3ヵ月間の検証を経て2024年12月より本格導入が決定
株式会社 金乃竹のプレスリリース
神奈川県 箱根で旅館5店舗・飲食店3店舗を運営する株式会社 金乃竹(本社:神奈川県箱根町 代表取締役社長:窪澤 圭 以下、金乃竹)は、宿泊施設「金乃竹 塔ノ澤」と「Hotel 坐樂閑」において、2024年9月から検証を行っていた『Skip制度』を、2024年12月より正式に導入いたしました。
『Skip制度』とは、連泊中のお客様が客室清掃を放棄する選択ができ、制度を利用されたお客様には館内施設やグループ飲食店で使用可能な割引チケットをお渡しする仕組みです。
この取り組みには以下のようなメリットがあります。
「顧客満足度の向上」…チケットによる追加サービスの体験
「スタッフの人出不足の解消 」…清掃放棄により業務効率化を実現
「地球環境保全に貢献 」…清掃時に発生するCO2・水資源・電力・廃棄物などを削減
このように、「お客様」・「企業」・「環境」の三者にとってメリットのある3方良しの取り組みとして、持続可能な社会の実現を目指していきます。
|試験導入に至った経緯
検証施設の金乃竹 塔ノ澤は、「サービス・空間・環境すべてに線を引かないノーラインリゾート」をコンセプトとして、箱根の雄大な大自然を存分に感じられる施設です。この自然を大切にすることが持続可能な施設の実現に繋がると考え、私たちができることは何かを模索しました。その結果、近年のインバウンド客の増加、特に連泊需要の高まりを受け、滞在中の客室清掃を削減することで環境負荷を軽減できるのではないかとの結論に至りました。この取り組みにより、持続可能な観光業の実現に貢献できるだけでなく、清掃時間の短縮が可能となることでスタッフの業務効率化に繋がり、宿泊業界が抱える人出不足問題にも貢献できると考えています。
|環境配慮と顧客満足の両立を目指して
次に、この取り組みによりお客様の体験価値は高められるのかという課題があります。そこで、併設するSpaや鉄板焼の利用、オプション料理などの追加サービスを気軽に体験していただくことがお客様にとってもメリットがある形になると考えました。そこで清掃を放棄していただいたお客様には割引チケットを提供する仕組みを導入し、顧客満足度の向上を目指すこととなりました。
|検証結果 約38%が清掃不要のskip制度利用、効率的な業務につながる
検証前は連泊客の約80%が客室清掃を希望していましたが、9月から11月の検証期間中において、連泊数598件のうち227件のお客様が清掃を希望せず、全体の38%にあたるお客様がSkip制度を利用した結果となりました。実際に「Skip制度」を利用したお客様からは、SDGsへの取り組みに賛同する声が寄せられ、非常に好意的に受け入れられました。また、清掃スタッフの労働時間が25%削減され、その結果、普段手が届かない細かな部分の清掃や清掃以外の業務への対応が可能となり、業務効率が向上したと考えられます。(※金乃竹 塔ノ澤による検証結果)
▼「サービススタッフ AS」の声
Skip制度を導入したことで、通常サービススタッフが行っていた客室のドリンク補充や清掃の最終チェック業務が削減され、普段手が届かない部分の掃除や、チェックアウトや早いチェックインのお客様により多くの時間をかけて対応することができています。その結果、通常業務にかけられる時間が増え、より丁寧なサービスが可能となっただけでなく、お客様との時間が増えたことにより、より良いコミュニケーションを取れるようになり、スタッフとお客様の信頼関係をより深く築けていると感じています。
|Skip制度概要
客室清掃の対象エリア |
チケット金額 |
完全清掃なし |
2,000円分 |
タオル交換+ごみ捨てのみ |
1,000円分 |
タオル交換+ごみ捨て+客室冷蔵庫補充(グラス類含む)のみ |
500円分 |
割引チケット対象商品・サービス
・売店商品
・ドリンクや特別注文料理
・The Moon SPA(金乃竹 塔ノ澤併設)
・プール水着のレンタル料金
・レイトチェックアウト
・金乃竹グループが運営する飲食店:寿し笙・鉄板焼 禅・Cafe Dining LÜDERA(Hotel 坐樂閑で提供されたチケットのみ利用可能)
※お会計時に割引いたします
|今後の展望
2024年9月から宿泊施設「金乃竹 塔ノ澤」と「Hotel 坐樂閑」にて「Skip制度」の導入・検証を行ってまいりました。この制度は、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとして、環境負荷を軽減し、より持続可能なサービスを提供することを目的としています。検証を通じて、利用客の反響や業務効率の向上が確認できました。今後は、この「Skip制度」を他の施設にも導入し、さらに多くのお客様にご利用いただくことで環境保全への貢献をさらに推進していきたいと考えております。
|金乃竹リゾートのSDGsへの取り組み
金乃竹グループのシンボルである「竹」は、成長が非常に速く伐採後も再生する特性を持つため、持続可能な素材として広く認識されています。しかしながら、プラスチック製品の普及などにより放置竹林が増加し、竹の資源活用が課題となっています。
金乃竹グループでは、この「竹」をテーマにしたさまざまな取り組みを進めています。たとえば、歯ブラシや剃刀、ヘアブラシなどの竹素材を活用した客室アメニティの導入や、和のアクティビティを提供する取り組み「リョカンス」の新プランとして、竹を使用した灯篭づくり体験を企画するなど、SDGsへの貢献を積極的に行っています。
また当グループのSpaでは、海に流れても環境に害を及ぼさない100%ナチュラルな素材である「Sensatia Botanicals」のオイルを使用し、鉄板焼レストラン「鉄板焼 禅」では、コンソメスープの提供において通常は廃棄されがちなネギの頭、人参や玉葱の皮、きのこの石づき、トマトのへたなどの食材を無駄なく活用しています。これらの取り組みは、食材ロスの削減と環境への配慮を大切にし、私たちの持続可能な未来に向けた思いを反映しています。
|金乃竹 塔ノ澤について
渓谷の吊り橋を渡り、“癒しの森 塔ノ澤”へようこそ。敷地面積約20,000坪という広大な自然を背景として、塔ノ澤の自然に溶け込む為のこだわりの空間を提供しています。ノーラインリゾートという考えのもと、サービス・空間・環境の全てにおいて線を引かないという意味合いを実現した、まさに塔ノ澤の自然を肌で感じる事の出来る究極の癒しの旅館施設としています。客室は全8タイプ21の部屋は全室露天風呂付き。
|金乃竹リゾートについて
創業1947年、二代目の窪澤が1999年に事業を継承いたしました。当時の富士荘(金乃竹の前身)は昔ながらの古い民宿で客室は8部屋、年間わずか2,500万円ほどの売上規模でした。窪澤は自ら竹取物語のコンセプトを具現化した貸切露天風呂や客室露天風呂を新設したり、8年間ほど自ら包丁を握り厨房で料理を創りお客様が残した残飯から傾向を分析して、お客様が喜び食す料理メニューの考案に日々明け暮れました。その結果、貸切露天風呂と料理の評判から「昔ながらの古い民宿」を6年で日々満室になる人気旅館へ成長させました。現在では、箱根で5つの旅館施設と3つの飲食店を運営しています。
ビジネスで注目をされ日常を送る大人たち。そんな遊び足りない大人たちが、大切な人と人目を気にせずに過ごせる大切な時間を、リュクスな空間・料理・サービスで提供しています。