映画『ミルクの中のイワナ』(2024)で描かれた幻の魚「イワナ」から「ヤマメ」へ、問いを引き継ぐ本作は、森と海を繋ぐ流域を往還する “サクラマス”を通して、自然界と人間社会の関係性が明かされていく。
一般社団法人 Whole Universeのプレスリリース
一般社団法人Whole Universe (本社:東京都渋谷区)が企画・配給を手がけるドキュメンタリー映画『サクラマスのラストワルツ』(坂本麻人監督)がいよいよ10月9日(金)アップリンク吉祥寺ほか、アップリンク京都(京都府)、Cinema KOBE (兵庫県)、上田映劇(長野県)など、全国ロードショーが始まる。
日本を中心に分布するサケの仲間であるサクラマスは、ヤマメとして川に生まれ、やがて海へと旅立っていく。そして、春の到来と共にサクラマスとなって帰ってくるのだ。しかし近代化はその往還を阻んでいく。まさに全国各地の川に残されたヤマメたちこそが、連続性を絶たれてしまった流域の自然を象徴しているかもしれない。本作では、そのサクラマスたちと向き合い続けてきた研究者や、水産関係者らの証言を交えて立体的にサクラマスの行き来する流域が織りなす世界をドキュメンタリー映画として描いていく。あたかも、前作『ミルクの中のイワナ』で描かれた源流域に生息する幻の魚「イワナ」から「ヤマメ」へ問いを引き継いでいくかのように…
映画『サクラマスのラストワルツ』本予告
監督メッセージ
釣り人として魚と関わり続けるために、または人間として自然と関わり続けるために、私たちには何ができるのか。本作では、流域における環境問題を単なる告発として描くのではなく、かつての人間社会の営みが、同時に不自然な世界を生み出していった複雑な現実を見つめます。しかし自然と社会の対立を強調するのではなく、そのあいだにある揺らぐジレンマを映し出し、サクラマスとの対話の可能性を探りたい。彼らの命の旅路を通して、自然と社会の関係をもう一度問い直す場をひらくこと。それが本作の出発点です。 映画監督坂本麻人
監督プロフィール
坂本 麻人 (さかもとあさと)
大阪生まれ、東京在住。映画監督。
2024年公開のドキュメンタリー映画『ミルクの中のイワナ』を監督。これまでに、死生観をテーマとした映像作品や、民俗文化をめぐるツアー「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)」のプロデューサーとして活動。また、代表理事を務める一般社団法人Whole Universeでは、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の研究領域「人と情報のエコシステム (HITE)」のメディア戦略に携わるなど、自然科学・人文科学などの分野を横断したサイエンスコミュニケーションをテーマに活動している。
『サクラマスのラストワルツ』新着コメント
すべての生き物はたったひとつの”地球環境”において、自分に合った”環世界”の中で生きている。
それに対し、我々人間は82億人がそれぞれバラバラな”環世界”の中を生きている。
言い換えれば、人間だけが”地球環境”とかけ離れた世界で暮らしているのだ。
こう言ったら身も蓋もないが、地球から人間がひとりもいなくなれば、すべての問題が解決されるだろう。我々の二本足はこの星からひとときも離れられないのに、どうして人間は地球と共存しようとしないのだろう…
この作品はサクラマスの現状を伝えるのが目的のすべてではない。
我々がどう生きるべきかを突きつけているのだ。
────宮沢和史 (音楽家)
サクラマスの住む小さな宇宙から透けて見える、私たちの生きる世界、又はその綻び。
拭いきれない矛盾を孕み、この先の時代を私、私達はいかにしてサバイブしてゆくのか。
その道を先導するカラフルな有識者によるアカデミックかつ独創的な視点と作者が繰り出す
追憶のビートに導かれ無二の共鳴を呼ぶ物語。
これは単なるドキュメントでなく映画のオーラを纏った新たな形の“お祭り”だ。
踊れよ己。たとえそれがへんてこりんなダンスでも。
瞬きもせずに尾ひれをくねらすあの魚のように。
お前が編み出すその“舞い”が、いつの日かあの子の形見に変わるまで
────森山直太朗 (音楽家)
魚を見つめつづけ、魚への愛があふれると、思いがけず日本社会が抱える問題、人類が抱える問題までもが見えてきてしまった。サクラマスの最期の灯火は火花のように眩しく強烈でした。
────コムアイ (アーティスト)
いま、地球で起きていることは、すべて人間の都合で行なってきた
所業のしっぺ返し。どうやったって自然はコントロールできない。
そんな厳しい現実を突きつけてくれました。
────ふかわりょう (タレント)
“地球らしい生き方とは?“ “自然を守るとは?“
日頃の生活圏の中で自然がどんどん遠く切り離されて暮らしていく私たち
川全体を使ってつまり上流から下流にそして海に出て、また川に出戻り逆流し上流での産卵をし一生を終えるサクラマスを時間をかけて丁寧に追い続けたこの映画の意図をちゃんと隅々まで理解したいと何度も繰り返して私は観た。そして観る度に映像を通して自然との壮大な地球の営みと人の営みの関わりとは?いや人間としてサクラマスのような生き方とは?を自分の中かに問い始めいかに自分がミクロの世界で生きていたかを感じる事ができた。圧倒的な映像美と素晴らしい音響とともにこれはとんでもなく今の私たちに必要な作品だと思います。
