Rhizomatiks個展「After Understanding」をKOTARO NUKAGA(天王洲)で開催

2026年9月12日(土)– 10月17日(土)

株式会社ぬかがのプレスリリース

KOTARO NUKAGA(天王洲)は、2026年9月12日(土)– 10月17日(土)、Rhizomatiks(ライゾマティクス)による個展「After Understanding」を開催します。

本展の中心となるのは、回転するステンレスの円盤に、ダイヤモンドの針で一筆書きの線を刻み続けるプロッターです。線は途切れることがなく、一度入った溝は、消すことも塗り直すこともできません。

会場では、稼働するプロッターの実機と、刻み終えた金属作品を同時に展示します。プロッターは会期を通じて線を刻み続けるため、来場のたびに円盤の状態は変わります

RhizomatiksによるKOTARO NUKAGAでの個展は、天王洲の新スペースのオープニングを飾った「Rhizomatiks Beyond Perception」(2024年)以来、2年ぶり2度目となります。

開催概要

Rhizomatiks「After Understanding」

会期: 2026年9月12日(土)– 10月17日(土)

 

開廊時間: 11:30 – 18:00(火 – 土) 

※日月祝休廊(9月13日(日)は開廊)

会場: KOTARO NUKAGA(天王洲)

   〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 1F

オープニングレセプション: 2026年9月12日(土) 16:00 – 18:00

展覧会の見どころ

(1)理解の外側で、知識が動き始める

参考画像:「After Understandig」八機械時間、720 mの試作 (提供;Rhizomatiks)

知識は、長いあいだ、人間に理解され、説明され、共有されることによって知識になってきました。しかしいま、その順序が揺らぎ始めています。理解されるより先に生まれ、確かめられ、次の出来事を動かしていくものが現れています。

ここで変わるのは、知識の量や速度だけではありません。「わかること」が、知識の成立条件ではなくなることです。確かであることと、理解していることが分かれ、その意味や成り立ちを誰も全体として見渡せないまま、ひとつの結果が次の結果を生み出していきます。

人間がその循環から消えるわけではありません。しかし、立つ位置は変わります。生み出す中心から、意味を与え、価値を選び、結果への責任を引き受ける場所へ。理解は知識の入口ではなく、出来事の後から追いつこうとする行為になるかもしれません。

本展は、この時間差をひとつの運動として提示します。目の前で何かが生まれ続けている。その規則を知り、結果を見ることはできても、起きたことの全体を読み戻すことはできない。理解の外側で進み続けるものと向き合うとき、人間は何を見て、何を信じ、何を引き受けるのでしょうか。

(2)「人間に残る知性とは何か」を問う

参考画像:「After Understanding」八十機械時間、720 mの試作(提供;Rhizomatiks)

会場では極座標型のプロッターが稼働し、回転するステンレスの円盤をダイヤモンドの針で削り続けます。一度入った溝は塗りつぶすことも消すこともできず、機械が進んだ跡は、そのまま消えない傷として残ります。

機械は、自らが刻んだ跡を読み取ります。これから進む先の金属がどれだけ刻まれているかを予測し、実際に測り、予測が外れた分だけ曲がります。外れなければ、まっすぐ進みます。

この規則には、目標も報酬も与えられていません。良し悪しの基準もなく、乱数も使われていないため、同じ命令からは何度でも同じ線が出ます。線を曲げる原因になり得るものは、予測の誤差以外にありません。円盤の溝は、機械の意図を映したものではなく、機械が間違えた場所だけを記録した地図です。

ここで起きているのは、機械が人間より速いという事態ではありません。読み解くための手がかりが、はじめから無いのです。規則は全文が公開されていて、誰にでも検証できます。それでも、どの線が先に刻まれたのかは、金属の表面に残っていません。

真鍋は本作に至る実験で、線の込み入り具合と、機械が一枚ごとにつけた点数との相関を測っています。結果はほぼゼロでした。込み入った線のほうが手が込んでいるはずだ、という私たちの直感は、この作品では通用しません。

同じ実験では、見た目が完全に同一な2枚も現れました。機械は、その2枚に別の点数をつけています。差はいつ刻まれたかだけで、それは金属の表面には現れません。

読み解こうとして読み解けない。本展は、来場者が「人間に残る知性とは何か」を自身の目で測り直す場になります。

(3)画面の中のAIから、金属を削る身体を持つ機械へ

参考イメージ:「After Understanding」八機械時間、720 mの試作で見えた曲線の5つのパターン (提供;Rhizomatiks)

前回展「Rhizomatiks Beyond Perception」では、「AIと生成芸術」をテーマに、Rhizomatiksが自ら制作し著作権を保有する映像から切り出した約17万枚の画像だけを学習データとして、《Beyond Perception Model》をゼロから開発しました。既存の基盤モデルに依存せず、自分たちの表現を学ぶモデルそのものを作品として提示する試みでした。

その発展形である「recursive」では、《Beyond Perception Model》が生成した画像を大型LEDに表示し、その画面をカメラで撮影して、再びモデルの学習へ戻しました。自己の出力だけを循環させるのではなく、カメラに映り込む来場者や周囲の環境も学習過程に介入します。AIが自己を見ながら変化し続ける再帰的な創作プロセスを、展示空間に開いた作品です。

参考図版:Rhizomatiks 「recursive」(2024)

本展「After Understanding」では、回転する円盤と、その中心を通る直動レールでできた極座標プロッターが、外部の情報を取り込まず、自分が刻んだ傷だけを読みます。それは同じ動きに落ち着かず、この機械が身体をもち、会期中、金属を削り続けていくのです。

Rhizomatiks

2006年設立。東京を拠点に活動。アーティスト、クリエイティブディレクター、作曲家として個人でも活動する真鍋大度と、エンジニアの石橋素が主宰するクリエイティブ・プラクティス。音、映像、空間、システムを横断し、人間と非人間、現実と生成、制御と偶然のあいだに生まれる知覚や経験を探求する。アートやインスタレーションの制作、新しい表現技法やメディアの研究開発、社会、文化、テクノロジーを横断するプロジェクトを展開。これまでに、東京都現代美術館(東京 / 日本)、 金沢21世紀美術館(石川 / 日本)、NTTインターコミュニケーション・センター(東京 / 日本)、 余杭美術館(杭州 / 中国)で展覧会を開催。また、作品は金沢21世紀美術館に収蔵されている。

https://rhizomatiks.com/ 

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