毎年20万人が訪れる、富士吉田市の春の風物詩 新倉山浅間公園桜まつりを開催しないことに決定

観光客の過度な集中を抑制し、地域住民の生活を守るためと持続可能な観光都市を目指す

富士吉田市のプレスリリース

山梨県富士吉田市(市長:堀内 茂)は、例年春に開催しておりました「新倉山浅間公園桜まつり」につきまして、2026年春の開催をしないことを決定いたしました。近年、国内外からの来訪者が急増し、受け入れの限界を超えたオーバーツーリズム(観光公害)が地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしています。本市は、地域住民の安心安全な生活を守ることを最優先課題と位置づけ、観光客の過度な集中を抑制し、地域住民の負担軽減を図るものであります。

■ 新倉山浅間公園桜まつり、開催見送りの決定と背景

富士吉田市では、約10年前より地域の魅力向上と交流人口の拡大を目的に「新倉山浅間公園桜まつり」を開催してまいりました。おかげさまで国内外から多くの注目を集め、地域のにぎわい創出に一定の成果を上げてまいりました 。

しかしながら近年、全国各地でも起こっているように円安やSNSによる爆発的な認知拡大などを原因として、訪日外国人観光客の急激な増加が予想を遥かに超え、特に桜の見頃には1日あたり1万人以上の来訪者が殺到する事態となっております。これに伴い、以下のような深刻な問題が常態化し、地域住民の生活が脅かされる状況が続いています。

<地域住民への被害内容> ※一部抜粋

●生活環境の侵害 交通渋滞の慢性化に加え、トイレを借りるために一般民家のドアを無断で開ける、敷地内への不法侵入、吸い殻の投棄などが発生しています 。

●衛生・人権上の問題 民家の庭先での排泄行為や、それを注意した住民に対して騒ぎ立てるといった事案も確認されています 。

●児童への影響 多くの観光客が通学路の歩道に溢れ、児童が押し出されるように歩く状況が生じており、保護者や地域から安全面を懸念する切実な声が寄せられています。

「市民が多大な負担を強いられている中で、なぜ行政がイベントとして開催し続けるのか」という厳しいご意見に対し、本市は市民の平穏な生活はいかなる観光振興策よりも優先されると判断し、今回の苦渋の決断に至りました。

桜の見頃の展望デッキには1~3時間待ちの大行列
狭隘道路の交通渋滞の様子

■ 今年の対応について

1. 「新倉山浅間公園桜まつり」イベント名称の不使用

今年においては、これまで実施してきた「新倉山浅間公園桜まつり」は開催しないということで観光HPをはじめとする様々な媒体で名称は使用せず、イベントとしての位置づけを取りやめます。これにより、観光客の過度な集中を抑制し、地域住民の負担軽減を図ります。

2. 安全対策の継続実施

イベントとしての開催はしませんが、桜の開花時期には一定数の来訪者が見込まれます。市民の安全確保と混乱防止のため、周辺への警備員配置、交通整理、臨時駐車場や仮設トイレの設置等の安全対策は継続して実施いたします 。

<対策強化期間>2026年4月1日(水)から17日(金) ※交通規制は19日(日)まで実施

※来訪を検討されている皆様へ※

周辺道路の極めて激しい混雑が予想されます。駐車場には限りがあり、公共交通機関のご利用をお願いするとともに、住宅地への立ち入りや無断撮影などのマナー遵守を徹底していただくようお願い申し上げます。

■ 持続可能な観光都市への転換に向けて

今回の判断は、単なる中止ではなく、一時的・短期的な対応から中長期的な方向転換へ踏み出すための第一歩です。現在は駐車禁止やポイ捨て禁止などマナー周知の看板ばかりが目立つ状況ですが、今後は関係機関や地域の皆様のご意見も伺いながら住民の暮らしと観光が共存できる環境づくりを目指してまいります。

■ 富士吉田市長コメント

富士吉田市長 堀内 茂

「富士吉田市にとって、富士山は単なる観光資源ではなく、私たちの生活そのものです。しかし今、その美しい景色の裏側で、市民の皆様の静かな暮らしが脅かされている現実に、私は強い危機感を抱いています。まずは市民の皆様の生活環境と尊厳を守り抜く。そのために、10年続いた『桜まつり』という看板を下ろす決断をいたしました。これは富士吉田市が真に持続可能な、質の高い観光都市へと生まれ変わるための転換です。今後は適切な仕組みを構築し、住民の暮らしと観光が共存できる環境づくりを目指し、市民の皆様が誇りを持って、世界中の方々を心から歓迎できる街を構築してまいります。」 

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