器は「暮らしと土地をつなぐメディア」。信楽焼ブランド「PLUS GARDEN」窯元が挑む体験型発信拠点「かまーとの森」

株式会社 加陶のプレスリリース

滋賀県甲賀市信楽町は日本六古窯のひとつ「信楽焼」の産地として古くから栄えてきた場所。株式会社 加陶は、この地で1971年に創業し、植木鉢を製造するメーカーとして事業を営んできました。1998年に立ち上げた植木鉢ブランド「PLUS GARDEN(プラスガーデン)」は、信楽焼ならではの“土味(つちあじ)”を生かしながら、伝統技法とデザイン性を融合させたライフスタイル提案ブランドとして知られています。

製造工場に隣接する「かまーとの森」は、2013年にショールームを兼ねて開設されたカフェ&ギャラリー。この場所は、もともと創業時から40年間稼働していた全長80mのトンネル窯があった跡地で、「窯跡」「アートな場所」に由来し「かまーとの森」と命名されました。2025年にはコンセプトを一新してリニューアル。ただ商品を並べて販売するのではなく、製造工場に隣接する立地を生かし、リアルなモノづくりの現場に触れ、焼き物の魅力を五感で体験できる新たな拠点に生まれ変わりました。

このプロジェクトを率いているのが、同社の3代目、加藤 康祐(かとう・こうすけ)さん。伝統産業である信楽焼と、その作り手である職人、信楽を訪れる観光客、さまざまな視点から「信楽」の現状と未来を見つめ、信楽焼を後世につなぐべく活性化に取り組む加藤さんに、その想いをうかがいました。

●「売る」場所から「感じる」場所へ。五感で楽しむ体験型・発信型ブランド拠点「かまーとの森」

・・・リニューアルした「かまーとの森」は、どんな場所ですか?

コンセプトは、五感で楽しむ体験型・発信型の拠点。ただ商品を販売する場所にとどまらず、信楽焼の背景にあるストーリーを、体験を通して感じていただける場所にしたいと考えています。「かまーとの森」では、当社の植木鉢ブランド「PLUS GARDEN(プラスガーデン)」の新作を中心に、植物とのスタイリング提案、信楽で活動する作家さんのギャラリー展示、カフェスペースでは信楽の食器と食材をメインにしたランチプレートの提供など、ショップという枠を超えて、複合的に展開しているのが特長です。また、音響設備にもこだわり、アーティストを招いてライブやイベントなども開催しています。入口横には2006年までトンネル窯に燃料を供給していた重油タンクがあるのですが、内部を茶室に改装し、ギャラリーやイベントに活用しています。

◼️「かまーとの森」入口

◼️トンネル窯跡を利用した広い空間にカフェとショップを併設

◼️信楽の地元作家の作品を販売

・・・どのような体験が楽しめますか?

一つは、信楽焼の作陶体験ですが、他と違うのは実際の商品づくりに参加できるという点です。隣には製造工場があるので、リアルなモノづくりの現場に触れながら、その製造工程の一部を体験として行い、作り手として参加できるというプログラムです。

 もう一つは、観葉植物や草花と、プラスガーデンの植木鉢を組み合わせて植え込み、持ち帰っていただける体験です。こうした体験を通して実際に手を動かし、土や器と向き合うことで、関心がより深まると考えています。

 実は、お客様用のトイレの場所が、工場を通り抜けたところにあり、生産途中の商品や稼動中の4基のシャトル窯が見られるなど、まるで工場見学のようなルートになっていて皆さん驚かれます。これもぜひ体験してほしいポイントです。

◼️製造工場の中

きっかけは信楽焼メーカーが抱える課題。興味を持ってもらい、担い手へとつなげたい

・・・なぜ体験型ショップにしようと思われたのですか?

 私たちは信楽焼の産地で長年、植木鉢を中心とした陶器製品を作ってきました。特に自社ブランド「プラスガーデン」は、陶器ならではの「土のぬくもりある質感」と、「和洋どちらのライフスタイルにも合うデザイン」を融合させたプロダクトとして発信しており、おかげさまで全国の園芸ファンやインテリアショップからご好評をいただいています。しかし、その一方では、作り手の想いや素材の魅力が十分に伝わっていないという課題も感じていました。「もっと器の背景にある物語を届けたい」「手に取る前に“感じる場”をつくりたい」、そんな想いから、販売拠点として活用していたスペース「かまーとの森」を、「体験型・

発信型のブランド拠点」にリニューアルすることに決めました。

◼️自社ブランド「プラスガーデン」の植木鉢

・・・体験を通して、どんなことを実現したいですか?

