kemio、エリーローズら12名がカルチャーとジェンダーを語る
マリオット・インターナショナルのプレスリリース
東京エディション(虎ノ門および銀座)では、毎年国際女性デーにあわせてトークセッションを主催。今年は、IWD 2026のテーマである「Give to Gain―与えてこそ得られる」を軸に、東京エディション虎ノ門にてセッションを開催しました。ファッション、音楽、エンターテイメント、アートなど、カルチャーの最前線で活躍する登壇者たちが集い、それぞれのフィールドでジェンダー観をどのように更新してきたのかを共有。カルチャーが社会規範に与える影響力や、次世代へどのように機会や資源をつないでいくのかといったトピックについて活発な議論が交わされました。
ホテルの枠を超えたコミュニティ作りとカルチャーの発信を目指すエディションの取り組み
エディションは、 「ニュー・ジェネレーション・オブ・ラグジュアリー」というコンセプトのもと、文化やコミュニティを通じて多様な価値観が共存する社会の実現を目指しています。その取り組みの一環として、女性の健康と権利を推進する国際協力NGO JOICFP(ジョイセフ)とともに、国際女性デーにあわせたトークセッションを2023年より継続して開催。社会やカルチャーの最前線で活動するクリエイターやアーティストが、それぞれの経験や視点を共有する場として実施しています。2026年は東京エディション虎ノ門にて開催され、幅広い分野で活躍する12名の登壇者が参加しました。
*JOICFP(ジョイセフ)は、すべての女性が健康で、どこにいてもSRHR(性と生殖に関する健康と権利)をenjoyし、自分の人生を自分で選択できる世界を目指す国際NGO団体です。
■東京エディション 国際女性デー トークセッション
開催日:2026年3月7日(土)
参加者:
植野有砂(コンテンツクリエイター / DJ)、アンジェラ・レイノルズ(ギャラリーディレクター / モデル)、エリーローズ(モデル / DJ / コラムニスト)、キム・ギュテ(ビューティークリエイター)、kemio(デジタルクリエイター / モデル)、Niina(アーティスト)、ミエ・アントン(ブランドディレクター)、緒形龍 (俳優 / モデル)、沙羅・ジューストー(プロデューサー)、小野美智代 (国際協力NGO ジョイセフ・PGディレクター)、白川麻美 (東京エディション カルチャー&エンターテイメント ディレクター)、ローズ麻里子 (東京エディション銀座 カルチャー&エンターテイメント マネージャー)
*敬称略
■ 東京エディション 国際女性デー トークセッション
トークセッションでは、カルチャーやジェンダー、多様性について考える場が設けられました。登壇者たちは、ファッション、音楽、アートなどさまざまな分野での経験をもとに、社会に影響を与えるカルチャーや個人の表現について意見を交わしました。
※ゲストコメントは、原文より一部抜粋しております。
カルチャーが変える社会の常識
セッションでは、まずカルチャーが社会のジェンダー意識にどのような変化をもたらしてきたかを中心に議論が展開されました。参加者はそれぞれのフィールドで既存の価値観に問いを投げかけてきた経験を共有し、KOLやブランド、クリエイターが社会規範に影響を与える力についても言及しました。
kemioは、「僕はゲイで、21歳のときに本でカミングアウトしました。祖母に育てられて、周りも女性が多い環境だったのですが、当時は性について知るための教育や情報がほとんどなかった。保健体育の授業でもそういった話はなかったので、自分が何者なのかを知る手がかりがなかったんです。でもアメリカのカルチャーが好きで、マライア・キャリーやレディー・ガガの存在を知る中で『自分ってなんなんだろう』と考えるようになった。音楽やカルチャーに触れることで、自分の道標になるものを見つけられた気がします。教育では得られなかったものを、カルチャーが教えてくれたと思っています」と振り返りました。
アンジェラ・レイノルズは、「デジタル化されたことはすごく大きいですよね。今は世界中の情報に瞬時にアクセスできるので、さまざまな生き方や価値観を知ることができて、自分を肯定できるきっかけにもなる。今はボトムアップで個人同士が認め合う動きが広がっていると思いますし、アーティストの発信もその一つ。政府の動きとは真逆の部分もあるけれど、何より大事なのはコミュニティの力が確実に強くなっているということです」と指摘しました。
