“可能性を広げる挑戦としての旅”を支える環境づくりへ、アンケート・試泊調査から見えてきた実態
株式会社コスモスホテルマネジメントのプレスリリース
アパートメントホテル「MIMARU」を運営する株式会社コスモスホテルマネジメントは、株式会社コスモスイニシア、株式会社STYZ(インクルーシブデザインスタジオCULUMU)とともに、発達特性や感覚の違いを持つ子どもとその家族が、より安心して旅行を楽しめる社会を目指し、当事者家族へのアンケート調査およびMIMARU施設での簡易的な環境づくりの実証実験を実施しました。
発達特性とは、生まれつきの脳や感覚の働き方の違いにより、学び方や感じ方、コミュニケーションのスタイルなどに個人ごとの特性(得意さや苦手さ)が現れる状態を指します。こうした多様な特性を尊重し、一人ひとりが安心して力を発揮できる環境づくりへの関心が高まっています。
本取り組みでは、当事者家族の声や外出・宿泊時の具体的な体験をもとに、旅行時に感じやすい困りごとや家族が実践している工夫、宿泊施設に求められる環境づくりの方向性を整理しました。これらの知見は、今後のサービス・空間に活かすとともに多様な家族が安心して旅を楽しめるように、“みんなで旅する”社会づくりに貢献していきます。

本リリースのポイント
・発達特性のある子どもと家族の旅行実態を調査(インタビュー+アンケート+試泊)
・旅行は単なるレジャーではなく、「家族での挑戦」や「成功体験」として重要な価値を持つことが明らかに
・旅行時の困りごとを整理し、家族で安心して過ごすための環境づくりの方向性を検討
・事前情報の提供や、安心して過ごせる“滞在の拠点”が、家族の行動の選択肢や体験の可能性を広げることを示唆
■ 旅行は「楽しみ」であり「挑戦」でもある
発達特性のある子どもとその家族にとって、旅行は特別な意味を持ちます。事前インタビューでは、新しい場所に行くことや環境の変化に向き合うことは、子どもにとっての「挑戦」であり、それを乗り越えた経験は「成功体験」として自信につながると捉えられていることが分かりました。さらに、家族にとっても、日常とは異なる時間の中で思い出を重ねる大切な機会と考えられており、「大変でもやっぱり旅行したい」という声が多くのご家族から聞かれました。
一方で、当事者家族を対象に実施したアンケート調査では、旅行や外出時の困りごととして、「環境変化で不安定になる」「予定変更に対応できない」といったお子さんの特性に起因する課題以上に、「保護者の精神的・身体的負担」や「周囲の視線」が大きなネックとなっていることが明らかになりました。その対策として、「無理をせず短時間で切り上げる」といった工夫が取られており、せっかくのお出かけであっても行動を制限せざるを得ない切実な現状が浮き彫りとなりました。





(機縁法によるWEBアンケート、有効回答数64、2026年2~3月株式会社STYZにて実施)
■ 宿泊施設の可能性:「安心の拠点」という新たな役割
見知らぬ土地での旅行は、予測できない出来事の連続です。だからこそ、宿泊施設は単なる「寝る場所」だけではなく、外で感じた疲労や緊張を解きほぐし、安心して元の自分に戻れる“拠点”として機能することが重要であると考えられます。今回の事前調査を通じて、特性のある子どもとご家族が旅行中に直面する主な課題は、以下の5つに整理できました。

これらは一見すると個別の困りごとに見えますが、いずれも「環境との関係性」に起因しています。特定の行動や特性に合わせて環境を固定的に設計するのではなく、この5つの構造的課題に対して、自分で自分の状態を整えやすい「柔軟な空間や選択肢」を用意することが解決の糸口になると考えました。
そこで、既存の宿泊施設でも比較的簡易に導入できる施策を検討し、「MIMARU京都 河原町五条」「MIMARU京都 新町三条」にて当事者家族を招いた試泊(実証実験)を実施。主に「情報」と「空間」の2つのアプローチから検証を行いました。
1. 情報へのアプローチ:不安をワクワクに変える「事前リーフレット」
旅行中の具体的な流れや客室の様子、専用スペースなどを写真付きで紹介する「事前リーフレット」を作成し、ご旅行前にお送りしました。検証後、ご家族からは「事前の見通しが立てられたことで、不安よりもワクワクが勝った」といった声があり、視覚的な事前情報を提供し「見通し」を持てるようにすることが、お子さまの行動の安定やご家族の安心感につながることが確認されました。

