一般人1000人、オンラインギャンブル経験者100人を対象にアンケートを実施し、ギャンブルや大坂IRに対する意識調査が行われました。
Seeders Holding B.V.のプレスリリース
2030年までに大阪湾の人工島・夢洲を観光とエンターテインメントの一大拠点へと変貌させることを目指した、現在進行中の大阪統合型リゾート(IR)建設計画。この大規模な開発計画には、高級ホテル、国際会議場、ショッピングモール、レストラン、そしてカジノの建設が含まれます。大阪の経済成長の触媒として構想されたこのリゾートには、市の国際的な魅力を高め、観光都市として世界的な地位を築くことが期待されています。
この計画には、観光業の活性化、数千の雇用創出、そして大阪の国際的な地位の向上などの利点が見込まれていますが、今回実施された調査の結果は、これらの利点や安全策に関する認識を促すことができれば、ギャンブル経験者から計画に対する支持を得られる可能性が高いことを示唆しています。世界中からの訪問者を引き付けることで地元企業を活性化して地域経済の発展に大きく貢献し、懸念される社会問題を引き起こすことなく、実質的な利益をもたらす可能性が示されています。
日本MGMリゾーツとオリックス株式会社が主導するこのIR計画は、ビジネス客、家族連れ、エンターテインメント愛好家など、幅広い層を対象に設計されています。持続可能で適切に規制された環境を創出し、長期的な経済的利益を促進することを目指し、公民連携により計画が進められています。
プロジェクトの重要な側面として考慮しなければならないのが、節度のあるギャンブルの推進と公共の安全の維持です。IR建設計画には専用の警察署や交番の設置など、安全な環境を確保するための法執行措置が含まれ、また、ギャンブル依存症に苦しむ人への支援、未成年者のギャンブルを防止する規制など、責任あるギャンブルの取り組みへの準備が進められています。
調査概要
これらの対策にもかかわらず、大阪IRの一部としてのカジノの導入はやはり議論の的となっています。ギャンブルやIR計画に関する世論を把握するため、2024年8月に「Freeasy」を用いた2回のオンラインアンケート調査が実施され、1,000人の日本人回答者から意見が収集されました。本リリースはこのCT5により実施された調査のレポートの要約となります。
最初の調査では、全都道府県の20歳以上の女性500人、男性500人が対象となっています。多様な回答者から得た幅広い統計データにより、この計画がさまざまな層からどのように認識されているかについて伺い知ることができます。
続くフォローアップ調査では、オンラインギャンブル経験者を対象とし、28都道府県の20歳以上の男性68人、女性32人の計100人の回答が得られています。この調査は、ギャンブルの実践的な知識をもつ人々からさらに詳しいデータを得ることを目的としており、大阪IR計画に関連した潜在的なリスクとメリットに関する意識調査となっています。このアンケートは7つの選択形式の質問と3つの自由回答形式の質問で構成されています。
成人男女1000人を対象としたアンケート調査
このアンケートではまず、ギャンブル経験のある回答者の割合を確認しました。
「従来(オフライン)のギャンブルの経験はありますか?例)競馬、競輪、オートレース、モーターボート競走、パチンコ、スロット、ルーレット、宝くじ、スポーツくじなど」
回答者の37.5%が、従来(オフライン)のギャンブルの経験があると答えました。
「オンラインギャンブルの経験がありますか?」
回答者の12.3%がオンラインギャンブルの経験があると答えました。
ギャンブルに対する意見と日本社会への影響
「オンラインギャンブルが日本社会にどのような影響を与えていると思いますか?」
回答者の大多数は、オンラインギャンブルが日本社会に悪影響を及ぼしていると感じていることが明らかになりました。
「日本におけるオンラインギャンブルに関連する問題(例:依存症、経済的な問題)についてどのくらい頻繁に耳にしますか?」
回答者の少なくとも75%が、この種の問題について何らかの形で聞いたことがあると答えました。これは、オンラインギャンブルにまつわる問題に対し、認識が広く浸透していることを示しています。
大阪でのカジノ開業に対する意見
「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)が大阪に開業予定であることについて、どう思いますか?」
このデータは、現在、回答者の過半数が大阪IRの開業に不賛成であることを示しています。
続いて、他の地域でのカジノ開業についても意見を尋ねました。
「大阪以外にも日本でカジノを含む施設を建設するべきだと思いますか?」
前の質問の回答と同様に、回答者の大多数は日本の他の地域でのカジノ開業にも不賛成のようです。
オンラインギャンブル経験者100人を対象としたアンケート調査
1,000人の回答者を対象とした最初の調査では、そのうち約90%がオンラインギャンブルの経験がないと答えました。二つ目のアンケートでは、オンラインギャンブルの経験があると回答した100人を対象とし、ギャンブル経験者が一般的なギャンブルや大阪IRの開業に対してより好意的な見方をしているかどうかが調査されました。本アンケートは7つの選択形式の質問と3つの自由回答形式の質問で構成されています。
このアンケートの冒頭部分では、回答者の主な特性について質問をしています。
まず、回答者が経験したオンラインギャンブルの種類を特定しました。
「事前調査で「オンラインギャンブルの経験がある」と回答された方にお伺いします。以下のオンラインギャンブルの中で、経験したことがあるものをすべてチェックしてください。」
回答は比較的均等に分布しており、特にオンライン宝くじは最も人気があるようです。
「オンラインギャンブルサイトには主にどの端末からアクセスしますか?」
おそらく多くの人が予想する通り、回答者の大多数はモバイル端末からオンラインギャンブルサイトにアクセスしています。続いて人気なのがコンピューターからのアクセスで、タブレットの利用はわずか7%にとどまりました。
「オンラインギャンブルに月にどれくらいのお金を使いますか?(現在していない場合、過去にどれくらい使っていましたか?)」
回答者の大多数はオンラインギャンブルに少額のお金を使っているようです。これもまた、回答者(ギャンブル経験者)の多くがカジュアルなギャンブルを楽しむ人々であることを示唆しています。
「オンラインギャンブルをする主な理由は何ですか?」
自由回答の質問に対して、主に以下のような回答が得られました。
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時間や場所を選ばないから
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暇つぶし
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小さな楽しみとして
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少額で楽しみたいから
