世界遺産・宮島でIoTスマートごみ箱「SmaGO」を活用した宮島のごみ対策に係るモデル事業を開始

~デジタルによる「仕掛け」で、観光客の行動変容を促しオーバーツーリズムによるごみ問題を解決~

廿日市市のプレスリリース

廿日市市<市長:松本 太郎(まつもと たろう)>、広島県<知事:湯﨑 英彦(ゆざき ひでひこ)>、BIPROGY株式会社<代表取締役社長:齊藤 昇(さいとう のぼる) 以下、BIPROGY>、一般社団法人全国清涼飲料連合会(<会長:本庄 大介(ほんじょう だいすけ) 以下、全国清涼飲料連合会>は、世界遺産である宮島とその玄関口である宮島口において、環境保全と観光振興の両立に向けたモデル事業を2024年8月8日から開始しました。
本事業は、IoTスマートごみ箱「SmaGO」を活用して、観光客によるポイ捨て・置き捨てごみの発生抑止とリサイクル(再生利用)、リユース(再使用)、リデュース(発生抑制)の3Rを推進する取り組みです。デジタルによる仕掛けで観光客の行動変容を促し、オーバーツーリズムによるごみ問題を解決していきます。
※本事業は環境省のモデル採択事業に2024年5月17日に採択されています。

【背景】
宮島は、豊かな自然と世界文化遺産に登録された嚴島神社などの日本文化が融合した景観で、多くの観光客が訪れる観光名所です。しかし、観光客の急増に伴うごみのポイ捨てや置き捨てなど、オーバーツーリズム対策が急務となっており、特にテイクアウトに伴う、大量の飲み残しの処理が大きな課題となっています。また、これらによって海洋プラスチックごみの発生や景観の悪化等につながっていく可能性があります。
【概要】
本モデル事業では、多くの観光客が往来する宮島口旅客ターミナル施設と、島内の表参道商店街(TOTO宮島おもてなしトイレ)にIoTスマートごみ箱「SmaGO」を設置します。TOTO宮島おもてなしトイレには、国内では初めての設置となる「SmaGO飲み残し専用BOX」が設置されます。
「SmaGO」は、満杯になると自動的にごみを圧縮し、ごみ箱の大きさの約5倍のごみを堆積できるIoTスマートごみ箱です。ごみ箱上部のソーラーパネルで発電した電源で稼働できるため電源確保の必要がなく、電源がない場所にも設置ができます。

【宮島口旅客ターミナル施設】

【TOTO宮島おもてなしトイレ】

■ポイ捨て・置き捨てごみの抑止
宮島口旅客ターミナル施設に設置されたデジタルサイネージや観光客のスマートフォンから見ることができる観光マップ(デジタル周遊マップ)で「SmaGO」の設置場所の表示を予定しています。また、ペットボトルの3分別(ボトル、キャップ、ラベルの分別)をはじめとして、ごみの分別やリサイクルに関する情報をデジタルサイネージで発信することで、マナーの啓発活動に取り組みます。

【マナー啓発動画より一部掲載】

■ごみの分別による3R推進
全国清涼飲料連合会と連携し、BIPROGYが研究を進めているナッジ(注1)や仕掛学(注2)、インフォグラフィックス(注3)を活用したデザインで、「SmaGO」をラッピングしています。カテゴリーごとの色分けや、矢印を辿るゲーム性、注目を集めやすい丸い形状などで、ついごみや飲料容器を分別したくなるよう行動変容を促し、ごみの分別や飲料容器のリサイクルを促進します。ペットボトルについては、3分別や飲み残しの適切な処理を促すデザインを追記することで、リサイクルの取組を促進します。また、景観と調和したシンプルでスマートなデザインを採用しています。

・宮島口旅客ターミナルSmaGOデザイン(正面)

・表参道商店街(TOTO宮島おもてなしトイレ)SmaGOデザイン(正面)

※分別種別は宮島における廿日市市の排出ルールに則って設定したもの

■ごみの減量やマナー啓発に関する情報発信
宮島の持続可能な観光地域づくりを目指し、宮島のすべてを未来につなぐため、今を生きる私たちにできることは何か、その思いから宮島に関わるすべての人に心がけてほしいことをスローガンにしました。「SmaGO」本体やポスターを活用し、ごみの減量やごみ箱の位置、マナー啓発、分別啓発の情報発信をしています。

SmaGOの側面

ポスター(宮島ver)

ポスター(宮島口ver)

「SmaGO」を活用した宮島のごみ対策に係るモデル事業

事業名

デジタル技術やIoTを活用したポイ捨てごみの発生抑止ならびに、ナッジやインフォグラフィックスなどを活用した観光地における3R推進による、環境保全と観光振興の両立に向けたサステナブル・ツーリズム促進事業モデル

事業期間

2024年8月8日(木)~2024年11月15日(金)

実施場所

広島県廿日市市宮島エリア

各社の役割

・廿日市市

事業実施場所である宮島における現地調整業務

・広島県

モデル事業実施のサポートならびに、事業実施後の波及性の検証

・BIPROGY

代表事業者として全体コーディネート、スマートごみ箱「SmaGO」の調達・設置

・全国清涼飲料連合会

ペットボトル(3分別)・缶・びん等の飲料容器ならびに飲み残しの分別排出促進に関する各種連携

検証項目

・「SmaGO」の設置前後の、宮島ターミナルから商店街エリアにおける、ポイ捨て・置き捨てごみの実数変化

・「SmaGO」の設置による、定点におけるごみ発生量の変化

・インフォグラフィックスの活用とペットボトルキャップ回収機の設置による、ペットボトル分別率およびプラカップ混入率の変化

・外国人評価員が実施するフィールド調査による本取り組みに関する満足度、課題分析

【今後の取り組み】
2024年10月からは宮島を訪れる国内外の旅行者向けにデジタルスタンプラリーを活用した周遊促進施策を予定しており、宮島口周辺の周遊を促すとともに、宮島エリアにおけるごみマナー向上に取り組みます。
本事業を通じて、宮島とその周辺エリアのごみ問題を解決し、環境保全と観光振興を両立させたオーバーツーリズム問題解決のモデル事業となる先進事例創出に取り組んでいきます。
                                                 以上
注1:ナッジ
行動心理学をもとに、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチ
注2:仕掛学
人の行動に起因する問題に対し、ついしたくなる「仕掛け」によって行動の選択肢を増やし、自覚的な行動変容を促すことで結果的に問題を解決する、人の行動を変えるきっかけとなる「仕掛け」を対象にした新しい学問分野
注3:インフォグラフィック
あるテーマに関するさまざまな情報やデータをもとに、情報を整理して見やすく整えた画像を作成する手法

■関連リンク:

「環境省 ごみのポイ捨て・発生抑制対策等モデル事業(観光庁連携事業)の採択結果について(2024年05月17日)」

https://www.env.go.jp/press/press_03149.html

「廿日市市 IoTスマートゴミ箱『SmaGO(スマゴ)』モデル事業の実施(2024年08月09日)」

https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/110/113196.html
※SmaGO は、株式会社フォーステックの登録商標です。
※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
※掲載の情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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