フリーライドスキー・スノーボードが2030年冬季オリンピック・フランスアルプス2030の正式種目に決定

フリーライドスキー・スノーボードはついに、カルチャーシーンからオリンピックスポーツへ昇華。オリンピアン・メダリストで現役フリーライダーの小野塚彩那さんからコメント。

FWT運営事務局(株式会社アースホッパー内)のプレスリリース

FWT運営事務局(株式会社アースホッパー内、本社:東京都台東区、代表:井上慶)は、国際オリンピック委員会(IOC)が2026年7月7日(スイス現地時間)に「フリーライド」を2030年冬季オリンピック(フランスアルプス2030)の正式種目として採用したことを共有いたします。FWT運営事務局は今後も一層、フリーライドの大会運営と競技振興に取り組んでまいります。

Freeride World Tour 発表

https://www.freerideworldtour.com/olympic-integration/

IOC発表

https://www.olympics.com/ioc/news/alpes-2030-to-be-first-gender-equal-olympic-winter-games-freeride-ski-and-snowboard-and-synchro9-figure-skating-athletes-to-debut

FRENCH ALPS 2030 Olympic Integration

フリーライドとは

フリーライドスキー・スノーボードとは、自然のままの雪山を滑るスタイルを競うウィンタースポーツです。決まっているのはスタートとゴールだけで、ライダーは地形と雪質を読み、頭に描いたラインにDrop Inします。その滑りは「LINE DIFFICULTY」「CONTROL」「FLUIDITY」「AIR & STYLE」「TECHNIQUE」の5つのジャッジ基準で採点されます。

出典:2026 TOYO TIRES FWT HAKUBA QUALIFIER 4*
出典:2026 TOYO TIRES FWT HAKUBA QUALIFIER 4*

フリーライドは約100年前にモンブランやシャモニー等のヨーロッパアルプスで始まり、剥き出しの雪山に挑む姿が映像技術の進展とともに世界に伝播したことで、若者世代が熱狂するエクストリームスキーのカルチャーシーンを形成してきました。2030年冬季オリンピックの正式種目への採用は、そのカルチャーシーンがオリンピックスポーツへ昇華したことを意味します。後述する「FWT」の2022年のFIS(国際スキー連盟)への合併、そして2024年のフリーライドのFIS種目化、2026年のフリーライド世界選手権の初開催というマイルストーンを経て、ようやく結実した快挙です。

【動画解説:フリーライドとは】


FWTとは

Freeride World Tour(通称「FWT」)とは、FIS(国際スキー連盟)傘下で開催される唯一のフリーライド種目のワールドカップ(ツアー形式)のことを指します。FWTは1996年スイス発祥で、今年で堂々の30周年を迎え、現在では世界約130カ国で大会を開催、年間で1万名以上のライダー(フリーライド選手のこと)が参加する大会にまで成長しました。

私たちFWT運営事務局は、FWTの日本シリーズ(通称「FWT JAPAN SERIES」)を展開しています。2017年に長野県白馬村に本邦初・アジア初となるFWTを誘致してから、日本シリーズは今年で10周年を迎え、全国6大会に約400名の選手(延べ人数)が参戦する規模にまで成長しています。近年はエントリー数が出場枠数を大幅に超過しているため、選手基盤はさらに大きなものになっています。

【FWT JAPAN SERIES 出場選手数は3倍に】

出典:FWT JAPAN SERIES。パートナー企業は2026シリーズ。

FWT JAPAN SERIESはフリーライドの競技振興だけではなく、出場選手の約半数が外国人選手という国際性を活かして、大会開催リゾート(Hakuba Valley、湯沢中里スノーリゾート、アライマウンテンリゾート等)の魅力の発信源としての役割も担っています。スポーツ庁や観光庁が推進しているような、スポーツツーリズムを通じた地域の価値向上を実践してまいります。

【FWT JAPAN SERIES の映像】

FWTとは:https://freerideworldtour.jp/about/


小野塚彩那選手からのコメント

2014年ソチオリンピックのメダリストであり、現在は日本のフリーライド界の第一人者として世界を舞台に活躍するプロスキーヤー・小野塚彩那選手より、2030年冬季オリンピックへの正式種目化決定を受けたメッセージが寄せられました。