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簡単にかけられる、リアルの店舗に行かなくても遊べる。レートが少額からでも遊べる
一方で、少数ですが以下のような回答もありました。
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一攫千金
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高額が当たればいいなという理由
これらの回答を以下のカテゴリーに分類しました。
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エンターテインメント(16.3%)
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利便性(14.3%)
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金銭的利益・投資(13.3%)
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シンプルさ(9.2%)
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ストレス解消・リラクゼーション(8.2%)
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興奮・スリル(7.1%)
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社交的な交流(2.0%)
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その他(29.6%)
最後に、大坂IRについて
「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)が大阪に開業予定であることについて、どう思いますか?」
この質問に対する回答では、中立的な意見と否定的・肯定的な意見がそれぞれ同等の割合を占めました。
否定的な回答の例
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必要性が議論される前に建設が進んでいます。一旦中止して、ゼロから議論すべきです。
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荒っぽい人や犯罪者が集まり、治安が悪化する可能性があります。
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裏取引が多そうで、信用できません。
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治安が悪化しそうです。
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反対です。テーマパークの方が需要があると思います。
肯定的な回答の例
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積極的に推進すべきだと思います。東京にも同様の施設ができることを望みます。
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活気とエネルギーをもたらすでしょう。
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公共空間として新しい価値を提供するのであれば、経済に良いと思います。カジノを含むリゾートなので、家族も楽しめるかもしれません。
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新しい観光地として良いと思います。
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良いことだと思います。
賛成と反対がほぼ同数に分かれているように見えますが、この100人の回答者が全員オンラインギャンブル経験者であることを考えると、このグループがカジノの開業に対してより肯定的だろうという予想を裏切る結果となりました。これらの人々の大阪IRの開業に対する否定的な意見は、オンラインギャンブルの経験がない人々よりも強い確信に基づいていると結論付けられます。
二つ目のアンケートで尋ねたもう一つの自由回答の質問も、この考えを裏付けています。
「オンラインギャンブルに対してどんな印象を持っていますか?」
オンラインギャンブルに対して否定的な意見をもつ人が比較的大きな割合を占めており、オンラインギャンブル経験者の方がオンラインギャンブルに対してより肯定的であるという一般的な予想に反した結果となりました。
調査の結論と主な発見
本調査により、従来型のギャンブルとオンラインギャンブル、そして今後開業予定の大阪統合型リゾート(IR)に対する多様な意見が明らかになりました。一部の回答者は、特に依存症や経済的問題など、ギャンブルの潜在的リスクについて懸念を示しましたが、多くの懸念は未知の計画に対する一般的な不安に基づいているようです。日本ではこれまでIRが存在しなかったため、その影響に対する不確実性が慎重な回答に反映されています。
実際にオンラインギャンブルの経験がある100人の回答者の結果は、特に示唆に富むものでした。これらの回答者の多くが予想に反し、ギャンブルによる悪影響はなかったと答えています。実際、彼らの多くはおそらくギャンブルを娯楽の一形態と見なし、節度をもってカジュアルなギャンブルを楽しむ人々です。これは、IRプロジェクトから広範な悪影響が生じるという恐れがやや過大評価されている可能性を示唆しています。
本調査の結果から、2030年の大阪IR開業計画においては、焦点を教育に置き、導入される安全対策、規制、責任あるギャンブルの取り組みについての認知度を高めることが重要であると言えます。これにより、懸念を和らげ、IRがもたらす観光業の成長、雇用創出、大阪の国際的な魅力の向上といった利益を強調できるでしょう。最終的に、調査で示された多くの懸念は未知の計画に対する不安から生じているようであり、IRが現実のものとなるにつれて、これらの認識はより前向きなものに変わる可能性があります。
大阪IRに対する初期の反応はやや慎重であったものの、それは新たな計画実施へのごく自然な不安を反映しています。適切な規制、責任あるギャンブルの取り組み、そして一般市民との継続的な対話により、大阪IRは回答者が懸念する社会問題を引き起こすことなく、重要な利益をもたらす可能性があります。また本調査結果は、特にギャンブル経験者がその利点と安全策を理解すれば、このプロジェクトを支持する可能性が高いことを示唆しています。
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