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前代未聞の演劇体験が大盛況で幕! 緻密な構成からなるカタリーナ・デラルテ最新作 『ある会議:告発篇』完全レポート | トラベルスポット

前代未聞の演劇体験が大盛況で幕! 緻密な構成からなるカタリーナ・デラルテ最新作 『ある会議:告発篇』完全レポート

カタリーナ・デラルテのプレスリリース

イマーシブ『内部調査篇』に続く完結編で描かれた”答え”とは?

第一部『内部調査篇』(9月公演)では、とある企業のコンプライアンス室に持ち込まれたハラスメント疑惑を主人公・広輔(吉原純平)が行う極秘の調査の様子が描かれた。
訴え主である桃子と加害者とされる上司・古賀に対して、その同僚たちが行う曖昧な証言や飛び交う信ぴょう性のない情報、組織の忖度や権力勾配などの背景が明らかになっていく一方、ハラスメントの真偽はいっそう不明となり「藪の中」状態で幕切れを迎えていた。

第二部『告発篇』では、ついにその真相に迫る。ハラスメントがあったとされるあの夜、一体何が起こっていたのか。加害者は誰で、被害者は誰なのか。

ジェンダーやマイクロアグレッションなど現代の問題をテーマとして取り上げるカタリーナ・デラルテ

舞台芸術プロジェクト「カタリーナ・デラルテ」の最新作『ある会議ーThe Unseen Agendasー』(東京舞台芸術祭2026 Open Call Programs参加作品)の本公演『告発篇』が、10月3・4日に神楽坂セッションハウスで上演された。

レポート1:会議を重ねるなかで見えてくる「ハラスメント」の実態

「告発篇」の舞台はコンプライアンス室の会議。担当の広輔を中心に、桃子(坂井美乃里)が訴える上司・古賀(中河内雅貴)からのセクシュアルハラスメントが真実なのかどうかの議論を中心に展開していく。広輔が権力に取り込まれそうになりがならも、同僚の助けによってたどり着いたのは「両者の認識の相違」。信頼し合う二人だったが、決定的に重ならない部分があり、それが悲劇に繋がっていったことが描かれた。悪意や加害の意識が全くないところでも「ハラスメント」は生まれてしまう、その実態を見せた。
描かれたのは、それだけではない。桃子との間では加害者とされる古賀だが、そんな彼もまた、上からの重圧を抱えていた。ある種、被害者の側面もあったのだ。実社会でも問題視されている“組織としての責任”を改めて提起した形である。

会議を中心にストーリーが展開する

レポート2:どこかで起きている“他人事”で終わらせない仕掛け

印象的だったのが、ハラスメント被害に苦しむなか、組織や仲間の言動がさらなる追い打ちをかけ、桃子の心が失われていくシーンだ。第三者が軽い気持ちで発した何気ない言葉や決めつけが当事者を苦しめ追い詰めるということを、まざまざと感じさせられる演出法であった。事例は違えど、どこか心当たりを感じた人もいるかもしれない。物語上の展開でありながら客席(世間)に訴えかける構成は、「ハラスメント」を“自分事”として考えさせる仕掛けとして受け取れた。

坂井美乃里と中河内雅貴(特別ゲスト)の緊迫感あるダンスシーン

レポート3:見せ場の応酬!ふんだんに盛り込まれたダンス表現

全編を通して随所に登場するのが、光や音と融合させた“ダンス表現”。本プロジェクト“カタリーナ・デラルテ”が最も得意とする演出であり、状況や感情を、言葉ではなく身体の動きだけで説明していく。特に興味深かったのは、桃子と古賀の証言までもが、ダンスで表現されるところだ。2人の証言の食い違いは、その表現だけで十分説明がつく。細かな解釈は観客それぞれに託される形だが、表現の意図を読み取ろうと必死になるほど、自分の中でいろいろな考えが巡る感覚が新鮮だった。