────野村友里 (eatrip)
サクラマスの命の旅を追いながら、
この世界の中にある共通の”響き”を聴いているような気持ちになりました。
人間も自然そのもの。目に見えるものと形のないもの、そのあらゆるすべてが関わり合って、
今ここで呼吸をしているということ。
地球の在り方、あるがままの私らしさは、目の前に息づく生物や
その歴史と向き合う中にあるのかもしれない。簡単ではないことだけど、
あらためて私はそのことを見つめ続けようと思う。
たくさん失敗を繰り返しながら得てきた学びは失われた命への祈りとなると信じて。
────平井真美子 (音楽家)
自然は人間が生きる為に必要であるのではなく、人間は自然の一部としてただ生きていることを思い知らされる。サケが生を繋げ、死んでゆく姿から想像しなければならない。
────田附 勝 (写真家)
山深い私のふるさと信州伊那では、12月31日の「年とり」に、必ずサケを食べて正月を迎える。フォッサマグナ(割れ目)に沿って暮らす我らにとって、サケは特別な魚だったのだ。山の民は、サケやマスという海の神を招いてこの世を更新していたことを、この映画から学んだ大切なことだった。
────北村 皆雄 (ドキュメンタリー映画監督・映像民俗学)
前作「ミルクの中のイワナ」に続き、このようなすばらしい映画が誕生したことをうれしく思います。心奪われるストーリーと圧倒的な映像美に深く感動しました。本作は、サクラマス、ヤマメ、サツキマス、アマゴの生態だけでなく、これらの魚が生きる場所の周囲に暮らす人々の気持ち、釣り人の思い、そして社会的な価値までもていねいに描いています。この映画を観ることで、魚たちに関心を持ち、好きになる人がさらに増えると思います。私たちに魚たちの気持ちを代弁することなどとうていできませんが、その思いを込めて、映画を製作された方々、出演された方々に心から感謝申し上げます。
────中村 智幸 (国立研究開発法人 水産・研究開発機構 水産技術研究所)
かくも美しく、神秘的な振る舞いを見せる魚は稀である。私たちはサクラマスの生きざまを学び、諭され、そしてあらためるべきことに気づいた。 思い描いたロジックは、期待通りに機能しなかった。粛々と命をつなぐ強靭な野生には、太刀打ちできなかった。自然界に対して謙虚な姿勢を崩さず、摂理や道理に従うことに注力すること。その姿勢こそが私たちの未来を切り拓く、大きな糧になることだろう。
────佐藤 成史 (フライフィッシャー)
サクラマスを主題としているが、実は人間の映画。多様な視点を行き来するたび、人間という存在に失望するが、その失望は希望にも見える。それは、作中で語られる「川」がもたらす恵みと災いの矛盾に似ている。本来、自然には恵みも災いもない。一つである自然を好悪に分ける人間の自然観は、土着信仰や文化を育むと同時に、近代治水における人間と自然の二項対立を生む。その二重性に象徴される複雑な因果のネットワークを、俯瞰する視点は存在しない。映される人々は、どこか飄々としている。その姿は、サクラマスをはじめとする、私が北海道で出会う野生動物と重なる。
────平川 紀道 (アーティスト)
姿を消していく川の魚。激甚化する自然災害。釣りをする人もそうでない人も、近年、自然の恵みや生活の基盤が脅かされていることを感じることがあるだろう。その原因は、自然が人間に向かって牙をむいているのではなく、効率性や経済性を追求した人間活動の結果だったりする。本作とサクラマスは、そのことをわかりやすく教えてくれている。そして、コスパやタイパといった価値観が席巻する昨今において、効率性や経済性を追求することが全て正しい訳ではないという痛烈なメッセージを、訴えかけているような気がしてならない。
────芳山 拓 (水産博士)
上映館
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東京都 |
アップリンク吉祥寺 |
10月9日(金) 〜 |
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京都府 |
アップリンク京都 |
10月23日(金) 〜 |
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長野県 |
上田映劇 |
10月16日(金) 〜 |
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富山県 |
御旅屋座 |
10月23日(金) 〜 |
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兵庫県 |
Cinema KOBE |
10月24日(土) 〜 |
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岡山県 |
円結 シネまるむすび |
10月30日(金) 〜 |
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大分県 |
日田シネマテーク・リベルテ |
11月28日(土) 〜 |
映画『サクラマスのラストワルツ』作品概要
■ストーリー
私たちは、どの地球と生きるのか。