「ストリーミングサービスの存在も大きいと思います。私が若かった頃は、“恋愛とはこういうもの”という限られたモデルしかなかった。でも今は、世界中の映画やドラマを通してさまざまな生き方を知ることができる。そういう環境があるからこそ、国や社会が示す価値観に対して『それだけじゃない』といえる土台ができていると思います」とミエ・アントン。
エリーローズは、 「ハーフとして日本で生まれ育ち、どこに行っても居場所が定まらない感覚がずっとある中で、ロンドンやベルリンのクラブに行ったとき、そこには自然な多様性があって「このコミュニティの一員になりたい」と思いました。20年前、日本のテクノシーンはまだほとんど男性中心の社会で、今振り返ると、セクハラやパワハラのようなものも確実に存在していました。でも同時に、少しずつ変わってきたとも感じています。声を上げなければ伝わらないこともあるし、自分の感じている違和感や考えを発信していくことが、カルチャーを変えていく力になると信じています」 と語りました。
カルチャーは単なる表現ではなく、人々の価値観や社会の常識を更新していく力を持っています。音楽やファッション、コミュニティの中で生まれた声が広がることで、多様な生き方が可視化され、新しい社会の輪郭が少しずつ形づくられていきます。
声を上げる勇気
「可視化する勇気」や「声を上げること」がキャリアや社会にもたらす影響についても議論が広がりました。自分の経験や違和感を言葉にすることが、共感や新たな対話を生み、社会の変化につながっていく可能性について意見が交わされました。
植野有砂は、「活動する中で『フィメールDJ』という呼称に違和感を抱くようになりました。なぜわざわざ性別を冠して紹介されるのか、と。
声を上げれば賛否両論が返ってきますが、たとえ全員と意見を共有できずとも、自分の信念を貫き発信し続けることが重要だと考えています。
現在、母となって10ヶ月。キャリアを諦めるつもりはありません。夫と協力して育児に励んでいますが、男性の出張は当然視される一方で、女性が海外出張へ行くと批判にさらされる現状があります。当初はSNSへの投稿すら躊躇しましたが、『子どもかキャリアか』という二択で悩む若い世代に向け、『どちらも楽しく両立できる』という姿を自ら体現し、伝えていきたい」と語りました。
Niinaは、「私は声を上げることがあまり得意ではありません。過去に強い批判を受けた経験があって、発信することが怖くなってしまった時期がありました。でも自分で調べて知識を増やしていくうちに、少しずつ自信がついてきた。今は再び発信することにも挑戦していきたいと思っています。その一つとしてトレーニングを続けていて、数年で14キロ体重を増やしました。舐められたくないという気持ちが強かったんです。体を鍛えることでメンタルもタフになってきたと感じています」と胸の内を語りました。
カルチャーの世界で生きる彼女たちにとって、声を上げることは自分の存在を示す行為でもあります。批判や不安を抱えながらも言葉にし続けることで、その声はやがて誰かの勇気となり、次の世代の選択肢を広げていきます。
見た目とアイデンティティの偏見
続いて、外見やスタイルによって生まれる社会の偏見や期待についても議論が及びました。参加者それぞれの経験を通して、見た目や性別によって無意識に課される役割や固定観念について率直な意見が交わされました。
「モデルをしながらDJをしていると、“ただのモデルでしょ”と言われたりして下に見られていると感じることがよくありました。だからこそDJのときは絶対にミスをしないようにしていたし、常に最大限のパフォーマンスを出さなければいけないという意識が強かったと思います。ストリーミングの現場ではネイルを外したり、あえて大きめのTシャツを着たりして、“ギャルっぽい”イメージで見られないようにしてました。男性中心の環境の中で舐められないように、話し方を少し男性的に変えていた時期もあります。そういう経験を通して、自分の立ち方を探してきた時期は辛かったですね」とエリーローズ。