また、今作にはバレエシャンブルウエストのバレエマスター・江本拓が特別ゲストとして参戦。第一部から続投する中河内雅貴のダイナミックな動きと、江本の指先まで意識されたしなやかな動きの組み合わせは、当然ながら目を見張る。そんな2人と息を合わせる鍛え抜かれたキャスト陣の身体の使い方、表現力は「さすが」の一言だった。

元新国立バレエ団ソリストの江本拓とミュージカルで活躍する中河内雅貴がダンスで応酬

レポート4:社会的テーマと向き合う骨太な心理サスペンス/舞台と実社会に境界線なし、構成の巧みさが光る

驚かされたのは、第一部『内部調査篇』との連動だ。第一部(株式会社ジンズの実際のオフィスで上演)でなされた会話が、今度は舞台上で新たな真実とともに再生されていく。物語終盤、告発を決めた広輔がまとめたインタビュー映像が舞台上に流れる演出も面白い。実はこれは、第一部のエンディング後に広輔が“特任調査員”から集めた証言VTRであり、“特任調査員”とは、第一部の観客なのだ。物語を自分事として捉えた観客(実社会)の声を重要なヒアリング記録として作品に盛り込み、結末へと向かっていくドキュメンタリックな手法によって、フィクションのはずが実際に起こった出来事が舞台化されているかのような、不思議な感覚になる斬新な構成であった。

ダンスと芝居、映像が融合する独自の手法

ハラスメントといった社会問題に深く切り込んだ本作。主宰者・高成麻畝子氏が観客に向けた言葉に「それぞれに持ち帰る思いや答えはきっと違うもの。それこそが真実なのだ」とある。つまり、正解はない。観た人、聞いた人が自分自身と向き合うきっかけになることを作り手たちは望んでいる。

2027年5月、赤坂を舞台にした新作上演決定&キャストオーディション開催

社会派エンターテインメントとして新たな演劇体験を提示したカタリーナ・デラルテ。その勢いは止まることなく、早くも次回作が発表された。
2027年5月、赤坂を舞台に描かれる新作『レッド・クロニクル1968(仮)』を上演予定。さらに、本作のクリエイションに参加する出演者オーディションの開催も決定。
ダンス、演劇、あらゆる身体表現で新たな物語を共に紡ぎ出す、意欲ある表現者との出会いを求めている。オーディションの応募要項やスケジュールなどの詳細は、公式SNSおよび公式サイトにて発表される予定だ。
今後のカタリーナ・デラルテの動向から、ますます目が離せない。

カタリーナ・デラルテ公式サイト

公式ウェブサイト:https://catalina-dellarte.com/
公式Instagram:@CATALINADELLARTE
公式X:@CAT_DELLARTE
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@catalina_dellarte?_r=1&_t=ZS-98cqOCWVOLJ
公式YouTube:https://youtube.com/channel/UClHZ4l1NoJNz2ozgJuI_rHw?si=fHu6lqcMJqkwzT7l

【カタリーナ・デラルテとは】

演出家・高成麻畝子が主宰する舞台芸術プロジェクト。演劇、ダンス、映像を横断する独自の表現で、観客とつながる形を模索している。作品ごとに第一線の俳優、ダンサー、アーティストを迎える流動的な体制。年齢も人生経験もバラバラな「揃わない」身体が集結し、異色の組み合わせから唯一無二の物語を編み出す。

『ある会議:告発篇』

上演:2026年10月3・4日
場所:神楽坂セッションハウス(Dzone)
作・演出:高成 麻畝子
出演:吉原 純平 坂井 美乃里 宮下 誠 あきたけだ 大須賀彩花 メガマスミ(劇団鹿殺し) 三日 びっけ ほか
特別ゲスト:中河内 雅貴 江本拓(バレエシャンブルウエスト)
振付・演出助手:樋笠 理子
美術・公式サイト:川俣 眞佐子
映像:工藤 史皓
宣伝デザイン:古田 亘
主催・制作:カタリーナ・デラルテ
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