57の国と地域から起業家・投資家ら約500人が平均3週間以上滞在。経済効果とソーシャルインパクト創出の両立に向けた「新たな観光」の道筋を拓く
株式会社 遊行のプレスリリース
株式会社遊行(本社:福岡県福岡市、代表取締役:大瀬良 亮)は、福岡市より「海外デジタルノマドの誘客を目的としたプログラム事業」を受託し、2025年10月に「Colive Fukuoka 2025(読み:コリブフクオカ 2025)」を企画・運営しました。本事業は、全国の自治体で初となるデジタルノマド誘致事業として2023年より開始し、参加者数、経済効果ともに拡大を続けてきました。
「Colive Fukuoka 2025」には、アメリカ、台湾、タイなど世界57の国と地域から1,000名以上が事前登録し、うち496名が福岡を訪れました。参加者は平均23日間の滞在(最大累計130日)を通じて、約1.4億円の地域経済効果を福岡にもたらしたと推定されます。
3年目となる今回は「Ikigai(生きがい)」や「Dou(道)」といった日本特有の価値観やライフスタイルを深く体験できるプログラムを用意。また、福岡市主催のスタートアップイニシアティブ「RAMEN TECH」との連携を強化し、欧米を中心とした起業家がピッチイベントへ参加できる機会を提供しました。これらの共創を通じて参加者の福岡市への長期滞在が促進され、経済効果を最大化するとともに、周辺地域への訪問も増加するなど、福岡市ならではの新しい海外インバウンド誘致モデルが確立しつつあります。以下、より詳細なインパクトレポートを公開します。
「Colive Fukuoka 2025」実施背景
世界のデジタルノマド市場は約4,000万人規模と言われ、今後も増えていくと予想されています。背景にはデジタル技術の発展によるリモートワークの拡大やコロナ禍以降の働き方の多様化、AI技術の進化による「ソロプレナー(ひとり起業家)」の増加などがあります。各国が高度なデジタルスキルを有する人材の誘致に注力しており、実際にデジタルノマド向けのビザを発行した国は約70カ国にのぼります。日本でも2024年4月、出入国在留管理庁がグローバルにリモートワークを行う外国人を対象に「デジタルノマドビザ」を新設しました。
また、世界の観光産業において、特定の観光地への一極集中によるオーバーツーリズム(観光公害)の低減や、高付加価値化を通じた「量」から「質」への転換が求められる中、日本では高度なデジタルスキルを有する国際的なリモートワーカー「デジタルノマド」を、地方に、長期滞在ポテンシャルがあるハイスキル人材として、関係人口化する施策が各地で実施されています。
こうした流れの中、福岡市は「デジタルノマドビザ」新設以前の2023年10月、全国の自治体初となるデジタルノマド誘致プログラム「Colive Fukuoka 2023」を実施。「アジアのゲートウェイ」都市の名のもと、国際的なリモートワーカーを長期滞在型デジタルノマドとして関係人口化することを通じ、地域のビジネス・スタートアップエコシステムの発展に寄与。また、3年目となる「Colive Fukuoka 2025」では、プログラムの参加者を初年度(49名)比で10倍超の496名とし、平均23日間の長期滞在を通じて推定約1.4億円の地域経済効果を創出しました。
「Colive Fukuoka 2025」プログラム概要
「Colive Fukuoka 2025」は、アジア最大級の長期滞在型プログラムとして、10日間のメインプログラムと1カ月間のコリビングプログラムを提供しました。
〈プログラム概要〉
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期間:2025年10月1日(水)~31日(金)
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場所:福岡市内各所、うきは市、新宮市、古賀市、宗像市へも訪問
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企画運営:株式会社 遊行
10日間のメインプログラムでは、10月2日(木)・3日(金)に住吉神社能楽殿で、「Envision Tomorrow Together」をテーマとした「Colive Fukuoka Summit」を開催。日本人スピーカーによる「Ikigai(生きがい)」セッションやデジタルノマディズムの共有を通じて、AI時代のキャリアやライフスタイルを共創しました。
10月4日(土)・5日(日)の週末には姪浜渡船場からフェリーで約10分の能古島キャンプ村で、音楽・アート・サウナ・アンカンファレンスなどのカルチャーを体験する「Synapse Festival」を開催し、人口約600人の島に約330名が訪れたほか、「世界6大猫スポット」として知られる「相島」へのデイトリッププログラムなどを実施。
10月6日(月)〜10日(金)には福岡市が主催する西日本最大級のスタートアップの祭典「RAMEN TECH」と連携し、海外デジタルノマドが「RAMEN TECH – Global Summit 2025 -」内でブース出展やピッチ登壇をしたほか、海辺のコワーキング施設や温泉をリノベーションしたコワーキング施設でのコワーキング・ワークショップ、世界経済フォーラム(ダボス会議)にて「Social Innovation House」を主催した「Catalyst Now」と連携したソーシャル・社会起業家プログラムなどを実施。10月10日(金)のクロージング・キーノートでは、世界的ベストセラー『Happy Money』の著者・本田健氏が登壇し、10日間のメインプログラムを締めくくりました。
