割合を占めると見込まれています。高水準のインバウンド需要に加え、建設コスト上昇による新規供給の限定性、そして堅調な運営ファンダメンタルズを背景に、日本のホテルセクターは今後も機関投資家にとって重要な投資対象であり続けると考えています」

JLLについて

JLL(ニューヨーク証券取引所:JLL)は、世界80ヵ国以上で事業を展開し、約113,000名の従業員を擁する総合不動産サービス会社です。200年以上にわたり、オフィス、リテール、インダストリアル、ホテル、レジデンシャル、データセンターなどのセクターにおいて、お客様が保有する不動産の賃貸借、売買、投資、建設プロジェクトマネジメント、管理を支援しています。2025年の売上高は261億米ドルで、フォーチュン500®にも選出されています。

JLLは、「不動産の未来を拓き、より良い世界へ(Shape the future of real estate for a better world)」という企業目標(Purpose)のもと、お客様、従業員、地域社会とともに「明るい未来」への実現を目指しています。また、JLLは豊富なデータと最先端のテクノロジーを活用し、幅広い業界のお客様に包括的な不動産サービスを提供しています。グループ会社のラサール インベストメント マネージメントは、世界の投資家ニーズに応じた不動産投資運用サービスを提供しています。

JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。詳細はhttps://jll.com をご覧ください。

今、あなたにオススメ