2. 空間へのアプローチ:「休む場所」と「発散する場所」の選択肢
客室内には、外部からの刺激を遮断して静かに休める「ほっとコーナー(カームダウンエリア)」を設置しました。さらに、共用部には有限会社コス・インターナショナルの協力のもと、オランダ発祥の「スヌーズレン」という環境設定の考え方を取り入れ、スヌーズレン用品で五感を優しく刺激する「ひかりとふわふわのばしょ(スヌーズレンコーナー)」を設けました。
その結果、子どもが自ら過ごす場所を選び、状態を整える行動が見られ、「滞在中の安心感が高まった」「ストレスが軽減された」といった声が寄せられました。
また、事前にお子さまの特性や配慮事項が共有されていたため、ご家族からは「困ったときにスタッフに声をかけやすかった」「状況を理解してもらえている安心感があった」といった声も聞かれました。滞在中のさりげない見守りが、無理に環境に合わせることなく過ごせる安心感につながっていたと考えられます。
これらの配慮は、特性のある方に限らず、多くの宿泊者にとっても心地よさにつながる可能性があり、環境設計と人の関わりの両面から、負担を軽減し安心につながる可能性があることが示唆されました。


■ 旅の価値を広げるために
これらの課題や配慮は、決して発達特性のある方だけの特別な問題ではありません。旅先での疲労やストレスは誰にとっても起こり得るものであり、適切な情報提供や環境設計の工夫は、すべての人にとっても「心地よさ」へとつながります。
今回の調査を通じて見えてきたのは、旅行とは誰もがそれぞれの状況の中で向き合う体験であるということです。特に発達特性のある子どもとその家族にとっては、環境の変化に向き合う「挑戦」であると同時に、その一つひとつが自信や次の一歩につながる可能性を持つものでもあります。だからこそ、環境側が変わることで、「できない理由」を減らし、「行けるかもしれない」に変えていくことができるのではないかと考えています。

MIMARUでは、本調査で得られた知見をもとに、勉強会の実施や今後のサービス改善を検討してまいります。また、こうした取り組みを通じて、多様な家族が安心して“みんなで旅を楽しめる”環境づくりに貢献してまいります。
■ PR STORYのご紹介
本調査の詳細や当事者の声、プロジェクトの背景については、以下のPR TIMES STORYにて公開しています。
●第1回:https://prtimes.jp/story/detail/qb28Z0SK7qx
不動産事業においてインクルーシブという視点がどのように立ち上がったのか、そのきっかけとコスモスイニシアで取り組んだワークショップの様子をご紹介します。
●第2回:https://prtimes.jp/story/detail/yxJYngsD21B
当事者家族への事前調査(インタビューやアンケート)からみえてきた「旅行に対する切実な思い」や、それを踏まえてどのような企画検討を行っていったのか、MIMARU発達特性プロジェクトに込めた想いと狙いとをお伝えします。
●第3回:https://prtimes.jp/story/detail/ZxWXRzUJ4Vr
特性のある子どもとご家族が旅行中に直面する「5つの構造的課題」に対して、MIMARUの実際の施設でどのような環境づくりを行ったのか、その具体的な解決策と、ご参加いただいた当事者家族のリアルな声をお届けします。
株式会社コスモスホテルマネジメント
(本社:東京都港区、社長:藤岡 英樹)
株式会社コスモスホテルマネジメントは、訪日ファミリーに人気のアパートメントホテル「MIMARU」を東京・京都・大阪で展開しています。キッチン・ダイニング付きの広い客室と、多国籍スタッフのフレンドリーなサポート、さらに家族旅行を快適にするサービスを提供。“みんなで泊まる”楽しさと、家族との絆や旅先で出会う人・街とのつながりがちぢまり深まる旅をお届けします。
MIMARU公式サイト: https://mimaruhotels.com/
サステナビリティページ: https://mimaruhotels.com/sustainability/
コスモスイニシア公式サイト: https://www.cigr.co.jp/