「役者の世界でも似たようなことがあります。アメリカでアートスクールに通っていたときは多様な価値観に触れることができたんですが、日本に帰ってきて自分のセクシュアリティについて話したとき、大人たちから“声が気持ち悪い”、“容姿が気持ち悪い”と言われたことがありました。でもその後、理解のある大人たちと出会えたことで自分自身を受け入れてもらえ、世界が広がった。やっぱり環境が人を大きく変えるんだと感じました」と緒形龍。
外見やスタイル、そして性別によって無意識に生まれる期待や偏見。登壇者たちの言葉からは、そうした社会の枠組みが個人の能力や可能性とは必ずしも一致していない現実が浮かび上がった。同時に、人の価値観や生き方は環境や出会いによって形づくられるものでもあることが示されました。
自己表現が生むコミュニティと、政治とのギャップ
個人の表現がどのように共感を生み、人と人をつなぐコミュニティへと広がっていくのかというテーマについても議論が展開されました。自身の経験を通して、発信やカルチャーが人々に与える影響や、そこから生まれる新しいつながりについて意見が交わされました。
キム・ギュテは、「僕は14歳からメイクを始めました。コンプレックスを解消したいと思ったのがきっかけです。東方神起のジュンスさんのソロデビューで、男性でもこんなに変われるんだと衝撃を受けました。そして、広島のSPINNSで働き始めた頃から、個性豊かな人たちに触れ、自分の個性が大爆発しました。当時は欲求を最大限に誇張したメイクをしていましたが、母から”どうせメイクするなら綺麗にして”と言われ、今のスタイルにたどり着きました。母子家庭で育ったこともあり、女性へのリスペクトが強く、現在は性別や国籍に関係なく、誰でも楽しめるメイクを発信しています。ノンバイナリーであることをカミングアウトした際も、ファンが逆に増え、寛容なコミュニティの存在を実感しました」と話しました。
「人間って面白くて、結局見た目でしか判断できない部分があると思うんですよ。“女性ってこうだよね”って思っているから男性が女性に強く出られるとか、自分が見たことのないタイプの人が現れるとどうしていいか分からないとか。でも、知らないものや知らない人に出会ったときに、“知りたい”って思うワクワク感って本来すごく大事なものだと思うんです。まさに“Give to Gain”で、人間同士のコラボレーションみたいなものだと思っていて。みんながそれぞれのバックストーリーを聞いて、“自分も何かやってみようかな”って思うきっかけになったらいいですよね」とkemio。
小野美智代は、「最近は中東での戦争など、世界情勢が不安定ですが、ここに来て“みんな仲間なんだな”と感じ、少し安堵しています。カルチャーや音楽、スポーツ、ファッションには、社会を変える力があると思います。
ただ、日本の政治では議論が十分に行われず、社会の思想が一方向に偏ることもあります。例えば選択的夫婦別姓についても、29年も前(1996年から)から議論を重ね、実現に向けて進んでいたのに、首相が変わった瞬間に状況が一転してしまいました。今の日本の政治は、多様性の流れから逆行しているような動きも見られ、アメリカで広がっている反DEI(多様性・公平性・包括性の縮小)の波が日本企業にも影響しているのではと不安を感じることがあります。でも、環境が人をつくるのだとしたら、私たちは新しい環境を自分たちでつくっていくことができる。だからこそ、国際女性デーをきっかけに、全国の地域から女性や権利のアイコンとなるアクションを生み出すような取り組みを続けてきました。今年の国際女性デーに向けてジョイセフが開催したホワイトリボンランでは、全国62のコミュニティから5,000人が参加し、それぞれがチャリティアクションを行いました。カルチャーやコミュニティには、人と人をつなぎ、社会の空気を変えていく力があります。その力を信じ、多様性を守り、さらに広げていくことが大切だと思います」と語りました。
カルチャーや自己表現は、人と人をつなぎ、新しい価値観を生み出す力を持っている。参加者たちの言葉からも、個人の発信やコミュニティが社会の空気を少しずつ変えてきたことが感じられました。一方で、世界や日本の政治の動きには、多様性の流れに逆行するような兆しも見られます。
女性のロールモデル不足と、想像力を育てる教育
現代の教育やキャリア形成の中で、女性が自身の可能性を実感し、挑戦できる環境はまだ十分とは言えません。自らの経験や家庭環境を通して、女性のロールモデルが不足している現状や、想像力を育む教育の重要性について意見を交わしました。
