ポーラ美術館のプレスリリース
作家を迎えたトークセッションや、公開制作、ダンスパフォーマンスなどを通じて、まさに今を生きる作家たちが追究する革新的で多彩な表現に触れることで、現代の日本画の新たな展開を間近に感じることができる貴重な機会です。
<イベントスケジュール>
7月16日(日) マコトフジムラによるアーティストトーク
7月22日(土)、23日(日) 山本基(もとい)による公開制作
10月8日(日) 吉澤舞子によるボディペイント&ダンスパフォーマンス
10月28日(土) 三瀬夏之介によるアーティストトーク
<各イベント概要>
■マコトフジムラによるアーティストトーク/7月16日(日)13時30分~14時30分
Walking on Water-Glacier, © 2021 Makoto Fujimura Pulverized Azurite and Malachite on Polished Canvas, 84″x144″
アメリカ・ニューヨークを拠点に活躍するマコトフジムラを迎え、近代以降の「日本画」の展開を踏まえながら海外での「ジャパニーズ・ペインティング」の現在地を探るとともに、アメリカと日本、二つのバックグラウンドをもつ作家の制作背景や今後の展望についてお話しいただきます。
マコトフジムラ:
Photo: Windrider Productions
1986-1992年、文部省奨学金留学生として東京藝術大学および同大学大学院に在籍。稗田一穂、加山又造らに日本画を学ぶ。日本画、現代美術といったカテゴリーに留まらない芸術をめざす。国際的な実績と同時多発テロ事件の影響を受けた作家たちを支える活動(トライベッカ・テンポラリー)により、2003-2009年、米ホワイトハウス文化担当顧問に任命される。ニューヨークを拠点として多岐にわたる活動を行っている。
イベント詳細はこちら https://www.polamuseum.or.jp/event/2023071601/
■山本基による公開制作/7月22日(土)、23日(日)
山本基 《たゆたう庭》(制作風景) 2013年 エルンスト・バルラッハ・ハウス(ハンブルグ) photo: Andreas Weiss
塩を用いたインスタレーションを制作し、国際的に活躍する作家・山本基による新作の滞在制作の様子を、7月22日(土)、23日(日)の2日間にわたり公開します。
期間中にご来館の方は、屏風をはじめとした山本の近作とともに、実際の制作風景をご覧いただけます。
山本基:
金沢美術工芸大学卒業。早世した妹や妻への追想、離別、記憶の忘却への応答として、浄化や清めを喚起する塩を用いて、床に模様を描くインスタレーションを制作。展覧会最終日には、作品で使用した塩を鑑賞者とともに集め、それを海に還すというパフォーマンスを行っている。アクリル絵具や岩絵具を用いて緻密に描かれた平面作品や屏風も手掛ける。
■吉澤舞子によるボディペイント&ダンスパフォーマンス/10月8日(日)14時~15時30分
本展覧会にて幅10メートルにもおよぶ大型の新作を公開する吉澤舞子は、パフォーマンスや舞台のために出演者の身体に絵を描くボディペインターとしても活躍しています。
当日は、ボディペイントを施したダンサーを伴って、この場限りの特別なパフォーマンスを行います。二次元/静的な平面から三次元/動的な立体まで、縦横無尽に展開するその表現をぜひご覧ください。
吉澤舞子:絵画・ボディーペイント
多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究領域修了。
「希望のつくり方」をテーマに置き、画面に物語性を持って岩絵具やアクリル絵の具を用いて作品を制作している。モチーフには、人の身体や器官を扱い、様々なものにメタモルフォーゼしていく様子を描くことで、身体、精神の可能性を表現する。
【出演・制作協力】
高橋芙実:舞踏
香川県出身。踊る人。渋さ知らズ舞踏手。
幼少期バレエを習う。美術系に進むも舞踏に出会いその世界にハマってしまう。舞踏団トンデ空静、B機関、とりふね舞踏舎、出演。サウナとビールが好き。
武田久美子:衣装
多摩美術大学テキスタイルデザイン学科卒業後、渡英。
London College of Fashionの衣装デザイン学科/大学院卒業後からキャリアをスタート。様々なシアターの衣装デザイン・製作をしている。2012 年から拠点を日本に移し、森山開次「NINJA」、日生劇場オペラ「魔笛」、梅田芸術劇場「サロメ奇譚」他広告やCMの衣装など活動の場所を広げている。
DAG FORCE:音楽
岐阜県飛騨高山出身。プロのラッパーとして活動を続け、2015年よりNYに移住。
現地のジャムセッションでは日本語で即興演奏を続け、独自の感性を培う。コロナ以降は、東京とNYを行き来しながら音楽活動を行っている。DAG FORCEの由来は、DEATH AND GRAVITYの頭文字から来ている。
■三瀬夏之介によるアーティストトーク/10月28日(土)14時~15時
三瀬夏之介は、和紙や墨など伝統的な日本画の素材を用いながら、アクリル絵具やコラージュなど様々な手法を取り込み、日本画の新たな境地を切り拓いています。本イベントでは、2009年以降拠点とする東北でのフィールドワークを中心とした制作について伺うとともに、近代の日本画家たちが好んで描いた「富士山」をはじめとしたモティーフについて、ご自身の体験を踏まえてお話しいただきます。
三瀬夏之介:
京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(日本画)修了。現在、東北芸術工科大学芸術学部美術科教授。岩絵具や和紙を画材として様々なイメージを取り込みながら、住む場所とその歴史や自身の記憶と不可分に結びついたテーマで作品を描き、「日本画」のあり方を問い続ける。地域名を冠した絵画の成立を探る「東北画は可能か?」プロジェクトを2009年に開始。
なお会期中には、担当学芸員とともに展示室を巡りながら、じっくりと展覧会を鑑賞する「ギャラリートーク」も開催予定です。
各イベント、プログラムの詳細につきましては決まり次第、公式ウェブサイトにてお知らせいたします。
■展覧会について
近代の「日本画」を牽引した明治、大正、昭和前期の画家たちや、杉山寧をはじめとする戦後の日本画家たちの表現方法、そして現在の「日本画」とこれからの日本の絵画を追究する多様な作家たちの実践の数々にあらためて注目し、その真髄に迫るものです。
「革新」をテーマに日本画の表現手法や材料、形式の変化によりその歴史を紐解きながら、現代の作家たちによる新作も初公開し、「日本画」の誕生から現代までの展開をダイナミックに紹介します。なお当館での大規模な日本画展は、13年ぶりの開催となります。
■展覧会概要
「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画―横山大観、杉山寧から現代の作家まで」
会期:2023年7月15日(土)―12月3日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室1、2、3、アトリウム ギャラリー
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
会場構成:中川エリカ建築設計事務所
おもな出品作家:横山大観、川端龍子、レオナール・フジタ(藤田嗣治)、杉山寧、東山魁夷、加山又造、マコトフジムラ、三瀬夏之介、谷保玲奈、吉澤舞子、野口哲哉、深堀隆介、山本基、
天野喜孝、杉本博司ほか
展覧会HP:https://www.polamuseum.or.jp/sp/shinjapanesepainting/
■ポーラ美術館について
2002 年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、現代美術の第一線で活躍する国際的な作家たちの作品も展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした森の遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめる。
開館時間︓午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館⽇︓会期中無休 ※悪天候による臨時休館あり
所在地︓神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭ 1285
TEL︓0460-84-2111
入館料:大人¥1,800/シニア割引(65歳以上)¥1,600/大学・高校生¥1,300/中学生以下無料/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)¥1,000
※すべて税込 団体割引あり