【インバウンドサミット2026イベントレポート】Trip.com、AI×インバウンド観光についてトークセッションに登壇

~AI旅行アシスタント「TripGenie」で予約数前年比400%増、ホテル予約までのクリック数8割削減、再訪率45%増で旅行体験をサポート~

株式会社Trip.com International Travel Japanのプレスリリース

グローバルオンライン旅行サービスプロバイダーのTrip.comは、2026年3月4日(水)に東京ビッグサイトで開催された日本最大級のインバウンド観光カンファレンス「インバウンドサミット2026」に参加し、弊社代表取締役社長の高田智之がトークセッションに登壇しました。トークセッションでは、「AIによるインバウンド観光の変革」をテーマに、日本のインバウンド市場の現状やAI活用の進展、地方観光の持続的成長に向けた重要性などについて、自由民主党 経済産業部会長の小林史明さん、福井県観光連盟 観光地域づくりマネージャー佐竹 正範さん、アソビュー代表執行役員CEO 代表取締役 山野 智久さんとディスカッションをおこないました。

登壇者プロフィール

高田智之(Trip.com International Travel Japan代表取締役)

徳島県徳島市出身。07年にタイのホテルチェーンでホテル立ち上げに携わり、10年ハイアット・オン・ザ・バンド上海入社。その後、国内外で営業戦略を推進し事業成長をけん引。22年トリップドットコム・インターナショナルトラベルジャパン ホテル営業部カントリーディレクターを経て、23年より同社代表取締役社長。

小林 史明(衆議院議員 自由民主党 経済産業部会長)

政治信条は「テクノロジーの社会実装による多様でフェアな社会の実現」。規制改革やデジタル化、スタートアップ支援、経済・中小企業・エネルギー政策に取り組む。過去にデジタル副大臣や環境副大臣、自民党青年局長も歴任。

佐竹 正範(福井県観光連盟 観光地域づくりマネージャー)

福井県あわら市出身。ヤフーで広報・マーケティング・地方創生に従事後、北海道美瑛町でDMO立ち上げ・CMOを担当。2021年より福井県観光連盟で観光DX・データ駆動型マーケティングを推進。紀尾井町戦略研究所上席コンサルタント。

山野 智久(アソビュー代表執行役員CEO 代表取締役)

2011年アソビュー(株)創業。レジャー×DXをテーマに、遊びの予約サイト「アソビュー!」、観光・レジャー・文化施設向けバーティカルSaaS「ウラカタシリーズ」を展開。経済同友会観光戦略委員会委員長。一般社団法人 日本車いすラグビー連盟 理事長。 著書「弱者の戦術」(ダイヤモンド社)

【日本の観光市場とAI活用について】

──日本のインバウンド市場の現状はいかがですか?

高田:日本は現在も世界的に人気の高い観光地であり、インバウンド需要は引き続き強い状況にあります。一方で、北アジアを中心に旅行先の選択肢は広がっており、リピーター層の旅行動向には変化も見られます。例えば昨年夏には、韓国発上海行き航空券の販売量が韓国発東京行きを上回るという事例もありました。日本が継続して魅力的な旅行先であり続けるためには、新しい体験や選択肢を提供し続けることが重要だと考えています。

──AIは観光分野でどのように活用し、地方観光にどんな効果がありますか?

小林さん:日本は人口減少の中で、モノやサービスを生み出す供給力が弱まってきています。これからは生産性を上げることと、付加価値を高めることの両方が重要で、その手段の一つがAIだと思っています。観光についても、これまでの「人数を増やす」考え方から「消費額を増やす」質重視へと政策がシフトしています。AIのデータ活用によって観光客を地方へ分散させていくことも重要です。

佐竹さん:観光のAI活用では、「観光地の基本データ」と「観光客の志向データ」を整理してAIに活用できる形にすることが重要だと思っています。実際にデータを可視化することで、宿泊事業者が価格調整やプラン改善を行い、売上が上がった事例も出てきていますし、道の駅では仕入れ調整によって廃棄ロスが減るなど、地域の経営判断にも役立っています。行政でもデータをすぐ確認できることで業務効率化につながっています。

───AIによる予約や旅行体験の改善についてはいかがでしょうか?

高田:Trip.comのAI旅行アシスタント「TripGenie」では、AIを活用した旅行予約数が前年比で約400%増加しています。特に香港、シンガポール、マレーシア、イタリア、フランスなどの旅行者は、旅行体験の中でAIを積極的に利用しています。「TripGenie」のホテル比較機能では、予約までのクリック数を約80%削減することができ、7日以内のAI再訪率も45%増加しています。また、AIへの問い合わせの約4分の1は旅行前や旅行後の相談です。AIは単なる検索ツールではなく、旅行全体をサポートする“旅のコンパニオン”として、旅行体験を支える存在になっていくと考えています。

山野さん:OTAのビジネスは、消費者向けのB2Cと、ホテルなど事業者向けのB2Bの両方があります。B2Cではこれまでの購買データを活かしてChatGPTやGeminiなどのAIと正面から勝負していく。一方でB2Bの領域は、契約や運用、サポートなど人の関与が重要な部分も多く、そこをしっかり強化して差別化していくというのがポイントだということですね。

──観光分野では、データ取得やAIの活用によって購買予測や分析が可能になりつつあります。一方で、それらのデータを活用して新たな高付加価値の観光商品を生み出したり、地域でビジネスとして実装していく人材や取り組みも重要になってきます。AIが進化する中で、地域側ではどのような取り組みを進めていくべきでしょうか?

