公益社団法人日本山岳会のプレスリリース
秩父宮記念山岳賞受賞・猪熊隆之氏の記念講演と、登山道の再生・復旧・創造に取り組む実践者たちの報告
公益社団法人日本山岳会(会長:橋本しをり)は、2026年12月5日(土)、京王プラザホテルにて、年次晩餐会記念講演会を開催します。
本講演会では、当会が令和8年の「秩父宮記念山岳賞」を授賞した山岳気象予報士・猪熊隆之氏による記念講演のほか、「山を知る」「山を守る」「山を支える」をテーマに、自然を見つめる活動や、登山道の維持・再生・復旧・創造に取り組む実践者たちが、それぞれの現場から報告します。
登山道は、山と人をつなぐ大切な道です。しかし、その維持や再生には、地域の歴史や自然への理解、継続的な整備活動、そして多くの人々の協力が欠かせません。
今回の講演会では、古道の再生から災害で失われた登山道の復旧、新たなロングトレイルの創造まで、多様な取り組みを紹介します。現場で活動する人々の実践を通して、これからの山と登山道のあり方を考えます。
■ 第1部 秩父宮記念山岳賞記念講演
講演者:猪熊隆之氏(山岳気象予報士)
日本初の山岳専門気象会社「株式会社ヤマテン」の創業者である猪熊隆之氏は、全国の山岳気象予報を提供するとともに、ヒマラヤをはじめとする海外の高峰に挑む登山隊や撮影隊への気象情報の提供、講習会、専門書の執筆、後進の指導など、多方面から登山の安全確保と啓発に取り組んできました。
長年にわたるこうした活動と成果が評価され、令和8年の秩父宮記念山岳賞の授賞が決定しました。本講演では、山岳気象の専門家としての知見と、登山の安全を支える取り組みについてお話しいただきます。


■ 第2部 山を知る・山を守る・山を支える
《山を知る》山のいきものを見つめる
前田篤史氏(上高地ビジターセンター)
山の自然を形づくるいきものたち。その存在に目を向け、自然を知ることから、山とのよりよい関わり方を考えます。
《山を守る》登山道をテーマにした4つの実践報告
1.山の道を持続する――国東半島の古道をよみがえらせる
講演者:山岡研一氏(国東半島峯道ロングトレイル)
山岳信仰の歴史を伝える国東半島の古道。地域に受け継がれてきた道を掘り起こし、よみがえらせ、次の世代へとつないでいく。歴史や文化、信仰と深く結びついた道を持続させるための取り組みを紹介します。
2.山の道を整備する――岩魚留小屋の再生から、道の再開へ
講演者:塩湯涼氏(岩魚留小屋再生プロジェクト代表)
山小屋を再生するだけではなく、徳本峠へと通じる道を再び歩けるようにする。岩魚留小屋再生プロジェクトでは、若い世代の力を結集し、山小屋と登山道の再生に挑んでいます。建物の再生にとどまらない、山の道を未来へつなぐ活動を紹介します。
3.山の道を復旧する――災害に立ち向かう千葉の登山道
講演者:三田博氏(日本山岳会千葉支部長)
2019年の台風19号などの災害で大きな被害を受けた登山道。千葉県では、県内の山岳団体が力を合わせ、登山道の修復に取り組んできました。しかし、その後も豪雨などによる被害が発生しています。
少人数であっても、山の道を取り戻すために活動を続ける人々がいます。繰り返される自然災害と向き合いながら、地域の登山道を守り続ける現場の姿を報告します。
4.山の道を創造する――サポーター約1,000人と歩み始めた常陸国トレイル
講演者:和田幾久郎氏(日本山岳会茨城支部長/常陸国ロングトレイル)
2026年に開通した常陸国ロングトレイル。新たな道をつくるだけでなく、その道を地域の財産として育て、継続的に支えていく仕組みづくりも重要です。約1,000人のサポーターに支えられるトレイルの取り組みから、地域とともに歩む新しい道づくりの可能性を探ります。
《山を支える》パネルディスカッション
ファシリテーター:久保田賢次氏
登壇者:山岡研一氏、塩湯涼氏、三田博氏、和田幾久郎氏
4つの実践報告を踏まえ、登山道を持続させるために必要な人材、資金、地域との連携、次世代への継承などについて議論します。異なる地域・背景で活動する実践者たちが、それぞれの経験を持ち寄り、これからの登山道を支えるための課題と可能性を考えます。

■ 開催概要
日時: 2026年12月5日(土)13:00~
(受付開始12:00)
会場: 京王プラザホテル 本館4階 花AB(東京都新宿区)
総合司会: 柏澄子
主催: 公益社団法人日本山岳会
参加費:1,000円(当日、会場受付でお支払いください。現金のみです)
申込:https://forms.gle/hT4Raqhz5uDBdJT97
年次晩餐会については:https://jac1.or.jp/event-list/event-guide/2026092443795.html