「私は、友達に『なんでそんなに色々なことにチャレンジできるの?』と言われてきて、私自身も20代は『自力でやるでしょ!』と挑戦してきました。でも、それは単純に『教わったからできた』わけではなく、その分野に関する『想像力があったから』だと思っています。逆にたとえば『宇宙飛行士になるには』という話だと、まったくわからない。環境にいないから想像できないんです。教育の観点で言うと、女性のロールモデルが少ないことが課題です。今は平等だから何でもできると言われますが、実際に女性大統領や女性経営者は少ない。なりたいものになろうとしても、ロールモデルが少なく、想像力が働かないから、摩擦が生じやすいのが現実です。だからこそ、多様な女性のロールモデルを増やすことが、結果的に教育に繋がっていく思っています」と沙羅・ジューストー。
アンジェラ・レイノルズは、「それは私がモデルとして活動し続けている理由の大きな一つで、より多くの女性が独自の思想や生き方を発信していくことで、次世代への影響も生まれていくと信じています。その人の存在そのものがロールモデルになり、次のジェネレーションの想像力になっていくのだと思います」と話しました。
最後に白川麻美 は、「自分たちの活動を通じて、次世代に種をまき、発信していくことが社会意識を変える力になると思います。教育や経験を通して育まれた想像力が、社会のさまざまな業界や価値観をつなぎ、より素敵な社会をつくることにつながるはずです」と語り、セッションを締めくくりました。
エディションの哲学:多様性と自己表現の尊重
エディションは、本物であること(Authenticity)、力を与えること(Empowerment)、個性を称えること(Celebrating Uniqueness)を、ブランドの基礎としています。エディションは、すべての人にとっての我が家です。エディションにおけるラグジュアリーとは、すべてのゲストが思う存分に本物の自分らしさを発揮する力を与えらていると感じられる空間、つまり真の包括性(Inclusivity)を持つ環境を創ることを意味します。
「“自分らしく生きること”を何よりも大切にし、女性であることを特別視しない社会を作ることが、エディションの目指す未来です。」
ー 東京エディション カルチャー&エンターテインメントディレクター 白川麻美
今回の東京エディション虎ノ門で行われたトークセッションでもそのメッセージが強く発信されました。今後も、東京エディションは、女性は勿論、オールジェンダーが自由に生きられる環境作りをサポートする取り組みを行って参ります。
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エディションホテルについて
エディションホテルは、斬新で予測不能な驚きに溢れ、ゲスト一人ひとりに合わせたユニークなホテル体験で、これまでのラグジュアリーを再定義する唯一無二のライフスタイルホテルブランドです。最高のダイニング、エンターテイメント、サービス、およびアメニティのすべてを「一つ屋根の下」で提供しながら、エディションホテルは個々に完全にユニークでその土地その時に合わせた文化的かつ社会的背景を最高の形で反映しています。
イアン・シュレーガーとマリオット・インターナショナルのコラボレーションによって誕生したエディションは、イアン・シュレーガーが得意とするパーソナルで親密な体験と、マリオットの運営ノウハウやスケールの両面を兼ね備えています。イアン・シュレーガーがもたらす信頼性やオリジナリティとマリオット・インターナショナルのグローバル展開との出会いが、他のどのブランドとも一線を画す、真に個性的なホテルを生み出しました。
個々のホテルは、稀有な個性、真正性、オリジナリティ、そしてユニークなスピリットを持ち、その時代精神を反映しています。一つ一つの外観は異なりますが、ブランド共通の美学は、モダンライフスタイルへのアプローチとその姿勢であり、外観ではありません。エディションは、見た目ではなく、マインドセットや感じ方を大事にしています。洗練されたパブリック・スペース、仕上げ、デザイン、ディテールは、それをただ稼働しているのではなく、そのエクスペリエンスを提供しています。
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