2025年12月22日(月)アクティー米沢にて、「歴史と文化のまち米沢」について行政・大学・民間事業者・市民など多様な関係者が集い、歴史的資源を活かした持続可能まちづくりの方向性を共有・議論しました。
プラットヨネザワ株式会社のプレスリリース
“地域の魅力を実力に変える”観光まちづくり法人、プラットヨネザワ株式会社(所在地:山形県米沢市、代表取締役 宮嶌浩聡)は、市内にて、歴史的資源を活かしたまちづくりをテーマとするシンポジウムを、2025年12月22日(月)アクティー米沢にて開催しました。
本シンポジウムは、歴史的資源を活かした持続可能なまちづくりを目指し、観光庁より採択を受けた令和7年度「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業(事業化支援及びモデル創出)」の一環として、市民を対象に実施されたものです。

国指定重要文化財をはじめとする歴史的建造物や地域資源を、
「観光客向けの一過性の活用」ではなく、「地域の日常や将来を見据えた持続的な活用」として、どのように活かしていくかを共有・議論することを目的に開催されました。
当日は、建築・学術・行政・地域の各分野からの関係者が集い、これまでの調査・検討の経緯を振り返るとともに、今後の方向性について意見交換が行われました。
国の調査事業を活用し、「調査・構想」を市民が主体となって始めました


本取り組みは、観光庁より採択を受けた令和7年度「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業(事業化支援及びモデル創出)」を活用し、歴史的資源の調査や活用の方法の検討を地域一体として行うことを目的とし、短期的な集客や事業化ではなく、「100年後の米沢」を意識しながら丁寧な議論を重ねてきました。
<重要な視点>
・文化財としての価値を正しく理解すること
・地域住民が主体的に関われる余地を残すこと
・将来的に民間活力を導入できる可能性を探ること


今回のシンポジウムは、約1年間にわたり実施してきた調査および全5回のワークショップの成果を踏まえ、その節目として開催されました。これまでの議論を整理しながら、「今、どこまで見えてきたのか」「これから何を目指し、どのように進めていくのか」を関係者間で共有することを目的としたものです。
当日は基調講演として、増田信吾氏 (増田信吾+大坪克亘建築設計事務所)、森佑季氏 (山形大学 大学院理工研究科)の両氏が登壇し、米沢の都市構造や歴史的建造物が持つ価値を踏まえた、長期的な視点からのまちづくりの考え方が提示されました。歴史的資源を単体で捉えるのではなく、地域全体の文脈の中でどのように活かされていくかについて、専門的な視点から示唆がなされました。
続くパネルディスカッションでは、ファシリテーターの伊藤夢人氏 (株式会社つなぐ)の進行のもと、テーマごとに議論が行われました。歴史資源に関するセッションでは、文化財や歴史的建造物に関わる地域事業者が登壇し、保存と活用の両立、事業として関わる際の課題や可能性について意見が交わされました。
また、小野川温泉をテーマとしたセッションでは、地域資源を活かした持続可能な観光地域運営のあり方について、事業者を中心とした意見交換が行われました。希少資源(源泉100% かけ流し)の再定義、体験価値の言語化、地域運営体制の再構築を段階的に進めていくことが、持続可能な観光地域づくりの鍵であるとの共通認識が形成されました。
文化財を「観光資源」だけにしないという選択




議論の中心となったのは、歴史的資源を
「観光客向け施設」として一時的に消費する存在にとどめない、という考え方です。
建築・学術・行政に加え、地域事業者の関係者、金融機関など多様な立場からの視点を交えながら、
文化財を地域の暮らしや産業とどのようにつなげていくかについて意見が交わされました。
具体的には、
・子どもたちが継続的に関われる学びや体験の場としての活用
・市民や事業者が日常的に立ち寄り、関われる開かれた空間づくり
・短期・中期・長期の時間軸を意識した、段階的な活用と事業化の視点
といった、「暮らしや仕事と地続きの文化財活用」という方向性が共有されました。
参加者からの声


参加者の皆さまには、アンケートへのご回答にご協力をいただきました。
ここでは、その一部を抜粋してご紹介します。
「行政や大学、事業者など、さまざまな立場の意見を一度に聞くことができ、視野が大きく広がった」
「専門家から具体的な助言や意見を直接聞けたことが非常に有意義だった」
「米沢の歴史と将来の活性化について、これまで以上に深く考える機会になった」
また、
「これまで存在しなかったアクションプランを、皆で考えていく場として非常に重要だと感じた」
「幅広い分野の専門家が同じテーマで議論することで、自身の理解が深まった」
といった声が寄せられました。
一方で、
「今後は、誰が主体となって事業を進めていくのかをより明確にする必要がある」
「実行段階を見据えた具体性が、今後の課題だと感じた」
といった意見もあり、今後の検討に向けた示唆が得られる場となりました。
歴史的資源を、地域の未来へつなぐために
短期的な成果や即時的な活用効果を目的とするのではなく、
地域の人々が無理なく関わり続けられる形を模索しながら、段階的に活用を進めていくことが重要です。
あわせて、文化財が特別な存在として切り離されるのではなく、
地域の日常の中に自然に位置づけられ、世代を超えてその価値や背景が受け継がれていくことが求められます。
シンポジウムで共有された議論が、今後の具体的な実践へとつながり、
地域資源が未来へ受け継がれていく一歩となりました。
【プラットヨネザワ(株)について】
会社名:プラットヨネザワ株式会社
所在地:山形県米沢市松が岬1丁目4番24-2号
代表者:代表取締役 宮嶌 浩聡
設立 :2022/4/20
事業内容:観光まちづくり法人(DMO候補法人)、観光データベースマネージメント