佐竹さん:AIの前段として、まずは観光データをしっかり集めて活用することが重要だと考えています。福井では県内約105エリアにQRコードを設置し、観光客のアンケートを集めてきました。現在は約9万件のデータが蓄積されており、コメントも含めてオープンデータとして公開しています。こうしたデータをもとにエリアごとの満足度などを可視化し、地域で改善につなげることで、実際に満足度も向上してきています。AIについては、こうしたデータをさらに分析し、課題の発見や改善を効率化していく段階にあると考えています。

──AIによるレコメンドが進むと、人気の観光地はさらに注目され、利用が集中していく可能性があります。一方で、まだ知られていない地域を紹介して送客することは、民間企業にとって必ずしも経済合理性が高いとは限りません。観光の分散を進めていくという観点から、プラットフォーム事業者はこの点をどのように考えていくべきでしょうか?

高田:確かにビジネスの観点で見ると、東京など人気都市に集中した方が収益は出やすいと思います。ただ、インバウンドという産業全体で考えると、それだけでは限界もあります。例えば地方には魅力的な宿や体験があっても、そもそもプラットフォーム上に情報や商品が載っていないケースも多く、結果として旅行者に提案できない状況があります。そのため私たちも全国の宿泊施設と地道に契約を増やし、地域のコンテンツをデータとして可視化していく取り組みを続けています。都市部だけでなく地方の選択肢を増やしていくことが、結果として観光の分散や市場全体の成長につながると考えています。

【AIと観光の未来みたいなインバウンドの展望】

──最後に、AIと観光、特にインバウンドの未来について伺います。消費者の行動がどのように変化していくと考えられるのか、またAIの進展によって期待されることや、逆に懸念される点について展望をお聞かせください。

高田:AIは今後、観光業界にさまざまなポジティブな変化をもたらしていくと考えています。技術の進化により、旅行者はこれまで以上に簡単に旅行先を発見し、自分の興味や関心に合った旅を計画できるようになるでしょう。

同時に、旅行のスタイルも変化しています。若い世代では公共交通機関を利用した移動がより一般的になり、訪日旅行者の多くも車に依存しない形で観光を楽しむケースが増えています。こうした変化は、観光都市にとって新しい旅行体験を設計する機会にもなっています。

また、イベントや文化体験、ファン活動など、明確な目的をきっかけに旅行をする人も増えており、旅行はよりパーソナルで目的志向のものへと進化しています。

AIやデジタル技術は、こうした変化をさらに後押しすると考えています。パーソナライズされた旅行提案やレコメンデーションを通じて、これまで旅行を検討していなかった人にも新しい旅のきっかけを提供することができるからです。

今後は、業界全体で新しい仕組みやアイデアを模索しながら、これからの時代にふさわしい新しい観光の形を生み出していけると考えています。

佐竹さん:今は地域事業者の稼ぐ力をデータで支援していますが、一部は自動化できるようになってきました。 ただ、AIでは対応できない地域の現場調整や体験作りは、人の力でやるしかなく、そこが差別化ポイントだと思います。

小林さん:推し活の旅行や日本式ネイル・エステなど、まだインバウンドで活かしきれていない地域や文化の資産がたくさんあります。AIが自動で点をつなぎ合わせてくれる時代が来て、これは大きなチャンスです。一方で、地域の空手道場や漁港の体験のように、現場の調整やコミュニティとの信頼関係は、やはり人の力でしか実現できません。政治家としての経験からも、地域や人に対する愛が試される場であり、そこを乗り越えることが今日の重要なポイントだと思います。

Trip.com(トリップドットコム)について

Trip.com は、39 の国と地域の 24⾔語および 35 の現地通貨に対応した国際的なワンストップトラベルサービスプロバイダーです。世界 220 の国と地域にある 150 万軒以上のホテルと、3,400 の空港を発着する 640 社以上の航空会社のフライト、そして20 万以上のアトラクションや現地ツアー商品を網羅した巨⼤なネットワークを有する Trip.com は、24時間年中無休の世界⽔準の多⾔語カスタマーサービスに加え、エジンバラ、東京、ソウルに設置されているカスタマーサービスセンターから、世界中の何百万⼈もの旅⾏者が作る「最⾼の旅⾏体験」をお⼿伝いしています。URL: https://jp.trip.com

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