また、1カ月間のコリビングプログラムでは、地域経済への持続的なビジネス・ソーシャルインパクトの創出を目的として、将来的に福岡市にアジアのビジネス拠点を設置することを検討する起業家デジタルノマド層に対し、福岡市内のコワーキング施設やカフェの回遊、地元の祭りなど地域イベントへの参加、ローカルな飲食店での食事、自主的なワークショップの開催など、短期の旅行ではなく、長期滞在ならではの過ごし方を体験する機会を提供しました。
「Colive Fukuoka 2025」インパクトレポート
(1) 長期滞在型インバウンド集客で57の国と地域から496名が参加。周辺地域への来訪を促進
10月のメインプログラム開催で57の国と地域から496名(うち55%の273名が海外から参加)を誘致しました。また、福岡市を訪れるインバウンドの9割超がアジア出身であるところ、「Colive Fukuoka 2025」参加者の地域別割合は欧米豪が58.2%と過半数を占め、新しいインバウンド層との接点創出や特定国からの観光客に依存しないカントリーリスクの分散も実現しています。福岡市への地域経済効果は推定約1.4億円を記録、参加者は福岡市内に平均23日滞在し、新宮市や宗像市、うきは市、古賀市など、周辺地域への訪問にもつながりました。国内の平均滞在日数は42日間で、福岡市が日本発着の「ゲートウェイ」として機能し、新たな周遊ルートの可能性を導きました。
(2) AI時代のビジネス新潮流「ソロプレナー(ひとり起業家)」が福岡を拠点にビジネスの可能性を模索
2025年8月、英誌『The Economist』が「How AI could create the first one-person unicorn」と題した記事を公開するなど、AI技術の急速な進化を背景に「ソロプレナー(ひとり起業家)」がユニコーン企業を生み出す可能性が現実味を帯び始めています。福岡市は2019年、日本初の「スタートアップビザ」を発給するなど海外起業家の誘致を積極的に推進してきた背景もあり、「Colive Fukuoka 2025」はグローバルなスタートアップの祭典「RAMEN TECH」と連携したプログラムを実施。その結果、アメリカ出身のソロプレナーが10月以降も福岡市を訪れ、累計130日間の滞在を通じて起業の可能性を模索し始めたほか、フランス出身のソロプレナーが欧米中心に展開していた事業を福岡を拠点としてアジアへ展開することを検討し始めるなど、地域ビジネスの発展に向けた動きが見られています。
(3) デジタルノマド誘致を通じた国際都市間交流のスタート
本年度より「Colive Fukuoka」の取組を世界に広げ、台湾と、タイ・チェンマイ市との2都市間交流を強化しました。官民双方の意見交換の場を設け、民間レベルでの人的交流を重ねた結果、両地域からのデジタルノマドおよび関係者の相互往来が活性化。特に10月のメインプログラムでは、訪問者数においてアメリカに次いで、台湾、タイ出身者が多数を占める結果となりました。今後は、行政・政府の支援も得て、より強固で持続可能な関係を構築し、ビジネス活性化と情報交換の深化を双方の地域で目指してまいります。
今後の展望
デジタルノマドが求める価値は「地域とのつながり」
Colive Fukuokaの参加者アンケート結果から、福岡市滞在における最大の魅力は「地域とのつながり」と「日本の本質的理解」であることがわかりました。これは、単なる観光(Sight-Seeing)を超え、「地域とつながる(Sight-Connecting)」体験がデジタルノマドにとって最も重要な価値となっていることを示しています。
地域との「本質的なつながり」が新しいビジネス機会を創出
リモートワークを基盤とした長期滞在は、短期間では得難い地域との本質的なつながりを生み出し、新たなアイデアやビジネス機会の創出を促進します。ビジネスを基盤とした新しいコミュニティ運営は、今後の持続可能な観光を実現する上で不可欠な要素となっていくと考えられます。「Colive Fukuoka」は、デジタルノマドというニッチに聞こえる市場へのアプローチを通じて、観光市場の未来を見据える貴重な「社会実験の場」として、その価値を発信していきます。
年間を通じたコミュニティ運営と世界とのつながり強化へ
今後は、10月のカンファレンス開催に留まらず、年間を通じたコミュニティ運営に注力し、「いつでも訪れ、いつでも地域とつながれる」機会の創出を目指します。「Colive Fukuoka」を通じて、福岡および九州広域が世界とのつながりを深め、ビジネス機会の創出と社会的インパクトの創出に貢献できる仕組みを整備してまいります。
福岡市 経済観光文化局観光コンベンション部 観光産業課コメント
3年目を迎えた本事業において、1.4億円超の経済効果とともに、多くの国・地域と深く持続的なネットワークを築けたことを嬉しく思います。今後は年間を通じた誘客により、デジタルノマドがいつでも地域とつながることができる環境を整え、福岡市がアジアを代表する滞在拠点としての地位を確立できるよう、さらなる取り組みを推進してまいります。
株式会社 遊行について
「Be where you are meant to be.(いるべき場所に、いられる世界へ。)」をビジョンに、日本初となる海外デジタルノマド市場専門の商品開発・マーケティング支援事業を展開しています。
〈企業概要〉
会社名:株式会社 遊行(ゆぎょう)
代表取締役CEO:大瀬良 亮
設立年月日:2022年9月28日
所在地:福岡県福岡市博多区祇園町8-13 第一プリンスビル The Company キャナルシティ博多
企業HP:https://yugyo.work