北斎館プロデュースギャラリー「ガラリShowcase」では、2026年9月4日(金)から10月20日(火)まで、鋳金作家 河﨑海斗の個展「うつろい、留める」を開催いたします。
一般財団法人北斎館のプレスリリース
北斎館プロデュースギャラリー「ガラリShowcase」では、2026年9月4日(金)から10月20日(火)まで、鋳金作家 河﨑海斗の個展「うつろい、留める」を開催いたします。 本展のために河﨑が新たに制作したのは、小布施で古くから育てられてきた菊「巴錦(ともえにしき)」です。 北斎館が所蔵する葛飾北斎の肉筆画《菊図》に描かれた菊で、河﨑は金属を溶かして型に流し込む鋳金の技法でこの花をかたちにしました。
<個展概要>
◼︎タイトル:河﨑海斗個展 うつろい、留める
◼︎期間 :2026年9月4日(金)〜10月20日(火)
◼︎場所 :ガラリShowcase(北斎館隣カフェ&ギャラリー)
◼︎住所 :長野県上高井郡小布施町小布施485 ガラリ2階
◼︎入場料 :無料
◼︎営業時間:10:00〜16:00
◼︎定休日 :水曜
◼︎主催 :一般財団法人北斎館ガラリShowcase
本展の見どころ
■ 新作「画狂ノ菊」
本展の中心となるのは、巴錦をかたどった新作です。 巴錦は花びらの内側が深紅、外側が黄金色をした古典菊で、小布施では江戸時代から育てられてきました。 参勤交代の途中でこの花を見初めた加賀藩の殿様が名付けたと伝えられ、この地域では殿様菊とも呼ばれます。 北斎館が所蔵する晩年の肉筆画《菊図》の中央に描かれた菊も、この巴錦だと考えられています。 裏と表で色が分かれるこの花弁を、河﨑は絵具を使わず、金属の比率や化学反応を駆使した技法で色を引き出しています。
■ 緋銅という技法
河﨑が大学院で研究してきたのは緋銅(ひどう)です。 純度の高い銅を溶ける寸前まで熱し、急冷する。 すると表面の酸化膜が赤く発色します。 塗料を使わずに金属から赤を出す、江戸時代に生まれた技法です。
鋳造でこの赤を得ることは難しく、鋳込みの温度が数十度ずれれば、赤にならず黒く沈みます。 河﨑は鋳込みの温度を1040度に保ち、この赤を出しています。
河﨑海斗 コメント
「画狂ノ菊」では、金属という素材そのものが生み出す色彩と、北斎が描いた菊の表現をもとに、一輪の菊という植物をかたちにしました。自然が生み出す造形や色彩と、人の手によって生み出される金属の色や質感。それぞれが持つ美しさをどのように一つの作品の中で共存させられるかを模索しながら制作しました。北斎の描いた自然を自分なりの素材と技法で捉え直した作品として、ご覧いただけましたら幸いです。
■作家プロフィール
鋳金作家 河﨑海斗(かわさき かいと)
2000年、広島県呉市生まれ。 2024年に東京藝術大学美術学部工芸科鋳金専攻を卒業、2026年に同大学院美術研究科工芸専攻鋳金研究分野の修士課程を修了。 現在は東京を拠点に制作している。 金魚や蛙といった身近な生き物を鋳金でかたちにし、樹脂のなかに配置する作品で知られる。 江戸時代の技法である緋銅を研究し、塗装によらない金属そのものの色を追求している。
2021年 大和ミュージアム クラウドファンディング返礼品デザインコンペ 最優秀賞
2022年 東京藝術大学奨学金制度 安宅賞
2024年 第18回 藝大アートプラザ・アートアワード 審査員特別賞(黒頂天眼)
2024年 平成芸術賞(卒業作品「金魚」)
2025年 第19回 藝大アートプラザ・アートアワード 小学館賞(朱色和金)
2026年 サロン・ド・プランタン賞(修了作品「錦鯉」)
2026年 第20回 藝大アートプラザ・アートアワード 入選(紅葉)
【ガラリShowcaseについて】
晩年の葛飾北斎ゆかりの地として有名な小布施町。 北斎作品や文化の保存を行う北斎館では、葛飾北斎という”過去”の芸術家に焦点を当てて展示を行ってきましたが、「ガラリShowcase」では”現代”に焦点を当て、地元作家や小布施にゆかりのある作品を展示、販売する「小布施×現代の匠」、また北斎の作品をアレンジした作品を展示、販売する「北斎×現代の匠」の2つのテーマで発信を行っています。
これからも北斎の時代(江戸時代)から小布施に息づく”創造性や芸術性”を、この町に訪れる多くの観光客の皆様や地域の皆様に、発信、提供しつづけます。