訪日外国人向け「医薬品情報提供サービス」の実証事業(PoC)を開始

〜訪日旅行者の体調不良に関する課題を解決し、安心・安全な日本滞在をサポート〜

株式会社メディ・エンジンのプレスリリース

訪日外国人向け多言語受診案内事業を手掛ける株式会社メディ・エンジン（本社：東京都港区、代表取締役 CEO 東貴大、以下メディ・エンジン）と株式会社昭文社ホールディングス（本社：東京都千代田区、代表取締役社長黒田茂夫、東証コード：9475　以下昭文社ホールディングス）は、訪日外国人向け医療機関・医薬品情報提供サービスに関する実証事業（PoC）を2025年12月25日より東京都内４エリアで開始いたします。

■実証事業（PoC）の背景と目的

近年、訪日外国人観光客数は増加の一途をたどっておりますが、訪日観光客のうち約4%が日本滞在中に病気や怪我など何らかの体調不良を経験していることが分かっています。（※）しかしながら、訪日観光客が日本の医療サービスを受ける上では、「症状に合った病院がどこにあるかわからない」、「病院や薬局で症状を正確に伝えられない」といった様々なハードルがあります。一方、このような体調不良者が増えることで、宿泊施設においてはフロント対応業務の負荷が高まったり、医療機関においては訪日外国人の医療費の未払いが発生するなど、事業者側における問題も深刻化しつつあります。今後、訪日外国人旅行者数の増加に比例して、このような問題はさらに顕著になってくるものと考えており、このような状況を改善するためには、旅行者自身のセルフケアを含め、症状に応じて迅速かつ適切な対応を旅行者自身で行える環境を作ることが必要になると考えております。

上記のような課題の解決に向け、メディ・エンジンが持つ医療サービスに関する知見と、昭文社ホールディングスが持つメディア運営およびデジタル地図の知見を組み合わせ、言葉の壁や医療システムの違いに戸惑う訪日旅行者に適切な医療情報と医療サービスの選択肢を提供し、安心して日本を楽しんでいただくためのプラットフォーム「Japan Medical Advisor（ジャパン・メディカル・アドバイザー）、以下、本サービス」を企画・開発しました。今回の実証事業は、本サービスの訪日旅行者と関連事業者の課題解決を図るとともに、事業性を検証することを目的としています。

※観光庁：令和5年度「訪日外国人旅行者の医療に関する実態調査」より

■実証事業（PoC）の概要

体調を崩した訪日外国人観光客に対して、エリア単位で外国人受け入れ医療機関情報、セルフケアに適した市販医薬品の情報を提供するサービスの実用性を検証します。

【取り組みの具体的内容】

実証エリア内の宿泊施設等に「医療機関マップ」を設置し、地域内で外国人受入医療機関および薬局情報を提供します。また「医療機関マップ」に掲載されているQRコードから症状セルフチェックページに誘導し、ユーザー自身が現在の症状を入力することで、症状に応じた有効成分や医薬品情報、症状に合わせた適切な医療機関情報が提供されます。医療機関は実証エリア内（下記参照）の医療機関情報を診療科目別に掲載することで、訪問すべき医療機関へ速やかにアクセスすることが可能です。

＜軽症時のセルフケアから緊急時の病院案内まで、訪日旅行者の状態に応じた適切な選択を支援＞

またプラットフォーム上に表示される症状を医師、薬剤師に提示することで、現在の状態をスムーズに情報共有できる仕様となっております。体調不良者のうち70%以上は風邪や発熱、腹痛、下痢などの比較的軽症である（※）ことから、症状に応じた有効成分や医薬品情報（OTC医薬品を含む）を提供することで、必ずしも早急な診察が必要でない場合に適切な医薬品の服用を可能にします。

このように本サービスによって訪日旅行者は自国にいる時と同様に医薬品でのセルフケアや適切な医療機関を受診することができるようになり、訪日外国人の快適な日本観光をサポートするとともに、観光関連事業者の負荷軽減や医療機関における課題解決に繋げてまいりたいと考えております。

【実施期間】

2025年12月25日～2026年3月31日（状況によって延長の可能性があります）

【利用ツール】

医療機関マップおよびセルフケア診断WEBアプリ

【対応言語】

英語・中国語（簡体字）

【実証エリア】

東京都内（新宿、渋谷、浅草、六本木）

【WEBアプリ情報】

https://japan-medical-advisor.com/

※観光庁：令和5年度「訪日外国人旅行者の医療に関する実態調査」より

※本サービスは医療機関・医薬品の情報提供を行うものであり、医療行為・診断を行うものではありません。

■各社の役割分担

実証事業における両社の主たる役割は以下の通りです。

【メディ・エンジン】

・医療・医薬品に関する専門知識に基づく本PoCの監修・設計・推進。

・医療機関、宿泊施設へのチラシ設置交渉、ユーザー問い合わせ対応、掲載医療機関および医薬品の選定。

【昭文社ホールディングス】

・メディア運営・デジタル地図配信事業の知見に基づくサービス設計。

・DMO等観光事業者およびメディア広告出稿事業者との連携。PoC向け各種データ、紙媒体の制作等。

■今後の展開

両社は本実証を通じて事業性検証を協力して行い、本サービスの課題と有用性を判断した上で、2026年4月以降の本運用に繋げてまいりたいと考えております。昭文社ホールディングスとメディ・エンジンは、訪日外国人と日本国内の医療サービスの提供に関連する諸課題の解決を図りつつ、日本国内においても適切な医療サービスの提供を行うことで、日本観光を安心して楽しんでいただける環境を築いてまいります。