【開催レポート】【北海道八雲町】熊から受け取ってきた町で、熊と生きる社会を再設計するリジェネラティブツアーを開催しました

全国各地から参加者が集い、2026年2月に続き、2度目の開催。

birch株式会社のプレスリリース

birch株式会社(本社:北海道二海郡八雲町上八雲296-1 代表取締役:赤井義大)は、2026年6月20日~21日に「ヒグマからの恩恵を受け取ってきた町で、熊と生きる社会を再設計するリジェネラティブツアー」を開催しました。

今回は札幌で開催されたカンファレンスイベント「道雪会議」のフィールドワークとして開催し、2026年2月に続き、2回目のツアー実施となりました。

上記イベントのテーマは「共異体」~「混ざり合う」のではなく、「境界線」で手をつなぐ。

まさにこのテーマを体現するツアーとして、東京、長野、鹿児島、沖縄そして北海道内から参加者が集まり、八雲町の象徴である「熊」を軸に、人間と自然の境界線を問い直したツアーのレポートをお届けします。

全国各地から集まった参加者と八雲町で暮らす人が交わる

1. 「過去」を見つめる:八雲町に息づく開拓の歴史とアイヌ文化

八雲町郷土資料館の学芸員による講義や解説を受けて、参加者は縄文土器に刻まれた熊の意匠や、アイヌ文化における「キムンカムイ(山の神)」の精神性を学びました。

特に強調して語られたのが、八雲町発祥の伝統工芸として知られる「木彫り熊」のルーツです。かつての領主・徳川義親がアイヌとともにクマ狩りに奔走した背景や、なぜスイスから木彫り熊を持ち込み農民に制作を奨励したのか。そこには「排除」だけではない、厳しい開拓期を生き抜くために模索した「共生」の形がありました。

郷土資料館で八雲町に息づく歴史を感じる

2. 「現在」を見つめる:五感で感じる彼らの痕跡

資料館を後にして、一行は野生動物の痕跡を探しに、ハンターと自然ガイドと共に山へ。

人が暮らす集落から車を走らせること約15分。あたりには深い森が広がっていました。

ハンターに同行いただきながら、鈴や熊スプレーの携行など安全対策をしながら山へ入ります。

森に入る前の道路に熊の糞が。時間が経っており、近くに熊はいないようでしたが、車通りもある道路に熊が出てきているという現実を目にしました。

車通りもある道路に熊の糞が
熊の糞。どんなものを食べているのかがわかる
熊の足跡も発見

ガイドに八雲町の自然の特徴や野生動物の生態、植物の植生などを解説いただきながら、森を進んでいくと、なんとガイドが遠くに熊の姿を発見。熊はこちらに気づき、すぐ立ち去ってしまったのですが、ガイドだけはその姿を写真に捉えていました。

遠くに熊の姿を捉えた

森を歩く中で感じたのは人と熊の境界線がこんなにも近いのだというリアル。
酪農や畑作も盛んな八雲町においては、熊をはじめとした野生動物をいかに人里に寄せ付けないかが重要であると身をもって感じた時間であった。

3. 「未来」を見つめる:これからも私たちは共生の在り方を探索し続ける

宿泊施設に移動し、熊と人間の共生を考えるワークショップを実施。

日頃から熊と向き合い続ける猟師、ガイドに加えて各地から集まった観光関連事業者などが集い、セッションを行いました。

ワークショップの様子

なぜ今、八雲町だけでなく全国各地でこれほど熊の出没が増えているのか?

対策としての「駆除」の是非、農業被害、そして生態系の維持。それぞれの立場から語られるリアルな葛藤に、参加者からも鋭い質問が飛び交いました。

「共生」という美辞麗句では片付けられない、痛みや責任を伴う「再設計(リジェネラティブ)」。

簡単に答えが出ない問題だからこそ対話が重要だということを改めて認識しました。

夜はハンター特製のジビエ料理に舌鼓。
命をいただくという有難みや資源の活用方法を学ぶ機会にもなりました。

鹿肉の炭火焼
熊肉や鹿肉の煮込み料理

地域内外の人たちが同じ時間を過ごし、感じた思いを交し合う。
あっという間に夜は更けていきました。

滞在の舞台:対話が生まれる「ペコレラ学舎」

今回の拠点となった廃校リノベーション施設「ペコレラ学舎」は、夜遅くまで対話の場となりました。

かつて多様な生徒が過ごした学び舎で地域や立場を超えて「命」について語り合う時間は、まさにリジェネラティブツアーの理想形。

参加者たちは、Wi-Fi完備の快適な環境で日常の仕事に向き合いながらも、一歩外に出れば野生と隣り合わせの思考に没入する。この「コントラスト」こそが、私たちのツアーで体感できる価値であることを再確認しました。

ぺコレラ学舎外観

あとがき

前回は冬開催でしたが、今回は初夏の開催ということで、山の植生や動物たちの痕跡も全く異なっており、全国各地から参加者が集まったこともあって、また新たな視点で共生について考えることができました。

参加者からは「人とヒグマとの関係性から人間同士の関係を見つめ直す機会になった」「ヒグマをただ怖い存在として捉えるのではなく、地域の自然や人の暮らしとつながる存在として考えられるようになった」という感想をいただきました。
「人」と「ヒグマ」の共生はあくまでテーマの1つなので、参加者それぞれが身近なものとの「共生」について考えるきっかけとなっていたら大変嬉しいです。
これからも私たちは共生社会の在り方を問い続けます。

本事業について

本事業は北海道観光機構の伴走支援型観光地域力強化推進事業を活用して実施しております。そして令和7年度に北海道で採択された47団体の中の地域単独部門で最優秀賞を受賞しました。参加者そしてツアー運営に関わる皆様で作り上げたコンテンツを評価いただいたと思っています。
今後ますます発展していけるよう事業を作り上げてまいります。

今後の展開について

次回は2026年11月頃にツアーを開催予定です。

また、本ツアーの専用サイトを立ち上げました。今後はこちらでも継続的に情報を発信していく予定ですので、ぜひご覧ください。

お問い合わせ

birch株式会社/一般社団法人DSH(Discover Southern Hokkaido)

担当:藤谷(ふじや)

MAIL:info@birch-hokkaido.com

Instagram:https://www.instagram.com/discover.southern.hokkaido/

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