この度、フランスアルプス2030においてフリーライドが正式種目になりました。私自身、2度のオリンピックを経験し、選手にとってオリンピックという舞台は4年に1度の大舞台であるということを身をもって経験しています。

その中で、フリーライドが正式種目に採用されたということは、人の手が加わらない大自然を相手にし、真のスキーやスノーボードの本質的な部分がオリンピックの舞台で試され、ウィンタースポーツの歴史が変わると言っても過言ではないと確信しています。オリンピアンとして、メダリストとして、そして現在フリーライドのプレイヤーとして、このリリースは非常に嬉しく思っていますし、また日本のフリーライド界のレベルも一気に加速していくことでしょう。

FWTを経験した私にとって、あの試合がオリンピック種目になったということのレベルは正直、想像がつきません。そして、今日この発表があった瞬間から全員がオリンピックを目指すスタートになります。どんな斜面で、どんな試合になるのか、どんな滑りが見られるのか、今から楽しみです。

小野塚彩那選手
小野塚選手の2026 TOYO TIRES FWT HAKUBA QUALIFIER 4*での滑走

【略歴・主な実績】

1988年生まれ、新潟県南魚沼市出身。2歳からスキーを始める。

アルペンスキー、スキー技術選を経てフリースタイルスキー・ハーフパイプに転向。2014年ソチオリンピックで銅メダルを獲得し、ワールドカップでは2シーズン連続(2015・2016年)の年間総合優勝を達成。2017年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点を極める。2018年平昌オリンピック5位入賞。同年、未知なる挑戦として「フリーライド」へ転向。日本人女性スキーヤーとして初めて、世界最高峰のツアー「Freeride World Tour(FWT)」への出場を果たす。

現在は一児の母でありながら現役のプロスキーヤーとして活動する傍ら、テレビ解説者や、気候危機から冬を守る「POW JAPAN」のアンバサダーなども務め、競技の普及、安全啓蒙、環境保全活動など多方面でウィンタースポーツ界を牽引している。


FWT運営事務局からのコメント

(事務局代表:井上慶)フリーライドがオリンピック種目となることを大変嬉しく思います。日本には世界的にも評価されている雪質と豊かな山岳環境があり、フリーライドに適したフィールドに恵まれています。今回の決定をきっかけに、より多くの若い世代がフリーライドに挑戦し、国内の競技環境や選手育成がさらに発展していくことを期待しています。世界で活躍する日本人選手やオリンピアンが生まれることを願っています。

日本国内での競技フリーライドは、2017年に白馬で1回目の大会を実施してから約10年にわたり発展してまいりました。その間、ジャッジ、ガイド、スキー場、パトロール、スポンサー、そして出場して頂いた選手の皆様といった様々なステークホルダーの支えにより、ここまで継続する事ができました。これらの関係者の皆様にこの場を借りて御礼を申し上げるとともに、引き続きサポート頂けるようよろしくお願い申し上げます。

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フリーライドとサステナビリティ

フリーライドスキー・スノーボードは、規格化された会場で競う従来のスポーツとは一線を画します。舞台は、刻一刻と変化する「剥き出しの自然」そのものであり、このスポーツの本質は、現代社会が求めるサステナビリティと深く共鳴すると考えています。

1. 自然との調和と適応

選手は予測不能な自然環境やリスクを排除するのではなく、それらをすべて受け入れた上で最善のラインを描き出します。雪質や風向といった環境の変化と同調しながら進む姿は、激変する現代において柔軟に適応し、持続可能な成長を目指すレジリエンスと、自然との真の共生を象徴しています。

2. リスクマネジメント

一見、危険で破天荒に見えるフリーライドですが、その裏には雪崩管理や装備、気象分析といった徹底したリスクマネジメントが存在します。緻密な安全管理があってこそ、初めて自由に滑る(=フリーライド)ことができるという精神は、持続可能な社会における個人や企業のあり方と強く共鳴します。

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