当社は、創業者である祖父の代からケンガイ鉢(背丈の高い植木鉢)を主体に製造してきました。ところが時代とともに輸入品の増加で需要が縮小し、メーカーとして生き残っていくには自社ブランドをもつことが必要と、「プラスガーデン」を立ち上げた経緯があります。また、信楽には陶芸作家さんは多くおられるのですが、伝統産業としての陶器づくりに携わる職人さんの高齢化と減少が課題になっています。信楽焼の現場は昔から分業制で、生地を作る人、成形する人、石膏型を作る人、絵付けする人など、多くの職人がいます。いま、その職人さんたちの平均年齢が85才なんです。後継者もなかなかおらず、技術の継承が大きな課題で、私たちのようなメーカーは内製化の必要性に迫られています。

 今回のリニューアルで体験型に力を入れたのは、体験プログラムをきっかけに信楽焼に興味を持ち、信楽焼の作り手になりたい、担い手になりたいと手を挙げる人を増やしたいという思いもあります。

◼️一つ一つ丁寧につくられるプラスガーデンの植木鉢

◼️焼き上がった製品の窯出しの様子

●信楽の土と昔ながらの伝統技術から生まれる、新しい器の魅力を届けたい

・・・信楽焼は他の産地の焼き物とどのような違いがありますか?

信楽の土の特徴は、多孔質という粗い土質で、吸湿性、通気性に優れているので、植木鉢に向いている素材です。また、耐火性に優れ、成形しやすい粘土質の土なので、大きな器、例えば大きな壷や浴槽を作ることも、信楽焼だから可能だといえます。

こうした信楽の土と技術から生まれる器の魅力を、よりリアルに伝える場が必要だと強く感じています。

・・・信楽の土から生まれるプラスガーデンの植木鉢の特長は?

私たちのブランド「プラスガーデン」の植木鉢は、信楽の土の質感を生かしたクラフト性と、植木鉢の枠を超えたデザイン性が特長です。信楽に古くから伝わる伝統技術を用いて、一つ一つ手作業で仕上げていくので、同じ商品でも異なる表情があります。大量生産では表現できない「個性」や「ぬくもり」、現場の空気感、ブランドの世界観、そうした器ができるまでの物語を、商品を通じて感じてもらいたいという思いがあります。

良いものを作っているのに、それが「モノ」としてしか伝わっていないのは残念なこと。だからこそ、ここに来て実際に見て、触れて、感じてもらいたい。自社の製品だけではなく、地元の作家さんの作品も多く紹介し、この場所を拠点に、魅力を発信していきたいと考えています。

◼️プラスガーデンの商品写真  (伝統技術を用いたクラフト性とデザイン性が特長)

●器は商品であると同時に「暮らしと土地をつなぐメディア」。地域と連携し、信楽を五感で楽しめる体験ツアーをつくりたい

・・・今後どのような展開をめざしておられますか?

器は商品であると同時に、「暮らしと土地をつなぐメディア」だと思います。今回のプロジェクトの目的は、モノを「売る」ことよりも「感じる」機会をどのように提供するのか、ということ。信楽焼の器を通して、信楽の文化や伝統、自然、暮らしなど、この街の魅力に、多くの人が触れる体験価値の創出をめざしています。

信楽という地は、1200年以上の歴史をもつといわれる、日本でも最も古い陶器の産地です。豊かな自然に囲まれたまちの中には、登り窯や穴窯などが点在し、多くの窯元がいまも陶器の生産を続けています。また、日本五大銘茶の一つに数えられる「朝宮茶」の産地としても知られ、まちを巡りながら豊かな自然と食の体験も楽しめる場所です。そうした魅力を詰め込んだ、信楽を五感で楽しめる体験ツアーを作りたいとも考えています。その拠点が「かまーとの森」であり、信楽の魅力に触れてもらう入口になれればと思います。

◼️ 人物写真 :  加藤 康祐 さん

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(※QRコード :「PLUS GARDEN」STUDIO TOUR プロダクト製作動画 公開)

(※QRコード : WEBカタログ)

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■株式会社 加陶

所在地:〒529-1851滋賀県甲賀市信楽町長野1361-4

・植木鉢ブランド「PLUS GARDEN   プラスガーデン」

TEL:0748-82-3366 FAX:0748-82-2000

HP :https://www.plusgarden.jp/index.htm

・ショールーム・カフェ&ギャラリー「かまーとの森」

TEL:0748-69-5466

HP :https://www.kama-to.jp/

E-mail:info@kama-to.jp

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