海と川を往還し、その流域で命を繋ぐサクラマス。しかし近代化の波によって、その循環は断たれてしまった。私たちは何を得て何を失ったのか、流域と社会のあり方を問いかける。
川に生まれたヤマメは海へと旅立ち、やがてサクラマスとなって再び川へ帰ってくる。その旅路が森と海をつなぎ、流域の暮らしと文化を長い時間をかけて育んできた。しかし近代社会の発展は、その往還を次第に阻んでいった。防災や発電のために建設された数万基のダムや堰堤が川と海を分断し、放棄された森林は災害のリスクを高めている。温暖化対策として進められる再生可能エネルギーの開発もまた、自然と社会のあり方そのものを揺るがしていく。経済発展の陰で失われつつある自然と文化の軌跡を、サクラマスの生き様を通して問いかけていく。
■出演者 (出演順)
長谷川 功(国研)水産研究・教育機構 水産資源研究所)
森田 健太郎(東京大学大気海洋研究所 教授)
佐藤 拓哉(京都大学生態研究センター 教授)
中村 慎吾 (札幌市豊平川さけ科学館)
坪井 潤一 (国研) 水産研究・教育機構 水産技術研究所)
滝浪 宏文 (田代諏訪神社 宮司)
大熊 孝 (新潟大学 名誉教授)
福永真弓 (東京大学 新領域創成科学研究科 教授)
中村太士 (北海道大学 名誉教授)
窪田 晃浩 (細川木材株式会社 取締役 山林部長)
卜部 浩一 (北海道立総合研究機構 さけます・内水面水産試験場)
高橋 興世 (北海道・黒松内町環境政策課)
稗田 一俊 (流域の自然を考えるネットワーク)
余語 滋 (公益財団法人 山形県水産振興協会)
有賀 望 (札幌市豊平川さけ科学館 / 札幌ワイルドサーモンプロジェクト)
島田克也 (日本環境アセスメント協会 会長)
伊関 敦 (有限会社 仁三郎 取締役)
■サクラマス・ヤマメとは
河川で一生を過ごす残留型をヤマメ (山女魚)、海へと降る降海型をサクラマス(桜鱒)と呼び、どちらも同じ種である。また河川で暮らす間は、サクラマスの幼魚もヤマメと呼ばれる。 日本では九州から北海道に広く分布、その他にも台湾からロシア極東のカムチャツカ半島などに生息している。西日本に分布する亜種のサツキマスも同様に、残留型をアマゴと呼んでいる。サツキマスやアマゴは、体側に朱点があるのに対して、サクラマス、ヤマメには、朱点がない。サクラマスは、別名として、ヤマベ、ホンマス、ママス、クチグロ、イチャニマス、エノハなどがある。 英語名は、マスサーモン、またはチェリーサーモンと呼ぶ。
■作品情報
『サクラマスのラストワルツ』
A Trout and the Last Waltz
製作年 : 2026年 | 上映時間 : 95分
言語 : 日本語 | ドキュメンタリー | DCP
劇場公開日:2026年10月9日
監督・構成・編集 : 坂本麻人
監修 : 森田健太郎
構成 : 若林輝
撮影 : 田中和也, 山口雄太郎, 澤木亮平, 奈良悠生水中撮影 : 山内創, 知来要, 草川城樹, 足立聡
音楽 : DAISUKE TANABE, YOSI HORIKAWA
キービジュアル : 永沢碧衣
イラスト : Paul Vecsei
企画・配給 : 一般社団法人Whole Universe
製作 : THE LIGHT SOURCE
配給協力 : 株式会社weroll
[協賛] パタゴニア・インターナショナル・インク, ヤマハ発動機株式会社, 株式会社ティムコ, foxfire, マドネスジャパン, 株式会社積丹スピリット, つりチケ, ジャパン・フライフィッシャーズ, 一般社団法人 FTF, 北海道・中川町包括連携協定講義会, 株式会社吉田酒造店, グッドライフアイランド株式会社(SAKATANTO), 縁日, 株式会社Campanella, オイカワ商店, Purveyors, Transit東川, 自然土木ネットワークみずもり,
[協力] 北海道黒松内町, セット株式会社(Mountain Research), River-Walk, 株式会社weroll
[宣伝協力] 株式会社モンベル
[機材協力] 株式会社シグマ , MEDIAEDGE株式会社 , Atomos
[後援] 公益財団法人 日本自然保護協会, 公益財団法人リバーフロント研究所, 公益社団法人 日本水産資源保護協会, 公益財団法人 日本釣振興会 環境委員会, 全国内水面漁業協同組合連合会, 一般社団法人 大日本水産会
公式ウェブサイト:https://trout-lastwaltz.com
Instagram:https://www.instagram.com/a_trout_in_the_film
X : https://x.com/trout_inthefilm
※本作品に関連した素材をご使用の際は以下のコピーライトの表記をお願いいたします。
©️2026 Whole Universe Association
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foxfire (株式会社ティムコ) 特設サイトにて2026年7月1日(水)より先行予約受付開始。
特設サイト:https://www.tiemco.co.jp/Page/Feature/trout-inthemilk.aspx
一般販売:2026年8月5日(水)より、foxfire直営店ほか、各販売チャネルにて発売予定。